サイババはなぜ自分の予言より早くこの世を去ったか
(読了目安8分)
ちょっと昔の話ですが、インド人男性、「サイババ」についてです。
スピリチュアルの世界について考えるきっかけにしてみてください。
◎サイババ
みなさんはサイババという人を知っていますか?
1990年代に日本で大きな話題になったインド人男性です。
ウィキペディアでは、「スピリチュアルリーダー」とあります。
オレンジ色の服を着たアフロヘアのおじさんで、手の中から「灰・貴金属類」を出して信者にあげたりする映像が有名です。
みなさんの両親ならきっと聞いたことがあるはずです。
「サイババ」で検索するといろいろな動画が出てきます。
マスターがサイババのことを知ったのは、マスターが自分の難病を治療するため、ネパールに滞在していたときのことでした。
日本にいる知人が「アガスティアの葉」という本を送ってくれ、その本の中にサイババのことが書いてあったんです。
彼は「神」と呼ばれ、彼の力で不治の病が治るなど、とても神秘的な内容でした。
今はもう「昔話」として笑って思い出せますが、当時のマスターは、インドのアーユルベーダという考え方を使って、自分の難病を治療しようとしていましたから、本の内容はとても魅力的でした。
マスターが滞在していたネパールは、インドの北側にあり、陸続きです。
ちょっと無理をすればサイババを見に行くことができる状況でしたから、「これは運命か・・・」なんて思ったりもしました。
(結局自分の体調がおもわしくなく、インドにはいきませんでした)
◎なぜ自分の予言より早く世を去ったか
2011年4月24日、サイババは84歳で亡くなりました。
サイババ本人は96歳で亡くなると予言していたようですから、実際はだいぶ早かったようです。
(いろいろな暦を使って彼の予言を当たったことにしているものもありますが、「厳密には当たっていない」と考えるのが一般的なようです)
ではなぜ予言より早く亡くなったんでしょうか・・・
つまり、なぜ予言はハズレたんでしょうか。
答えは簡単です。
彼は、彼やその信者たちが言うような「全能の神」ではなかったからです。
以下に続きます。
◎一人ではなにもできません
みなさんが知る、有名な若い女性歌手を思い浮かべてみてください。
その女性歌手は、1人ではなにもできませんよね。
1人ではなにもできないというのは、主にマーケティング、自分の歌を世の中に出すためのいろいろな戦略が実行できないということです。
たとえば、大きなコンサートをするとき、社会を相手に多数の手続きをするわけですが、歌がうまいだけでは契約はできませんからね。
会場を借りたり、舞台装置のセットをしたり、チケットの印刷から販売、それから、コンサートの宣伝もして・・・自分の写真を撮るだけでも、スタジオの準備からはじまり、カメラマン、アシスタント、それからメイクなど、すごい数のスタッフが必要になり、これらはマーケティング部門の人が担当するわけです。
マーケティング部の人たちは、歌は下手かもしれませんが、自分の得意分野があり、歌手の才能を引き出す手伝いをして給料をもらっています。
マーケティング部は、若い女性歌手の才能を利用して、お金や名誉、地位などを得ているわけです。
サイババも同じです。
サイババも、上記のような女性歌手たちと同じ立場だったはずです。
彼の影響は世界に及びましたが、彼一人の力ではそんな仕事は不可能です。
彼は「信じる力」を引き出してくれる人という意味では、強烈なカリスマだったと思います。
しかし、サイババの組織である「サティアサイオーガニゼーション」には、彼を利用してお金を得ようとしていた人も多く、マスターが知る限り、サイババ関連の日本の団体は、内部分裂しています。
やはりマーケティング部の考え方が内部で食い違ったことが原因だと思います。
宗教の創始者たちは、はじめに書いた女性歌手たちや、サイババと同じような「超カリスマ」だったと思いますが、それを広めた「マーケティング担当者」たちの利害が主な原因で、いろいろと分裂してしまったわけです。
そもそもサイババが「全能の神」なら、内部分裂などは起きませんよね。
また、サイババが「日本に行きたい」と言ったとき、「サティアサイオーガニゼーション」の幹部に反対され、来日はかなわなかったというエピソードもありました(実際の事情はもっと複雑でしょうが)。
これも、全能の神なら日本に行けるはずですよね。
彼は、彼を信じたい人や彼の団体にとって、「神」でなければならない存在だったからこそ「神」でいた、ということです。
実際は「愛を説くおじさん(人間)」といえます。
◎とてもいいことを言っています
サイババの主な仕事は、「群衆の前での演説・不思議現象」などで、人の心を惹きつけることでした。
マスターは、ネパールに行ってインド人ともかかわりましたし、いろいろな体験をしましたから、手から灰や時計を出す「不思議現象」については、平凡なマジックだと言えますが、講演の内容は概して悪いこととは思いません。
特に以前読んだ一文は好感が持てました。
私は神です、そしてみなさんも神です。
私とみなさんの違いは、そのことに気づいているかどうかです。
とてもいいことを言っています。
しかし、サイババがやってきたことは、本人は「宗教ではない」と言っていますが、あれはマスター的には間違いなく新興宗教です。
だって、みんながサイババ個人を崇めていますからね。
崇拝の対象としての写真も出回っていましたしね。
サイババ本人が「私の写真を拝むのはやめなさい」と言っていたとしても、それを信者にやめさせられないなら、それはサイババの力不足ですから、ご利益信心の新興宗教を本人が認めていると言っていいと思います。
話は戻りますが、サイババが予言より早くこの世を去ったのは、「全能の神ではないから」です。
というか、予言そのものが団体のマーケティング部が書いたシナリオかもしれません。
◎なぜブームに?
1990年代、サイババが日本でブームになったのは、「それが本質だったから」ではありません。
その本質がどうであれ、日本でブームにすると、出版社や旅行会社、テレビ局など、大金が手に入る人がいたからです。
次に、サイババを信じたい人が多くいたからです。
その火付け役が「アガスティアの葉」という本だったのかもしれません。
ブームが去ったのは、サイババについての情報がある程度出そろい、その結果、サイババを利用する側に、大金が手に入りにくい状況になったからです。
◎マスターが伝えたいこと
マスターは以前、「宗教をやってはいけない、特に教祖が生きている宗教はいけない」と書きましたが、サイババに関してはまさにそれに当てはまります。
現役の教祖は、信者から見ればとてもインパクトがあり、ご利益も多く感じます。
しかし教祖が死んでしまったら、なにを信じて生きていけばいいのか迷うことになります。
信仰の途中で教祖が逮捕されようものなら・・・多くの信者は落胆するはずです。
同性愛疑惑やマジック疑惑、8000億円とも言われる遺産、また、彼の執務室から数億円の現金と、金や銀の塊が発見されたというニュースもあるみたいですが、これらを全て生前のサイババの言葉で正当化するのは難しい気がします。
教祖が生きている宗教のご利益はとても大きいと思います。
しかし、みなさんはどんな宗教もやらないでください。
愛にたどりつけなくなります。
「宗教は、愛から生まれた小さな痛み止め」
「人類が愛に到達するには宗教を卒業する必要がある」
これらを忘れないようにしてください。
◎参考までに
以前、スピリチュアルについて調べていたところ、サイババについて以下のようなページが目に留まりました。
元サイババ信者だった人が書いていて、彼がサイババから離れた経緯などもあります。
いろいろ見た中では信憑性も高く、リンク先も豊富で、知りたいことのほとんどの回答を見つけられそうなページです。
ページの中央上部にあるのが今回の投稿のテーマに関連するものです。
興味がある人は、徐々に読み進めていくといいかもしれません。
ホームページの内容は、
「宗教はやってはいけない、愛にたどりつくために」
というマスターの考え方と基本的に同じです。
しかし全てが同じ考えではないということや、情報は自己責任で判断するということも忘れずにお願いします。
サイババからの脱却
http://sekaibank.net/kokoro/sai/index.html
ちなみにサイババのお父さんはマジシャンだったそうです。
現代は、手品は全部録画され、ユーチューブにも種明かし動画が無数にあります。
サイババは「マジック」を使って神になった最後の人物だったのかもしれません。
◎最後に
人は、愛に近づくための旅の途中、道に迷う時があります。
迷う人の目の前には多くの分かれ道と看板が用意され、その全ての看板に「こっちが愛だよ」と書かれています。
しかしその中に、本物の愛への道はひとつしかありません。
人間は不完全ですから、どれが本物かわからず、だれもが「寄り道」をしてしまいます。
しかし人生経験を積むほど、本質を見極める力が身に付き、道に迷うことは少なくなります。
「サイババこそ神」と信じ、その看板にある矢印の方向に進んだ人たちは、大きな寄り道をしたと言えます。
中には、サイババにかけたコストが大きすぎて、人生を引き返せなくなった人もいます。
考えることをやめ、楽をしようとすると、そのツケは必ず自分に返ってきます。
本物の神を見つけるには、ニセモノの神を排除し続ける必要があります。
余談ですが、みなさんは「神を否定するとバチが当たる」なんて思っていませんか?
だいじょうぶです。
本物の神がいるなら、その神は人間からいくら否定されても怒らず、人間の未熟さを優しく見守るだけです。
あなたにバチを当てるとしたら、それは「ニセモノの神」です。
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