ダイエットできないY子さん

(読了目安11分)

マスターとY子さんの会話からです。
実話をちょっとおおげさにアレンジして書きます。
みなさんは、まさか以下のような会話なんてしていませんよね・・・


◎ダイエットできないY子さん


もともと47キロだったY子さん、食べ過ぎて54キロまで太ってしまいました。


Y「マスター、ここんとこ食べ過ぎて太っちゃったんですよ、ダイエットしたいんですけど、どうすればいいですかね?」


マ「食べなければいいじゃん」


Y「え? た、たしかに・・・でも食べないと身体に悪いって言いません?」


マ「たとえばボクシングなんか試合前は極限までダイエットするけど、それは身体の能力を上げるためだよ。少しぐらい食べなくても大丈夫」


Y「たしかにそうですよね」


マ「どっちかと言えば、食べ過ぎる方が身体に悪いと思うよ。実際栄養失調より食べ過ぎ系の病気で死んじゃう人の方が多いんだよ」


Y「はい。今はそれほど食べないようにしてるんですけど、それでも痩せないんですよ」


マ「一日に摂るカロリーが結局多いんじゃないかな?たいていの人が食べたことを忘れてるから、記録してみればわかるはずだよ。いままでにオレが担当したダイエットは失敗例はないから、やってみる?4週間で6キロまでならやった子がいる。もちろん元気なまま6キロ落ちたよ。でもしっかり痩せるかわりに、厳しいけど」


Y「それは大変そうですよね」


マ「そんなことより、ほんとに今は食べてないの?」


Y「食べてないつもりなんですけどね・・・彼氏とケンカするとつい食べることはありますけど、やっぱりストレスなんですかね」


マ「ストレスがあるとたいていの人は食べるね。だからストレスを溜めないようにすればいい。そうすれば満腹中枢からちゃんと信号が出るよ。満腹のときに食べたいとは思わないでしょ?その状態が長く続くわけ、ストレスがあると信号が狂うよ。ところで、お酒飲むでしょ?」


Y「はい、飲みます」


マ「なんで飲むの?」

Y「仲間と集まると飲むんです、楽しいから」


マ「飲むために集まってるんじゃないの?」


Y「(笑) そ、そうとも言います」

マ「飲まないと生きていけない?」


Y「そんなことはないです」


マ「じゃあ、やめな、飲まなければ痩せるから」


Y「え?ほんとっすか?」


マ「あたりまえじゃん、でもその分食べたらだめだよ」


Y「カロリーゼロの飲み物とかにすればいいんですか?」


マ「もちろんそれがいいけど、その分安心して食べたらだめだよ。それに、水でもいいじゃんカロリーゼロだしお金もかからないし」


Y「なんとなく口が寂しいんですよ・・・」


マ「食べて楽しくダイエットしたいわけ?」


Y「まあそういうことです」


マ「それは難しいよ、太った分を痩せるには、食べないのが一番だもん」


Y「でも極端に絶食すると身体に良くないじゃないですか・・・」


マ「極端なのはね。だけど食べたい時は、食べすぎは身体に良くないってわかってても食べたんだから、痩せたいなら、たとえ絶食は身体に良くないって言われても、食べないことはできるんじゃないの?」


Y「たしかにそうですね・・・」


マ「痩せたいのか食べたいのか考えて、痩せたいなら食べなければいいんじゃない?」

Y「なるほど、ところで、マスターと奥さんはなんで太らないんですか?」


マ「太るほど食べてないもん、毎日体重計に乗ってるし、オレはどっちかというと太らない体質だけど、妻はちゃんと管理してるから太らないんだよ」


Y「私も毎日体重計に乗ってるんですけどね・・・」


マ「乗ってても太ったのか?」


Y「はい」


マ「うっ・・・、じゃあマジでストレスだな、彼氏とうまくいってるの?」


Y「あ、・・・もう彼とはほとんどやることもやってないです」


マ「そうか、そりゃ大変だ」


Y「別に嫌いじゃないんですけどね、彼のことは」


マ「好きでもないんだろ?」


Y「まあそうです」


マ「ストレスを溜めないようにする方法は、考え方を変えるしかないかもなあ。食べる以上の喜びが見つかるといいんだけどなあ」


Y「はい、とりあえず夏までに痩せたいんですよ。あの、私パンが好きなんですけど、それが太る原因ですかね?パンのカロリーって高いんですよね?」


マ「同じ重さのご飯と比べたらカロリーは高いよ、ごはんより水分がないから。同じ重さのご飯にしてみたら?」


Y「はいやってみます、それとマスター、食べる時間帯ってどうなんですか?マスターはいつ食べるんですか?」


マ「オレは好きな時に好きなだけ食べるようにしてるよ」


Y「寝る前とかも食べます?」


マ「もちろん食べるよ、忙しくて朝食しか食べてない日なんかは、寝る直前に食べるよ」


Y「それで太らないんですか?」


マ「だってそんな日は2食だもん、朝・昼・夕・深夜って、毎日4食とってたら太るかもしれないけど」

Y「私、内臓の調子が悪くて便秘気味なんですよ、だから太るんですかね?宿便とか気になってるんですけど」


マ「内臓の調子が悪い人は栄養が吸収できないから痩せるよ、それに、仮に宿便があるなら、それも水分とか栄養の吸収を妨げるから、きっと痩せるよ」


Y「たしかに、それ聞いたことあります」


マ「そうそう。もともと宿便というのはダイエット業界の言葉で、実際は存在しなくてね、あるのは滞留便と言って、肛門近くの硬い便だ。だから何ヶ月も何年も大腸に溜まってる便はないよ。大腸も代謝してるから溜まりようがないんだ」


Y「私、食べてないつもりなんですけどねえ・・・やっぱり食べ過ぎなんですかね、運動はあんまりしてないんですけど、それも原因ですよね?」


マ「もちろん、今の食事量のまま運動すれば必ず今より痩せるよ。でも運動したことで安心して食べると、結局太るけど。もちろん運動しなくても痩せることはできるよ。マスターは運動しないけど太ってないでしょ」


Y「うーん、あんまり食べてないはずなんですけどなんでだろう・・・」


マ「食べてないのに痩せないなら、少食で生きられる人の身体の仕組みを解明できるかもしれないから、医療機関で研究してもらえば?人類の未来のためにね」


Y「うーん、やっぱり・・・食べてるんでしょうね・・・」

・・・


以上です。


結局Y子さんは食べたくて食べているんです。
運動不足やパンが好きなこと、そして食べる時間、便秘など、外側に原因を探していますよね。
しかも、食べているかどうかを自分で把握してないんです。
これじゃ・・・ダイエットはムリです。

以前書いたように、マスターは毎日揚げ物を食べ、寝る前にアイスクリームを食べ、4週間で体重を7キロ落としたことがあります。
全て常識では考えられないことですが、これが事実です。
マスターのダイエット体験


ダイエットに成功しない若い女性の多くは、ダイエットについてちゃんと勉強せず、食事の記録もせず、ただ「痩せたい」と言うわけです。
本人は「どうして痩せないの?」と悩んでいるんですが、マスターから見れば、ただやることをやっていないから、痩せられないんです。
これは、愛する努力をしないまま、ただ「愛されたい」と言うのと同じですよね。
「愛が欲しい」と本気で悩んでいるんですけど、マスターから見たら、やることをやってないから愛されないだけなんです。


さて、ダイエットの話です。
体重の増減の仕組みは、カロリーの摂取量に対して消費量が多ければ痩せますし、少なければ太る、たったこれだけです。
1000キロカロリーを摂取したら、2000キロカロリー消費すれば、計算上、8日で1キロ痩せます。
(脂肪は1キロ8000キロカロリーで計算しています)
食事を抜いて水分を控えれば、1日で1キロ痩せることもできますが、それは一時しのぎであって、本質的なダイエットではありません。


いちいち計算するのはめんどくさいですから、マスターの方法は、他の生活は変えず、食事量をだいたいの感覚で70%にし、毎日体重計に乗り、それを記録するだけにしています。
カロリー計算をするよりも、単に70%にする方が楽ですよね。
1週間様子を見て体重が減らなければ、さらに10%減らして様子を見るわけです。
ですから、「いままでの量に対して70%にする」これだけは絶対に必要です。
でも、たったそれだけのことです。
これに筋トレを加えることで、ある程度身体のデザインはできます。


なんと言っても、蓄えている体脂肪を少しずつ燃やすことが健康的なダイエットです。
急に絶食を1週間なんてやると、それこそ体調に異変が起こる可能性があります。
また、縮んだ身体に皮膚がついてきませんから、張りがなく、皮膚がダラダラになってしまいます 。
極端に言えば、出産直後のおなか周りの皮膚のたるみだと思ってください。


妊娠したり急に太ったりして妊娠線(肉割れ)ができるのは、上記の逆パターンで、急な膨張に皮膚がついてこないからです。
以前も書いたように、お尻や太ももにできやすい線です。
妊娠線を防ぐには、クリームでの丁寧なケアが必要です。
2人産んだ妻には妊娠線はありませんが、妊娠のたびに早めに対処し、かなり長期間ケアしたためだと思います。


「食べないと身体に良くない」というのは、確かに一理あるんですが、これは栄養学の学者の立場から、こう言わなくちゃいけない場合がほとんどです。
もし「痩せるためなら3日ぐらい絶食していいですよ」なんて公言すると、それをやって体調を崩した人からクレームが来るんです。
たとえその体調不良の原因が絶食じゃなくて精神的なものであっても、絶食を勧めた学者のせいにしたくなるのが人間ですからね。
ですから、学者は基本的に「食べて健康的に痩せましょう」としか言えません。
例のあれですよ、内科医や栄養士が患者に対して「お酒とタバコは控えて、適度な運動をして、ストレスを溜めず、ゆっくり休んでください」と言いますよね?
しかし言っている本人は、徹夜してお酒とタバコをやっていて、太っているわけです。


患者に対して、「なにしてもオッケーですよ!私だってやってますから」と言ってしまうと、患者に何かあった時に訴えられる可能性があるわけです。
そんな事情があり、栄養学者の「健康のためには食べながらダイエットしましょう」という意見を食品業界が後押しして、「食べて痩せるダイエット」が流行るんです。


食べて太った分は、身体の「蓄え」ですから、元の体重に戻るまで食べなくても人間は基本的に大丈夫です(水や塩など、蓄えられないものは外部から摂取する必要があります)。
実際にマスターが担当したダイエットは、全員が体調を崩すことなく、むしろ「身体が軽い」というおまけ付きで目標を達成しています。
体調を悪くしてしまう主な理由は、「食べないと身体に良くない」というダイエット情報を信じてしまうことによる「信じる力」がマイナス方向に働くからだと思います。


たとえば「健康食品業界」の落とし穴としてよくあるんですが、「これを食べて健康!」という信念が、逆に「これを食べないと体調が悪くなる」という強迫観念になってしまうんです。
「健康食品」と信じているものを食べている間は元気なんですが、食べられない状況になったとたんに不安になり、元気がなくなるというパターンです。
「食べないと身体に悪い」と信じてしまうと、Y子さんのような言葉になるわけです。


たとえば一日30グラムずつ痩せれば1年で10キロ落ちるんですから、ペースとしてはそれで万全なはずです。
でもこれを実行するには、目先の快楽を追うことなく、もっと大きな視点から物事を判断する「大人の思考」が必要になります。
だからダイエットをうまくできる人は、大人なんです。
逆に、痩せたり太ったりを繰り返し、計画的にダイエットできない人は「子どもの思考」ということになります。
これは恋愛や結婚と全く同じですから、ダイエットできない人は恋愛や結婚、そして人間関係や仕事もうまくいかず、調子がいい時期は、一時的なものになってしまいます。


Y子さんがもし今の彼氏との子どもを妊娠して結婚したら、どうなるか想像してみてください。
子ども依存、もしくは虐待に発展する可能性もあります。
もちろんお酒は止められず、自分のコピーを作り出してしまう可能性があります。


マスターはY子さんとの会話で、「こんな女性もいるんだなあ・こりゃ大変だなあ」としか思えませんでした。
ダイエットに関して言えば、マスターの言葉を聞き、理解し、実行するには、うまくいって数年を要するでしょうし、場合によっては一生ダイエットに成功しないまま、なんとなく人生を終えるかもしれません。


以上、ダイエットできないY子さんについての話でした。

・・・

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