クイズ おかずを長持ちさせる方法

(読了目安13分)

今回は、「クイズ おかずを長持ちさせる方法」です。
食品をできる限り腐らせないことや長持ちさせることは、「愛する努力」と言えます。

「愛を長持ちさせる方法」のヒントにもなる内容です。


おかずが長持ちするに越したことはないですよね。
長持ちするなら、一度にたくさん作れて効率的ですし、食中毒になりにくいですし、無駄に捨てる必要もありませんしね。



今回は、作り置きのおかずを長持ちさせる方法について、「カレー」の保存を例に、クイズ形式で書いてみます。
長文なので、ゆっくり読んでもらればと思います。


では、みなさんが作った「カレー」は、冷蔵庫の中で何日間傷みませんか?ひどい場合だと「3日でダメになる」なんて言う女性もいますが、以下、マスターが紹介する方法で実験したところ、カレーは冷蔵庫の中で一ヶ月以上傷みませんでした。


とても簡単な方法で、もちろん他のおかずにも応用できます。
この方法を義務教育中に教えてしまえば、日本中の冷蔵庫に入っているおかずの消費期限が2倍に伸び、食中毒は半分に減ると思います。


毎年のように感染症による食中毒の犠牲者もいるんですから、食中毒を防ぐ努力はまさに「愛する努力」です。
そしていつかあなたがレストランのオーナー、そして主婦になったとき、顧客や大切な人たちを守ることにもなります。


以下、まずはクイズいきます。

全問正解なら、あなたは「愛する努力」をしていますし、きっとすでに長く愛されているはずです。
逆に全問不正解なら・・・さらにがんばりましょう、自分磨きはこれからです。
では最後まで読み逃しなく。



クイズの文中に出てくる「消毒」というのは、200倍に希釈した「塩素系漂白剤(キッチンハイターなど)」の噴霧を数回噴霧してから数秒間待ち、水で流す作業です。

塩素系漂白剤も噴霧用のスプレーボトルも、100均で買えます。




◎クイズ

1)
カレーを作ったら、火を止めてすぐに容器に入れてフタをします、なぜでしょうか。

(マスターは「Ziploc」という容器を使います)



2)

できたカレーを入れる容器は、カレーを入れる直前に消毒して水で流し、残った水気は拭き取りません、なぜでしょうか。

以下のようにスプレー消毒し、数秒待ってから水で流します。



3)

カレーをすくうおたまやヘラは、使う直前に消毒して水で流し、残った水気は拭き取りません、なぜでしょうか。



4)

カレーを容器に入れた後すぐにフタを閉めますが、そのフタも消毒して水で流し、残った水気は拭き取りません、なぜでしょうか。理由を2つ答えてください。

水で流してからは拭き取りません。


5)

カレーが入った容器は冷蔵庫の奥にしまいます、なぜでしょうか。



6)
カレーが入った容器から少量を取り分ける時、使うおたまやスプーンを消毒して水で流し、残った水気は拭き取りません、なぜでしょうか。



7)
容器から少量を取り分ける時、フタを開けている時間はできるだけ短くします、なぜでしょうか。



8)

カレーに入れる水の量を少なくすることも有効です、なぜでしょうか。




以上、答えはわかりましたか?



では以下、「答え」の前に、食べ物が腐る理由について簡単に書きますね。


食べ物が腐る理由を考えれば、上記クイズの答えも見えてきます。



◎食べ物が腐る理由

食べ物の多くは、「高温多湿」という条件のところに置いておくと、いつか腐ります。

腐る理由は、主に空気中の雑菌が食べ物に付着し、食べ物を分解しながら増殖していくからです。

たとえば生の肉や、ゆで玉子など、傷みやすい食材を室内に置いておくと、翌日には異臭が発生しますが、これが雑菌に乗っ取られ、腐敗し始めた状態です。

ちなみに、人間も言ってみれば「生の肉」ですが、人間が腐らないのは、健康な状態の人間には、雑菌と戦う「免疫機能」が働いているからです。


また、食品と雑菌の組み合わせによっては、「腐敗」ではなく「発酵」と表現されることもあります。
細かい話は抜きにして、味噌やパンなどの人間に都合がいい現象を「発酵」、食べ物が傷むような人間に都合が悪い現象を「腐敗」と考えてください。


腐敗の仕組みがわかれば、食べ物を腐らせないようにする方法はとても単純なんです。


「雑菌を付着させない」


または


「雑菌を増殖させない」


たったこれだけです。

しかし普段の生活でそれをやるのは大変です。
雑菌は常に空気中を漂っていて人間の目には見えませんから、管理された無菌室などを除き、「露出した食材に全く付着させない」ということは不可能です。
当然、食材にもともと付着している雑菌もあるはずです。
そうなると、「雑菌を増殖させない」という方法をとることになります。


ここでもやはり増殖スピードを遅らせることはできますが、食材に付着した菌の増殖をゼロにすることはできません。
しかし低温環境や、濃い塩分、乾燥した環境の中なら、付着した雑菌の増殖を止められる場合があります。
食品を冷凍したり、塩漬けにしたり、乾物にするのはそのためです。



日常生活の中では「完璧」なんてムリですから、雑菌の付着量と増殖スピードをできるだけゼロに近づける方法を考えればよく、これを高い次元で満たすほど、食べ物が長く保存できるわけです。



では、冷凍庫を使わず、冷蔵庫でカレーを長く保存するにはどうすればいいでしょうか・・・



「冷蔵庫に保存して5日ももたないわ」という人は、以下の答えと解説に納得できたら実践してみてください。
徐々に風味は落ちるとしても、マスターの冷蔵庫では1ヶ月以上はもちました。


それでは、以下が「答え」です。



◎答え (長文になります)

上記クイズの答えと解説です。


1)

カレーを作ったら、火を止めてすぐに容器に入れてフタをします、なぜでしょうか。


答え)

容器の中に雑菌が入るのを防ぐためです。

粗熱をとるためにフタもせず放置してしまう人がいますが、それをやると、空気中の雑菌がカレーの上に降り注いでしまい、雑菌にとって最高の温床になってしまいます。
ですから、煮込みの工程で高温殺菌が完了した状態のまま、すぐに容器に入れることが大切です。
鍋ごと冷蔵庫に入れる場合は、火を止めてすぐにフタをし、粗熱をとってから入れればOKです。
ただしフタの消毒を忘れないでください、理由は後述します。



2)

できたカレーを入れる容器は、カレーを入れる直前に消毒して水で流し、残った水気は拭き取りません、なぜでしょう。

答え
雑菌を洗い流すためです。

水気を拭き取る「ふきん」には空気中の雑菌、咳やくしゃみからの雑菌、そして手からの雑菌がたくさんついています。
「洗いたて」のふきんで容器を拭くならまだマシなんですが、通常、布で拭く行為は、食器に対して雑菌を塗りつけているのと同じです。
ですから、雑菌の付着を防ぐために、消毒後に水洗いしたあとは、拭いてはいけないわけです。

勘違いしてはいけないのは、あくまでも食べ物を入れる直前の話です。
容器になにも入れないときは、洗ったあとに濡れたまましまうのではなく、しっかり拭いていいんです。
拭いた食器には水分がないため、空の容器の中では、雑菌は増殖することはできないからです。



まとめると、

「使う前の容器には雑菌が塗りつけられたまま、乾いた状態で増殖のチャンスを狙っている」

「そのままカレーを入れたら増殖してしまう」

「だから除菌をする必要がある」

ということです。


参考までに、もし容器の中を消毒せずにカレーを入れると、カビが生えるのはカレーと容器の境目のどこかからです。

理由は、カレーが容器に入るとき、容器内に付着している雑菌を持ち上げながら入るからです。



3)

おたまやヘラは、使う直前に消毒して水で流し、残った水気は拭き取りません、なぜでしょうか。


答え

これも上記と同じ理由で、ふきんを使うおたまやヘラに雑菌を塗りつけてしまうからです。




4)

カレーを容器に入れた後すぐにフタを閉めますが、そのフタも消毒して水で流し、残った水気は拭き取りません、なぜでしょうか。理由を2つ答えてください。


答え1

フタにも雑菌がついていて、その雑菌がカレーに触れる可能性があるからです。

「フタはカレーと接触しない」と思ったら大間違い・・・というか「ちょっと間違い」です。

カレーの量が多い場合やスープカレーの場合、容器の移動時にカレーが揺れてフタの裏側に接触してしまい、雑菌を拾ってしまうんです。

そうすると、せっかくそれ以前にカレーと容器に対して除菌をした効果が半減してしまうんです。

これがひとつめの理由です。


そしてふたつめの理由は「結露」です。

熱いまま容器に入れてすぐにフタを閉めますから、その時点ではカレーに雑菌は少ないんです。

しかし、カレーが冷めるにつれてフタの内側に結露し、その水滴が雑菌を集めてカレーに落ちます。


以下の写真でなんとなく想像できると思います。

このパターンで雑菌がカレーに触れると、結露が落ちたところにやがてカビが生えます。


熱いカレーが入った容器にフタを閉めた状態


上の状態で放置すると、カレーからの水蒸気が冷え、徐々にフタの内側に結露します

フタを消毒しないと、フタの裏についた水滴が雑菌を集めてカレーに落ち、やがてそこからカビが生えてしまいます。

2問目のクイズとは違う場所からカレーが傷むわけです。

(フタを閉めてから粗熱をとり、冷蔵庫に入れます)



5)

冷蔵庫の奥にしまいます、なぜでしょうか。


答え

温度が低いまま安定している場所だからです。

一概に言えませんが、冷蔵庫の奥の方から冷風が出ていることが多いので、奥の方が温度が低く、ドアの開け閉めによる温度変化も少ないんです。

温度が低いほど雑菌の繁殖を抑えることができます。




6)

容器から少量を取り分ける時、おたまやスプーンを消毒して水で流し、残った水気は拭き取りません、なぜでしょう?


答え

雑菌がカレーの中に入るのを防ぐためです。

おたまやスプーンを消毒しない、または拭き取ってしまうと、タオルの雑菌がカレーに触れてしまい、腐りやすくなります。




7)

容器から少量を取り分ける時、フタを開けている時間はできるだけ短くします、なぜでしょう?


答え

雑菌が入る時間を短くするためです。



8)

カレーに入れる水の量を少なくすることも有効です、なぜでしょうか?


答え

塩分濃度が濃くなり、腐りにくくなるからです。

食べるときは水かお湯を入れて温めればOKです。

水分を少なくすると、保存性が上がるだけではなく、容量も減り、保管にも便利です。




以上、8問のクイズの「答え」でした。



全問正解できましたか?


ひとつひとつは単純な作業ですよね、しかしこんな気使いの積み重ねが、積り積もって賞味期限を「30日間」まで伸ばしてくれるんです。



毎度同じことを書きますが、これは人生も同じで、細かい気使いの積み重ねが、あなたを「長く愛される女性」へと近づけていきます。

いま、もし悩み事があっても、なにかに限界を感じていても、さらに考えて工夫することで、きっと解決します。

あきらめないでください。




◎消毒の余談

キッチンにある食器拭きや台拭き用タオル、それから、食器洗い用のスポンジのニオイを嗅いでみてください。

もし異臭があるなら、それは雑菌が繁殖しているからです。

特にテーブルや作業台を拭く「台拭き用タオル」は、汚れた台を拭くものなので、言ってみれば台に降り積もった雑菌と、その栄養になる汚れを混ぜ合わせる道具と言えます。

さらに、手で絞るわけですから、手の雑菌と汗、脂も染み込み、それらも雑菌の繁殖に好都合なものになります。

まして人間が心地よい程度のお湯で洗って絞ったり、手からの体温も加われば、雑菌が繁殖して当たり前です。

そして増えた雑菌に気づかずにタオルを握れば、今度は逆に大量の雑菌が手に移り、それが「食器拭き用タオル」や「食材」へと移っていきます。

このように、衛生環境が悪いと、食事を通して人体のトラブルが起こり、咳、クシャミ、嘔吐や下痢からの間接的な感染で、さらに悪循環を生み出します。

明治時代までの平均寿命が今よりもはるかに短いのは、まさに「衛生面」がキーワードです。


「オーガニック教」カテゴリーで書いたように、日本の明治時代のような生活をしているネパールの山奥では、不衛生な環境で、子どもがバタバタ死んでしまうんです。
(それを生き抜いた人たちはけっこう長生きです)


ネパールの山奥では、いまだに傷口に泥を塗る部族もいるほど衛生面に対しての知識がありません。


話は戻りますが、「雑菌に対する知識が乏しい上に貧しい環境、しかも冷蔵庫もない」・・・これでは、「傷んだもの」を食べるのは当然で、その結果、多くの人が病気になります。

現代日本の快適な環境は、まだまだ100点ではありませんが、それでも、先人たちの膨大な犠牲や教訓の上に成り立っています。

感染症に苦しんで死んでいった先人たちの死を無駄にするようなことをしてはいけないはずです。


「長く愛される人」は、自分が悪循環の中心になるようなことはしません。
たとえば子どもの嘔吐・下痢は、単に子どもだけの苦痛ではなく、周囲にも感染し、悪循環を生み出します。

「子どもは病気になった方がいい、抵抗力が身につくから」という考えがいまだにありますが、それを言う親御さんたちが、ネパールの山奥に自分の子供を連れて行ったら、きっと排泄物を手で触らせないでしょうし、触ったら手を洗わせるはずです。


人間ですから「100点」は無理です、しかし、できることならそれを目指して努力することが「愛」だと思います。



◎消毒用スプレー

消毒用のスプレーを用意して、雑菌退治に挑戦してみましょう。
スプレーは、容器にだけではなく、手洗いにも、タオル洗いにも使えます。
数回噴霧して水で洗い流せばOKです。

マスターの子どもたちは、学校帰りや食事の前に、このスプレーで手を洗っていました。

マスターも25年以上続けていますが、手は荒れていません。
塩素系漂白剤とスプレーボトルで約200円、しかも簡単にできます。
また、この方法は、飲食店の責任者が集まる食中毒に関する行政の説明会でも推奨されているものです。


マスターの経験上、悪いことはないと思います。


塩素系漂白剤の「混ぜるな危険」という文字に不安になってしまうかもしれませんが、酸と混ぜなければ大きな危険はありません。
原液は強力ですが、200倍程度に希釈し、使い方を間違えないようにすることで、とても役に立つスプレーです。


ちなみに、今回の方法は、「長期保存」を目的にしているものですから、作ったものをその場で食べるなら、わざわざ消毒する必要はないと思います。

また、フライパンや鍋は火にかける前提ですから、使用前に消毒する必要はありません。


なんでもかんでも消毒すればいいというものではなく、保存の状況に応じて、ということです。



◎まとめ

今回はカレーの保存について書きましたが、この考え方を基本に、いろいろなおかずの保存に応用してください。

気使いのポイントをおさえてしまえばたいした手間でもなく、きっと冷蔵庫で保管するおかずがさらに長持ちするはずです。


また、この話は、みなさんの人生が行き詰まったときにも思い出してもらいたいです。


カレーが3日で傷むとき「それには原因がある」と考え、細かい工夫を重ねることで、30日間傷まないようにすることができます。
あなたの人間関係が3ヶ月で傷んでしまうなら、それには原因があると考え、細かい工夫を重ねることで、30年以上傷まない人間関係にすることができます。


以上です。
最後までありがとうございました。

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