除霊の仕組み 1

(読了目安11分)

では本編に入りましょう。

「除霊の仕組み」の第1話 です。

今回は以下太文字部分について書きます。

長くなりますが、宗教やスピリチュアルの本質的な考え方を理解することで、「人生の寄り道」が少なくなります。

◎そもそも「霊」ってなに?

◎除霊ボタン

◎除霊の定義

◎除霊の目的

◎除霊の効果

◎霊媒師が違う意味を唱えたらどうなるか

◎霊媒師は自分の除霊ができるか

◎1万世代過去の霊まで供養する必要があるのか

◎それでも除霊が効くのはなぜ?

◎痛いの痛いの飛んでいけー!

◎除霊のまとめ

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◎そもそも「霊」ってなに?


「霊」とはどういうものかわからないと、「除霊」についても曖昧になってしまうので、はじめに「霊とはなにか」ということについて書いておきますね。


一度理解してしまえば生涯応用がきく考え方です。


ちょっと長くなりますが、ゆっくりと噛みしめて読んでみてください。

はじめに、「霊とはなにか」と考えるときに役に立つ2つの話です。



1:「神のしずく」

A子さんは、お酒を飲んで酔っている人を見て、「あれは、神のしずくによって神が宿った人だわ!」と本気で言いました。

・・・どうでしょう、A子さんの意見。

なんだか怖くて、「いやいや、あれ、ただの酔っ払いだから」とツッコミを入れる気にもなりませんよね。

しかし5千年前だったらどうでしょう?

以下、たとえ話として5千年前にさかのぼります。

腐りかけたぶどうを食べたところ、ある人はなんだかフワフワといい気分になってきました。

またある人は、同じものを食べても頭が痛くなり、吐き気がしてきました。

そしてある人は、とても気が大きくなり、自分がなんでもできるような気になりました。

腐りかけたぶどうには、食べる人によって気持ちよくなったり、吐き気がしたり、気が大きくなったりと、いろいろな作用がありました。

人々はそれを「神のしずく」と名付けました。

「口にした者には神が宿ることがある」など、神に通じるなにか特別なものだと信じ、「神のしずく」に対して畏敬の念や不安など、受け止め方は様々でした。

・・・

では現代に戻ります。

腐りかけたぶどうは、現在は洗練された液体になり、「ワイン」と呼ばれ、楽しまれています。

現在は「お酒」「アルコール」「酔う」「中毒」「血中アルコール濃度」などという言葉がありますが、5千年前の人たちは、ワインに酔った人を見て「神のしずくによって神が宿った」と表現したかもしれません。

人々が「神のしずく」と表現したのは、人類の言葉のレベルがその程度だったからです。

子どもの語彙が少なく、物事を的確に説明できないのと似ています。

5千年前の人間は、お酒のことを「神のしずく」としか表現できず、酔った人のことを「神が宿った人」としか表現できなかったわけです。

やがて人類が成長することによって、「アルコール(ワイン)」という単語が発明され、「酔う」という状態は、血中のアルコール濃度が上がり、脳が刺激されることによるものだと解明されました。

今はお酒の種類や体調、体質によって酔い方が違うということも当たり前の事実として認識されましたが、昔は、酔い方によって、「良い神が宿った・悪い神が宿った」となりました。

※たとえば昔の神事では、審神者(サニワ)と呼ばれる人が、お酒を飲んだ人に宿った神の種類を探ったり、酔った人の口から出る「神の言葉」をわかりやすい言葉に変換していたそうです


2:「神が宿る岩」

以下の話は、上記よりちょっと難しいかもしれません。

再びA子さんの登場です。

A子さんは、注連縄(しめなわ)が張られている大きな岩を見て「この岩には神が宿っているのよ!」と言いました。

・・・どうでしょう、A子さんの意見。

現代は、脳に強い磁気をあてることで、様々な変性意識状態を作れることがわかっていますが、昔の人も、強い磁気が出ている場所に近づくことによって、変性意識状態を体験したと考えられています。

強い磁気が発生する場所の一例として、自然界では、「雷が落ちた大きな岩(木に落ちた雷が、木の近くにある岩を帯電させる場合もある)」が考えられています。

岩に雷が落ちると帯電し、その岩の性質に応じた磁気を発生するようになります。

その磁気が人の脳に作用し、岩に近づいた人は、異様な雰囲気や白いモヤ、神との一体感などを感じることがあると言われています。

そのため、民衆が混乱するのを防ぐ意味で、「注連縄(しめなわ)」により結界が張られる場合がありました。

しかし注連縄を張った当時の人たちは、「落雷によって帯電した岩から出る磁気が脳に影響を与えて変性意識を生み出す」とは考えていなかったと思います。

語彙が少なかった昔の人たちが考えていたのは、おそらく「以前、この岩に雷神が降臨したそうだ。だから岩に近づくといろいろな不可解現象が起こる」という程度だったはずです。

たとえばある農村の、嵐の夜のことです。

辺りが明るく光ったその瞬間、空から一筋の光が地上に降りてきました。

大きな音と振動で、地面が揺れるのを感じるほどでした。

一筋の光が落ちるのを見た長老たちは、以下のような感じで子孫に伝えたかもしれません。


「ワシがまだ若いころのある嵐の夜のことじゃった・・・今までに体験したこともない、それはそれは激しい嵐じゃった。

ふと外を見ると、大きな一本の光が地面に落ちるのを見たんじゃ。

その音と地面の揺れは、この世の終わりかと思うほどじゃった。

嵐が去った翌朝、光が落ちた場所にいくと、辺りは木が焦げたようなニオイがしてな、そこには大きな岩があったんじゃ。

その岩に近づくと、白くて人のような形をしたモヤが見えるという噂が立ったんじゃが、それだけじゃなく、人によっていろいろと不思議なことが起こったんじゃよ。

村人の中には「神の声が聞こえる」と言い出す男もおっての、それからというもの、大切な話をするときは、神とつながることができるその男を呼び、岩を囲んで話をするのがこの村の決まりになったんじゃ。

きっとあの光には雷神様が乗っていて、天から降りてきたに違いない。

昼間のような光と、大きな音はとうてい人間のできることじゃない、神にしかできないことじゃ。

それでのぅ、あの光が降りてきてからというもの、何年も豊作が続いたんじゃよ。

いまは岩の周りに注連縄が張られてな、神聖な岩として祀られておるんじゃ。フォッフォッフォ」

・・・

では現代に戻ります。

昔、「神が宿る岩」としか表現できなかったのは、人類のレベルがその程度だったからです。

昔の人は、雷の発生原理を知らず、「電気」という概念もありませんでした。

もちろん磁気という言葉もなく、強い磁気を帯び、近くの人の脳に影響を及ぼす岩のことを、「神が宿る岩」としか表現できなかったんです。

やがて人類が成長することによって、「帯電している岩・磁気を帯びた岩」という説明がつき、白いモヤや神との一体感が、「磁気に刺激された脳の変性意識によるもの」と解明されました。

はい、ここでみなさんに質問です。

本題の、「霊とはなにか」という話です。

再びA子さんが出てきますが、もう少しお付き合いください。

恋愛がうまくいかず、なにをしても不運なG君がいました。

A子さんは、そんなG君を見て「G君には霊がとりついている、除霊しましょう!」と言いました。

除霊には、祈祷師が1人と3万円、そして除霊前日には断食をしてお清めをし、さまざまなお祈りグッズも必要だということでした。

・・・どうでしょう、A子さんの意見。
みなさんは、霊がとりついていると思いますか?
除霊が必要だと思いますか?

現代人が「神のしずく」や「神が宿る岩」の仕組みを「アルコール」や「磁気」という言葉で解明してきたのと同様、未来の人間は「霊」や「除霊」の仕組みを解明できるような気がしませんか?

上記1の話は、昔は「お酒」のことを「神のしずく」と言っていた、そして2の話は、昔は「磁気を出す岩」のことを「神が宿る岩」と言っていた、という内容でした。

いずれも、その時代の人類の知恵では、的確に表現できないものだったわけです。

「霊」という言葉についても同様です。

「霊」とは、「現代人には的確に表現できないなにか」です。

そして、「霊」とは「未来の人類が解明できるもの」です。

未来の人類とは・・・そうですよね、マスターやみなさんの子孫たちです。

上記1と2の話から明らかに推測できることは、神に関することは、「人間の脳に関連したもの」、もう少し突っ込むと、「人間の脳の状態」と言うことができます。

霊についても同様で、たとえば「霊が取りついた」というのは、「脳の状態が変わった」ということです。

そして「除霊が成功した」という状態も、「脳の状態が変わった」ということです。

つまり「霊」とは、「現代人が解明できていない脳の状態」と言えるわけです。

そして、やがて適切な言葉や理論が生まれ、一般的に理解されるようになるものです。

もう一度確認しましょう。

「お酒のことを 昔の人は 神のしずく って言ってたよね」

「強い磁気を出す岩のことを 昔の人は 神が宿る岩 って言ってたよね」

「○○のことを 昔の人は 霊 って言ってたよね」

この「○○」に入る言葉が、今の人類の知恵では表現できないわけです。

人生経験がなく、少ししか単語を知らない子どもが、起こっている現象の表現や理解に苦労している状態と同じように、知恵のない人類が、起こっている現象の表現や理解に苦労している状態です。

ということで、「霊とはなにか」、理解できたでしょうか。


◎除霊ボタン


前回の投稿で書いたように、マスターは以前、「除湿」ボタンを、「除霊」ボタンと読み間違えて自分にツッコミを入れましたが、上記のようなことを考えると、「除霊ボタン」が冗談ではなくなってくるわけです。


現代、磁気をコントロールして脳の中を見たり、スマホを使って世界中の人と話せるようになった人類は、今後、脳波の状態が悪くなると「除霊ボタン(未来の人類がどんな言葉を発明するのかわかりませんが)」を押し、磁気を使って脳波の状態をリセットできるようになるかもしれません。

モルヒネなどの薬物を使って痛みを止めるのと同じ理屈ですし、薬物よりよっぽど副作用が少ないかもしれません。

それが愛なのかどうかは別として、人類が愛にたどりつく旅の途中には、そんなボタンが出てくる可能性もあるわけです。


余談:神の仕業か

ところで、上記2「神が宿る岩」に出てくる農村のことなんですが、この農村は、近くの岩に雷神が降りたからそれ以降豊作が続いたんでしょうか。

豊作が何年も続く土地は条件によって常に一定数あり、雷はどこにでも毎年たくさん落ちていますから、現象だけ見れば、「雷が落ちた後に豊作が何年も続く」という土地はどこにでもあります。

本質は、「たまたまその長老が住む村が、雷が落ちた直後のタイミングで豊作になる土地だった」ということなんです。

※たとえば「マスターが手を握ったからあなたのカゼが治ったわけではなく、カゼが治るタイミングの少し前にマスターが手を握っただけ」という話と同じです。


「翌年から豊作が続くタイミングの土地に雷が落ちた」ということが本質です。

しかし昔の人は、「確率・確証バイアス」という概念や、「人の心理」についての勉強をせず、自分の頭で解決できない現象を「神の仕業」としてきました。

雷の後、凶作が何年も続けば、その雷に乗って貧乏神が降りてきたことになるか「神にたたられた」となるでしょうし、雷の後になにも変わらなければ「神のおかげで平和が続いた」ということになるのかもしれません。

もし「神にたたられた」という結論を出してしまったら、若い女性のいけにえが必要になるかもしれないんです。

ニセモノの神におびえていけにえを出すなんて、まるで暗闇におびえる子供と同じです。

これでは愛じゃないですよね。

本質に目をつぶり、信じたいように信じる考え方は、遠くの人と意思疎通をしようとしたときに、神に祈ることだけでその願いを達成しようとする考え方です。

遠くの人と意思疎通できるようになるためには、本質を求めて考え続けることが必要で、それを可能にしたのは、世代を超えて考え続けた「探求者」たちです。

ニセモノの神をただ妄信し祈るだけでは、たとえ千年間祈り続けても願いは実現しません。

「千年間祈るグループ」はなにも変わらず、「千年間行動したグループ」が通信機器のスマホを開発し、祈るだけのグループに「千年かかりましたけど、開発しましたよ、はいどうぞ使ってください」と提供したわけです。

どちらが愛か、考えるまでもありません。

また、雷の光と音、そして振動は、当時の人間にはできなかった「神業」ですが、今の人間にはできることです。

つまり「爆薬・核兵器」です。

しかしこれらのエネルギーを全て平和の実現のために利用するだけの知恵は、今の人類にはまだありません。

ただ、人類は寄り道をしながらも確実に愛に向かっていますから、悲観する必要もありません。

一人一人の心が愛を求めているのは事実なんです。

祈るだけではなく、実際に愛を行動に移す人類が増えるほど、人類は愛に近づいていきます。

個人レベルや国単位では、愛に向かって一進一退を繰り返す場面もありますが、人類全体では決して後戻りはしていません。

以上、「除霊の仕組み 1」でした。
次回以降、以下◎印の内容になっていきますのでお楽しみに。

スピリチュアル系の世界などで「霊に取りつかれた。除霊しましょう!」とか、お祓いを受けようか、または先祖の供養をしようか、宗教を始めようかと考えている人に参考にしてもらえたらと思います。

◎除霊の定義

◎除霊の目的

◎除霊の効果

◎霊媒師が違う意味を唱えたらどうなるか

◎霊媒師は自分の除霊ができるか

◎1万世代過去の霊まで供養する必要があるのか

◎それでも除霊が効くのはなぜ?

◎痛いの痛いの飛んでいけー!

◎除霊のまとめ

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