ワキガのニオイを消す方法 2

(読了目安6分)

◎ワキガの原因


ワキガのニオイが出る仕組みはすでに解明されています。

1:アポクリン腺から出る汗

2:温度

3:原因菌


これら3つの条件が揃うことでニオイが出ます。
逆に言えば、3つのうちひとつでも条件がそろわなければニオイは出ません。



ワキガについて調べると、ほとんどのサイトで、「アポクリン腺から出る汗が原因」という言葉が出てきます。
ただ、アポクリン腺から出る汗そのものに、ワキガのニオイはありません。
アポクリン腺から出る汗は無臭で、しかも揮発性のない液体なんだそうです。


では、なぜ臭うんでしょうか。


それは、肌に住む原因菌が、アポクリン腺から出る汗を分解すると、揮発性のあるワキガ臭を発するようになるからです。


ワキガの原因菌の種類は、大まかに書くと以下です。

・コリネバクテリウム属

・プロピオニバクテリウム属

・スタフィロコッカス属

・アナエロコッカス属

近年の研究者たちは、これらの菌がアポクリン腺から出る汗を分解するとワキガのニオイを発生することを突き止めました。


ということは、ワキガのニオイを消す方法は、大きく2つあるとわかります。
ひとつは、人体の中にあるアポクリン腺を切除すること、そしてもうひとつは・・・


そうです、原因菌を除菌することです。


みなさんは、「虫歯」や「胃潰瘍」についての投稿はもう読んでくれたと思います。
簡単におさらいすると、虫歯については「甘いもの」が原因ではなく、口の中にいる「ミュータンス菌(歯を溶かす酸を出す菌)」が原因だという話です。
世の中には歯を磨かなくても虫歯にならない人がいますが、彼らの口の中からは、強い酸を出すミュータンス菌が検出されないそうです。


また、胃潰瘍の原因がわからなかったころは、出血や痛みがひどい場合、主に胃の切除手術をしていました。
しかし胃潰瘍の主な原因が「ピロリ菌」だとわかってからは、経口薬によってピロリ菌を除菌すれば、ほとんどの胃潰瘍が治るようになりました。
「飲み薬」で治るんですから、胃の切除より断然楽です。


虫歯も胃潰瘍も、その原因となる「菌」がいなければ防げるということです。


ということは、ワキガのニオイを退治するなら、アポクリン腺の切除よりも、原因菌を除菌する方が現実的ですよね。
また、「ワキガのニオイを他のニオイでごまかす」という方法は、効果が少ないだけでなく、根本的な解決になりません。
マスターがいつも書いているように、ストレスをお酒でごまかすようなものです。
ストレスは、発散するのではなく、溜めないようにすればいいのと同じで、ワキガのニオイは、ごまかすのではなく、原因から絶つ方がいいはずです。
それには、原因菌を退治できればいいんです。


以下に続きます。


◎原因菌の退治

現在は、「ワキガのニオイは、アポクリン腺から出る汗を原因菌が分解したときのもの」、こうわかっているわけです。


そしてアポクリン線を切除するか、原因菌を除菌するかのどちらかなら、解決方法は、間違いなく「除菌」です。


手術をすると、基本的にお金がかかりますし、きっと痛いですし、傷も残り、数日間は安静を保つ必要があります。
また、人間には失ったものを再生する能力がありますから、アポクリン腺をある程度回復させてしまう場合もあり、せっかく切除しても、またワキガになる可能性もゼロではありません。
それに、手術そのものが成功するとも限りませんし、切除後の副作用の報告も多くあります。


手術をしてアポクリン腺を切除するよりも、ワキガの原因菌を退治する方が本質的です。


「除菌すればいいことぐらい知ってるけど、除菌しても臭うんだよねえ・・・」
と言う人は、自分の除菌作業を疑ってみてください。
ちゃんとできていない人は、ワキガのニオイを退治することができません。



◎結局は除菌

「ワキガの原因菌を退治できれば、汗をかいてもワキガのニオイはない」、これが本質だと理解できれば、あとは除菌をすればいいわけです。


「私はワキガじゃないけど、汗をかくと他の種類のイヤなニオイが出るよ」と言う人は、モラクセラ菌による「生乾きのニオイ」を中心に、様々な菌が原因のニオイに悩まされていると思います。
しかし、菌が原因のニオイなら、それらを退治できればどんなニオイでも消えます。
洗濯物の生乾きのニオイや足のニオイなどは、ワキガの原因菌の退治と同じ方法で大丈夫なんです。

また、自分に付着している原因菌の退治と同時に、補助として、衣類やタオルの除菌も大切です。
衣類に原因菌が残っていたら、人間の汗がしみこむことで再び増殖しはじめ、ニオイが出るタイミングが早まり、ニオイの量も増えるからです。
※洗濯機の除菌もやりましょう


ここまでをまとめると以下のようになります。

「アポクリン腺から出る汗そのものは無臭・無揮発性です」

「ワキガのニオイは、アポクリン腺から出る汗をワキガの原因菌が分解した後のニオイです」


「身体についた原因菌の除菌をすればニオイを消すことができます」


「補助的に、衣類や洗濯機などに付着した原因菌を除菌する必要があります」



◎市販品の効果が弱い理由


市販のワキガ対策商品には、除菌剤は入っています。
しかし市販されている「ワキ用除菌消臭剤」や、「除菌もできる洗濯洗剤」などは、なんとなく効果が弱い感じがしませんか?


その主な理由のひとつは、万人が利用してもトラブルがないように、薬効を弱くしてあるからなんです(安全性重視・法律上の問題など)。


企業は、いろいろな研究をしていて、ワキガにほぼ確実に効く除菌方法は知っています。
しかし、人の「個体差」や人体への「安全性」を考えると、強い薬を売るわけにいきません。
たとえば市販の除菌剤「エタノール」でさえ、肌が赤く腫れてしまう人が一定数いるわけですから、殺菌効果を上げるために有効成分を高濃度にしたとき、肌が赤く腫れたり肌のトラブルが起こったりした人に訴えられてしまったら、利益がなくなります。


効き目のある商品は、うまくいけば利益が上がります。
しかしトラブルが出て会社の利益を損なったら、会社にとって大変なことなんです。


また、国が商品の安全性を管理し、制限があるため、効き目のある商品を出したくても出せないという事情もあります。
国としては、薬物を認可する時、一歩間違えれば国民の命にかかわりますから、慎重にならざるを得ないんです(薬害問題が出れば、認可した国が訴えられてしまいます)。


売る側としては、「効果は出したいが、トラブル時の責任を取りたくない」というのが本音なんです。


そのため、市販のワキガ対策やデオドラント系商品は、だれでも手軽に手に入る代わりに「効きが弱い」ということを忘れないでください。
仮に、「私は絶対に文句を言わないから原因菌を100%退治して!」と願う人がいるなら、企業がそれをやることは不可能ではありません。
とは言え、ここが「信頼関係」の部分になるんですが、「絶対に文句は言わない」という顧客の言葉を信じ、それでトラブルがあった場合、企業は訴えられる可能性がありますから、怖くて思いきったことができないのが現状です。


市販品の効果が弱い理由は、結局は「企業が自分の身を守るため」と言えるかもしれません。


次回は以下、ワキガのニオイを消すために使う「道具」の話からです。


◎ワキガ退治に使うもの
◎衣類の除菌
◎自分の除菌(メインの話)
◎ワキガは遺伝するの?
◎マスターの個人的な意見
◎なりたい自分になる

・・・

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