トマトを世界一美しく切ってみましょう ３ ―グレープフルーツも世界一美しく剥いてみましょう―
（読了目安8分）
前回まではトマトでしたが、今回はグレープフルーツの話を少しして、人間関係や人生の話としてまとめますね。
「グレープフルーツを剥く」というと、みなさんはどんな映像を想像しますか？
人間関係と同じで、相手のことを考えずに、やりたいようにやると、グレープフルーツはぐちゃぐちゃになってしまいます。
反対に、相手のことを考えて丁寧に剥けばうまくいくはずです。
以下の写真は、柑橘類が好きな娘のために、マスターが剥いたグレープフルーツです。
所要時間は8分程度で、外側の厚い皮を剥くとき以外、道具は使いません。
剥くときのミスはなかったので、「世界一美しく剥いた」と言えます。
果肉が割れていないので、ゆがまずに自立します。
一番左の細胞も崩れずに残っています。
種を取り除いた部分も崩れていません。
白い部分も残らず剥けています。
娘が喜んで食べてくれました。
細胞がつぶれていないグレープフルーツは、ひとつひとつに宝石のような美しさがあり、食べる人はまず目で楽しめます。
細胞がつぶれないということは、表面が濡れていないわけですから、気軽に手づかみもできますし、グレープフルーツの果肉に一切無駄が出ず、全部を楽しむことができます。
ですからエコ志向の人にも嬉しい剥き方です。
プリプリのグレープフルーツを手づかみで口の中に放り込んで噛んだとき、そのジューシーさは格別です。
そしてなにより、きれいに剥けると、剥いている本人が楽しいんです。
剥く人も食べる人も幸せで、周囲の人も迷惑しませんから、「愛」と言えるわけです。
誤解のないように書くと、このグレープフルーツは、「剥きやすい品種」のようです。
たまたまその品種に「当たった」からきれいに剥けたんですが、練習すれば、どんな品種でもある程度きれいに剥けるようになります。
グレープフルーツを剥くと、人によっては20分以上かけてズタズタにしてしまいます。
しかし、もし10分かからずにきれいに剥けるなら、充分に愛情を表現できます。
マスターは、8分で写真のように剥くことができるように、「練習」をしました。
練習をすればできるようになるわけです。
これは人生にも同じことが言えるんです。
自分の人生を美しく生きるか、ズタズタにするかは、本人にかかっています。
美しく生きるための本質的な努力をすれば、人は美しく生きることができるようになっています。
今回グレープフルーツの剥き方については触れませんので、どうすれば美しく剥けるか、考え、実践してみてください。8分で写真のように剥けるようになったとき、きっとみなさんはマスターと同じ方法で剥いているはずです。
特別な道具は必要なく、指を使って剥くだけです。
相手の気持ちになって当たり前のことをやるだけで、写真のようなプリプリの美しいグレープフルーツになります。
人生も、相手の気持ちになって当たり前のことをやるだけで、美しく生きていけるようになります。
美しく生きている人たちは、みんな同じことをやっています。
「同じこと」とはなにか・・・それは、元気なあいさつ、ウソや隠し事をしないなど、あたりまえのことです。
以下に続きます。
◎考え続けること
食材をひたすら切っているだけでは、料理が苦痛になることもあります。
しかしそこに「考えること」や「工夫すること」を盛り込めば、食材からの声が聞こえるようになり、切るたびに新しい発見や成長があります。
トマトとグレープフルーツに限らず、いろいろなことを「練習」することで料理は楽しくなります。
そして、作る人が料理を楽しむことで、料理に愛をこめることができます。作る人が気分よく楽しんで作った料理と、不機嫌そうにやむなく作った料理があったら、マスターはやっぱり、作る人が楽しんで作った料理を食べたいです。
料理を楽しむということは、料理に愛をこめるということなんです。
前回、いろいろな人がトマトを切る映像を検索した人は、どう感じました？マスターの説明を読む前はなにも感じなかった人が、マスターの説明を読んだあとは、全く違った映像に見えたはずです。
上にも書いたように、マスターがトマトに対してやっていることは、料理に縁がない人が見ると、高度だったり難解だったりするかもしれませんが、ある意味、トマトをきれいに切るための「基本中の基本」なんです。
「基本をおさえているからきれいに切れる」とも言えるわけです。
検索した映像で、世間には基本ができていない人が多いこともわかったと思いますが、考えないで切っていると、そういうことにも気付かないんです。
料理の勉強をしようとしたとき、
「いい包丁があるから買いませんか？」
「有名シェフの料理教室があります」
「お鍋とフライパンのセットをそろえましょう」
などの商業的な宣伝に流されてしまう人がいるのと同様、人生の勉強をしようとしたとき、マスターがこれまでに注意を促してきたような「商業バイアスが強くかかった情報」に流されてしまう人がいます。
情報に流されるのは、本質がどこにあるか自分で考えないことが原因です。
ただ生きるだけでは、人生が苦痛になることもありますが、そこに「考えること」や「工夫すること」、つまり愛する努力を盛り込めば、人の心や社会の仕組みが分かるようになり、人生が楽しくなります。
トマトが思うように切れないのは、包丁の「基本中の基本」ができていないから、そして人生が思うようにいかないのは、人間の「基本中の基本」ができていないから・・・忘れないでください。
人生がうまくいかないのは、社会や景気、他人のせいではありません。
◎まとめ
ところで、ここ数話で何度も登場した以下の写真・・・奥のトマトはマスターが切ったものですが、手前のは、フードコーディネーター（21歳）が切ったものです。
ちまたでは有名な会社の資格なんですが、マスターが資格を発行する側なら、彼女には卒業証書や検定合格書などを発行しないと思います。
社会の仕組みは、さらに上のコースとか関連講座を受けさせることで、企業だけが儲かるようになっています。
自分に自信がない人は、他人からのお墨付きがないと不安になるため、各講座の上級コースを受けてしまう傾向があります。
その後、彼女に「社会の仕組み」を教えたところ、
「マスターに会わなかったら今ごろ大変なことになっていました」
と言ってくれました。
※今の彼女は、フードコーディネーターとは関係ないことをやっています
トマトのくし型切りは、資格や検定ではどうにもなりません。
また、学歴や職歴、お金や美貌でもどうにもなりません。
大切なのは、愛を実践することです。
トマトの都合を考え、食べる人の気持ちを考え、本気になってトマトと向き合い、愛を実践するんです。
その結果として、トマトがきれいに切れるようになるわけです。
そして、何度もくどいようですが、人生も同じです。人生は、資格や検定ではどうにもなりません。
また、学歴や職歴、お金や美貌でもどうにもなりません。
大切なのは、愛を実践することです。
周囲の人たちの都合を考え、彼らの気持ちを考え、本気になって人と向き合い、愛を実践するんです。
その結果として、人生が楽しくなるわけです。
マスターは以前、「人生の金メダルは誰でももらうことができる」と書きました。
人生に悩んでいる人たちは、他人に対して、「自分がしてもらいたいこと」をせず、「されたらイヤなことを」しているんです。
たとえば「他人から愚痴を聞かされるのが面倒」と誰かに愚痴を言ったり、「あの人は批判的だから人間としてダメ」と他人を批判したり、「あの人の口臭が気になる」としゃべりながら、自分も口臭が強かったりするわけです。
これでは金メダルはもらえませんよね。
人は誰もが世界一美しく生きることができるようになっています。あとは、そうなるように実践するかどうかです。
◎「できるはずない」と言う人
キレイに剥かれたグレープフルーツについて、マスターと同じことをやっている人がいるか調べていたときのことでした。
ちまたの意見の中には、「グレープフルーツがこんなにキレイに剥けるはずがない、なにか液体につけて皮を溶かしたはず」と言っている人もいたんです。
さて、この人は、生涯グレープフルーツをキレイに剥けません。
なぜなら、挑戦しようとしないからです。
挑戦しなければできませんから、挑戦しない人は一生できないわけです。マスターは包丁の使い方を教えることがあるんですが、「目を閉じて切る」「1秒間にキュウリを6枚以上切る」など、練習すればできることを「できるはずない」と言う人には教えないことがあります。
生徒さんは「できない」と言い、マスターは教えませんから、その人は一生できません。
また、「マスターは結婚してから妻とケンカをしたことがない」と言うと、「それはウソでしょ」と言う人がいます。
そんな人は生涯ケンカをしますから、平和な人生を送ることはできません。
平和な人生を送ることができるのは、できると信じ、平和な人生を送るために挑戦を続けた人です。
もちろんできると信じただけではできませんし、努力を続けても生涯できない人もいるかもしれません。
しかし、「できない」と決めたらその場でできないことが確定しますから、挑戦しようと思うなら「できない」と決めてはいけないんです。
以上、トマトとグレープフルーツの話、そして人生の話でした。
人生は一回だけですが、トマトとグレープフルーツは何度でも手軽に挑戦できます。
興味がある人は「美しく切る・剥く」に挑戦してみてください。
どうしてもできなかったらマスターが助言しますから、遠慮なく連絡ください。
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