神を卒業する ―子どもはサンタクロースを卒業できるのに― 

(読了目安5分)

今回は「宗教」マガジンで2つの話です。


◎神を卒業する ―子どもはサンタクロースを卒業できるのに―



「サンタクロースに願い事をすれば願いがかなうよ」

こんな大人の言葉を信じて一生懸命お祈りしている子どもを見て、みなさんはどう思いますか?
マスターは、「子どもってかわいいもんだ、純粋だな」なんて思います。


社会に対して「無知・未熟」だった子どもが成長し、やがて「サンタクロースの正体」を知ったとき、その祈りは終わります。


では、

「祈り続ければ幸せになれるよ・お題目(マントラ)を唱えれば幸せになれるよ」

こんな教祖の言葉を信じて一生懸命お祈りしている大人を見て、みなさんはどう思いますか?


「大人ってかわいいもんだ、純粋だな」、なんて思いませんよね。


大人たちがさらに成長すれば、その祈りはいつか終わりますが、成長できずに「外側の神」に祈り続ける大人って、けっこう多いんです。


これが「人類はまだ宗教を卒業できていない」ということです。
子どもはサンタクロースを卒業できるのに、大人が宗教を卒業できない理由は、「宗教にコストをかけすぎ、もう引っ込みがつかない」という理由もありますが、子どもと同様、人類そのものがまだ「無知・未熟」だからなんです。


「子どもは社会の仕組みに対して無知・未熟、大人は本質に対して無知・未熟」ということです。


たとえば、成長しない子どもだけの世界を作っておけば、その世界でサンタクロースは存在し続けますよね。
ということは、子どもたちは、経験を積み、成長することによって、サンタクロースを卒業するんです。
同様に、人類がよりたくさんの経験を積み、成長することができれば、宗教を卒業することができます。
つまり、大人が宗教を卒業できない理由は、「成長していないから」なんです。
なぜ成長しないかというと、考えることをやめて楽をしているからです。
人は、考えることをやめてしまっては、成長しません。
大人が「サンタクロースが願いをかなえてくれる」と信じ、その願いがかなわないときは「私の祈りが足りないから」なんて言っていたら、ちょっと心配になりませんか。
しかし、宗教を信仰する大人の多くは、まさにこれと同じことをやっているんです。
サンタクロースを信じている子どもは、大人から見ればまだまだ未熟でかわいいものです。
同じように、宗教を信じている人類は、人類より知的な存在から見れば、まだまだ未熟でかわいいものなんでしょうね。


新・旧、大・小、いろいろな種類の宗教が、それぞれの考え方を提案し、悩みから解放されたいと願う大人をリードしています。
しかし、不完全な人間が作り、不完全な人間が信仰する宗教ですから、宗教では悩みの根本は解決できず、また、本当の愛にはたどりつけず、最悪の場合、争いを生む原因になります。


各国の宗教的な争いが毎日報道されているように、宗教が大量殺戮の原因になっている場合も少なくありません。
「宗教は戦争の原因」と言っても言い過ぎではないほどです。


宗教と結婚についても密接な関係があります。
双方が同じ宗教を信仰していれば結婚は楽ですが、だからと言って同じ宗教の夫婦全員が幸せになれるか想像してみてください。
不仲の夫婦、周囲にいませんか?
同じ宗教内でも信心の度合いが違いますし、俗世間や他宗教との和が保てないことにより多くの問題が生まれ、夫婦間でその問題の解決ができなくなることも多く、それが夫婦の関係に亀裂を生むんです。


また、宗教が違う、もしくは一方が無宗教で一方が信仰している夫婦なんかの場合、結婚当初は、

「愛は宗教を越える」

「宗教に境界線はない」

「私の宗教はどんな信仰も受け入れる」

などと言っていたのがウソのように、トラブルの原因になったりします。
平和を目指すはずの宗教が、結婚という場においても不和の原因になるわけです。


宗教は愛から生まれたものですから、大人がもっと成長し、愛を理解し実践できるようになれば、無用になります。
人間は「より楽しいこと」を実践していく動物ですから、争うことよりよっぽど楽しい「愛すること」を知れば、争いは大幅になくなります。
ですからみなさんはどうか愛を学び、実践してください。
宗教の先にあるもの、「愛」を、直接手に入れる・・・それが長く愛されるために必要なことです。


繰り返しますが、子どもは「サンタクロース」を卒業できるのに、大人はなぜ「宗教」を卒業できないんでしょうか。
子どもが信じるサンタクロースはニセモノで、大人が信じる宗教上の神は本物なんでしょうか。
「大人は子どもより頭がいいから本物の神を見つけられる」ということでしょうか。
ではなぜ、子どもは殺し合いをしないのに、大人は殺し合いをするんでしょうか。
大人の頭が本当にいいなら、そんなことはしないはずです。
殺し合いをするような大人たちが信じる宗教や神は、果たして本物なんでしょうか。


◎成長


子どもが親と同じことをやっていたら、人類に成長はないですよね。
大昔、洞窟に住んでいた人類が代々同じことを繰り返していたら、みなさんはいまも洞窟の中です。


夜になれば暗くなり、ケガなどの緊急事態が起こっても、明るくなるまで待たなければ動きが取れません。
子どもたちが親とは違うことをやり続けた結果、今の文明があるわけです。


人を救うとされる宗教は、傷ついた人を癒すところまでは可能です。
教祖という「親」の言うままに行動すれば教祖のレベルまでは復活できますが、教祖の知恵が人類最高の知恵であるはずはありません。
つまり、宗教を極めても、教祖レベルで終わりであって、人類は精神的に成長しないんです。


宗教は、教祖の思想をコピーするだけですから、愛ではないんです。


マスターの仕事で言えば、調理師の世界も同じです。
調理師専門学校の先生のマネをしているだけでは、先生と同じレベルで終わりです。
成長することが愛ですから、停滞していることは、愛ではないんです。
先人と同じことをしているだけでは、ただ人類の知恵のレベルをその場に留めているだけです。
それでは人類は成長しませんよね。


先人をコピーしたら、さらに進化しましょう。
人が成長し続けることが愛です。

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