塩分控えめはヘルシーなの?

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「塩分控えめ」と聞くと、「ヘルシー」とイメージする人が多いですが、塩分控えめというのは本当にヘルシーなのかどうか、考えてみましょう。
※医師から塩分制限を指導されている人は、この記事を参考にしないでください。


まず、塩分にはカロリーがあるかどうか、念のため確認しましょう。
塩分は、カロリーゼロです。
塩はいくら食べても太ることはありません。
ですから、「塩分の濃い料理は太る」と思っている人は誤解なので安心してください。



次に、塩分の摂りすぎで体調不良になると思うかもしれませんが、健常者であれば、人は塩分を摂りすぎるとすぐにのどが渇き、水を飲んで尿と一緒に排泄しようとします。
多量の塩を強制的に食べさせられるなど、非現実的なことは別として、普段の生活で摂る現実的な量なら、塩分を摂り過ぎたと思っても体調不良になることはありません。


さらに、「塩分が濃いと食べ過ぎる」という危険性について考えてみましょう。
薄い味のおかずは、人によっては、「薄味のおかずはヘルシーだからたくさん食べてもOK」と勘違いし、食べ過ぎてしまう可能性があります。
また、身体に塩分が足りないときは、本能的に身体が「味が薄くて食べ応えがないからたくさん食べて塩分を摂ろう」と感じてしまいます。
たとえば、塩分控えめのおかずAがあり、その2倍の塩分のおかずBがあるとします。
人間が本能的に塩分を欲している場合、薄味のおかずAを食べるならたくさん食べる必要があり、おかずBを食べるよりカロリーをたくさん摂ることになります。
ダイエット中の人や、太めの人にとっては、必ずしも「塩分控えめ」がヘルシーとは言えないんです。


薄味はヘルシーだと思って安易に食べすぎたり、身体が本能的に塩分の必要摂取量を満たそうとすると、結局のところ、カロリーをたくさんとってしまうんです。


人間は自分の体内で塩分を作り出すことはできませんから、生命維持のために必要な量に対して塩分が少なすぎると、体内から補充することができなくなり、いずれ体調が悪化します。
必要量より少ない摂取は、身体にとって悪影響があるわけです。
ですから、必要量より多く摂取し、余分な塩分は水で排泄し、体内の塩分濃度を調整する方が身体にいい、つまりヘルシーと言えます。
マスターの記憶では20年ほど前からだと思いますが、夏になると「塩」がキーワードになった商品が売られるようになりました。
「夏バテや熱中症防止に塩を摂りましょう」ということです。
それまでは、一部で「塩分は控えるほど身体にいい」という風潮があり、なんでもかんでも「減塩」でした。
しかし現在は、主に夏になると「塩を食べよう!」という流れも出てきています。
夏に塩の摂取量が少なすぎると、体調が悪くなることがわかってきたからです。


「塩分控えめ」は、必ずしも「ヘルシー」とは限らず、「ダイエット」という意味では、ある意味逆効果ということがわかったと思います。


◎余談


「塩分30%オフ」という商品があるとします。
ヘルシーだと思って買うのはいいですが、値段は普通の塩分濃度の商品と変わらないはずです。
ですから、「塩分30%オフ」という商品を買って、いつもより3割多い量を使っていたら、塩分の摂取量はほとんど変わらないまま、お金を余計に使い、カロリーも余計に摂っていることになります。
これは「スイーツ」についても似たようなことが言えます。
スイーツは、「甘い」からスイーツと言われていて、甘いからおいしいわけです。
「甘さ控えめでヘルシー」と言いながら、味気ないスイーツをたくさん食べるより、甘いスイーツを少し食べた方が、おいしい上に総摂取カロリーも減るので、「ダイエット」という視点からは有効です。
スイーツを食べるからには、「甘くておいしい!」と思えてこそ「幸せ」です。

味気ないスイーツをたくさん食べ、「体重は増え、お金は減る」という悪循環に入らないようにしてください。



※「糖分」に関しては、カロリーがあり、余剰分は身体に蓄えられ、水を飲んでも排泄されにくいことを考慮する必要があります


◎まとめ

塩はカロリーゼロですから、塩味が濃いものを食べても、塩分の濃さが原因で太ることはありません。
また、体内の塩分濃度が上がれば、人間はのどが渇き、水を飲み排泄することで塩分濃度を調整できます。
つまり、健常者は、ある程度濃い味で食べても大丈夫ということです。
さらに、人は塩分が少ないおかずの場合、本能的に塩分摂取のために食べすぎる場合もあります。


「塩分控えめはヘルシー」


これを単純に妄信する人に、知恵があるとは言えません。
「塩分控えめ」という言葉について考えるときは、一度この記事を思い出してくださいね。

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