人類の自立 ―「神」を作る大人たち―

(読了目安5分)

子どもは、なにか不都合があれば親がなんとかしてくれますから、無責任に生きていくことができます。
子どものうちは「お父さん、お母さん、助けて!」でなんとかなってしまうんです。


では、子どもが大人になったとき、不都合があった場合になんとかしてくれるのは誰でしょうか。


そう、本来は「自分」です、自分でなんとかしないといけないんですが、大人になっても自分の幸せに責任を持てない人が多いため、「一部の大人たち」は「神」を作り、神になんとかしてもらおうとするんです。
どこかに「神」がいることにすれば、困ったときに神がなんとかしてくれますから、人類は無責任に生きていくことができます。
大人は子どもよりズル賢いですから、神を「永遠の命」にすることで、自分より長生きさせ、生涯甘え続けようとします。


上に書いた「一部の大人」とは、愛をそそげない大人たちのことです。
「好きな人がいない人」
「大切な人がいない人」
「人間関係がうまくいかない人」
などと言い換えることもできます。
愛をそそげないと心が満たされず、満たされないとストレスが溜まり、そのストレスを発散するために、人によっては「神」を作り、甘えようとします。


神を崇拝する宗教を生み出している原因は、物事を自分で解決できない「大人の未熟さ」です。
大人が未熟なままでは、争いはいつまでも続き、人類は愛にたどりつけません。
ですから、人類はいつか人間として自立し、「外側の神」を卒業する必要があります。
子どもが小学生になって「サンタクロース」を卒業し、さらに、成人になって「親」を卒業していくのと同じことです。


子どもがいつまでも自立することを怖がっていたら、なにか起こるたびに「お父さんお母さん助けて!」を繰り返すだけです。
子どもは「親」に頼り続けてはいけませんし、頼り続けることはできないんです。
同じように、人類がいつまでも自立することを怖がっていたら、なにか起こるたびに「神様助けて!」を繰り返すばかりで、自分の責任で愛にたどりつけませんよね。
子どもが親に頼り続けてはいけないのと同じように、人類は「神」に頼り続けてはいけないんです。


人類が「外側の神」に甘えているうちは、まだ動物として子どもですから、愛にたどりつけません。

言い換えると

「自分が神であることを認めなければ、愛にたどりつけない」

ということです。


自分が神であることを認める・・・

これってみなさんにとってプレッシャーですか?


大丈夫です、安心してください。
視点を変えて見れば、人類はすでに神です。
千年前の人類と比べたら、神にしかできないことをしているんですから。


しかもあなたは完全な存在ではなく、不完全な存在です。
愛だって神だって、それらは完全じゃなくていいんです。


ですから、
「自分が愛や神になるなんて不安」
「大人になるなんて不安」
などと怖がることはありません。


人はいくら努力しても不完全なままです。
大切なのは、完全になれないことに開き直ることもあきらめることもせず、少しでも近づこうと努力し続けることです。


スマホもパソコンも、「あきらめなかった人たち」が、少しでも理想に近づこうと努力を続け、作り上げたものです。
モデルチェンジをするごとに、どこかが改良され、理想に近づいていきますよね。
10年間改良されない在庫のスマホを買う人なんかいないんです。
「どうせ私は完璧じゃないですよ」と成長をあきらめた人と、「それでもがんばります」と笑顔で頑張る人では、愛されるのはもちろん後者です。


子どもたちを見ていると、親が甘やかしてばかりいたら幸せになれないとわかります。
ケンカをしているのを親から仲裁されているうちは、「仲裁する人がいくなったらまたケンカを始めてしまう」ということです。
また、困ったことがあるたびに親に頼っていたら、親がいなくなったらなにもできなくなってしまい、結局困るのは自分です。
子どもたちが将来楽しく平和に、不安なく暮らすには、相応の実力が必要になり、それには、まず親に甘え続けることをやめ、自立する必要があるわけです。


人類も同じです。
外側に神を作り甘え続けようとする人がいますが、今の時代、「外側に神はいない」ということは明らかです。
「神」を作る大人たちは、自分が大人になることを放棄し、神に甘え続けようとしているんです。
しかしそれでは「子どもの思考」のままです。
人類が子どものままでは、平和は訪れませんよね。


現代の日本人は、産まれてから20年かけて成人し、ある意味大人として自立します。
人類という生き物も、生まれてから200万年かけて成長し、スマホを使うまでになりました。
もうそろそろ人類という「種」として大人になり、「外側の神」に甘えることをやめてもいいかもしれません。



◎まとめ

以下、箇条書きでまとめてみますね、


子どもは大人に甘えるが、大人は甘える相手がいないから「神」を作る。


神を作る大人たちは、主に人間関係がうまくいかない人。

(金銭トラブルや病気で悩む人もいるが、究極的には「寂しさ」がある)


大人は神を永遠で完全なものに仕立てて甘え、安心しようとする。


神を卒業しなければ人類は大人になれない(争いをやめない)。


良好な人間関係に必要なのは愛をそそぐこと。

愛とはなにか考え実践することで、自分が神だと理解できるようになり、自立できる。

人類が自分の幸せに責任を持てるようになれば、争いを卒業し、平和が実現する。

以上です。

・・・

投稿タイトル一覧は以下です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?