資格について 3 資格がないと不安ですか?

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ここまで2回、「商業資格」について否定的な表現で書いてきましたが、なにか資格を持っていることが悪いと書くつもりではないんです。
今、アロマセラピストや野菜ソムリエなど、マスターが言う「商業資格」を持っている人は、それでオッケーです。
「その資格にまつわる書類をすぐに燃やしてください」なんて書きませんが、過去に取得した商業資格の証明書を、更新もせず平気で燃やせる人は、すでに長く愛されている人かもしれません。


では「資格について 3」、短編でいくつかいきましょう。

◎資格がないと不安ですか?


「自分」が確立されている女性は、趣味で商業資格を取ることがあります。
服やバッグを買ったり、旅行したりするのと同じ感覚で、資格をコレクションする女性です。
これは一種の遊びや趣味の領域ですから、不安から逃れるために資格を取っているわけではありませんし、「資格に幸せにしてもらおう」という考えでもありません。
こんな人は、「私、河童捕獲士とか、どうしようもない資格を取りまくりたいんですよ~」と笑顔で言える女性です。


さて、上記のような遊び感覚のコレクターとは対照的に、「なにか資格がないと将来が不安」と考える女性も多くいます。
資格がないと不安というのは、自分に自信がないとか、自分の軸がないことによる不安です。


これって、なにかに似ていませんか?




・・・そうです。

ブランド品を着たり身につけたりして安心する女子の心境です。
それが本物かどうかにかかわらず、有名なブランド品を持つことで、安心しているんです。
そして少し年齢が上がり、ブランド品に興味がない女性や、ブランド品には実用性がないと考えるようになると、「商業資格」を思い浮かべる人も出てくるわけです。
ですから、「商業資格はブランド品の延長」と言えるかもしれません。


さて、女子学生がブランド品を買い集めても、より新しいもの、より高価なものが欲しくなっていきます。
これと同じようなことが商業資格にも言えないか、ちょっと考えてみる必要がありそうです。
たとえば、自分に自信がない人がブランド服を着ると、瞬間的な高揚感は味わえるかもしれませんが、しっかりした自分の軸ができるわけではありません。
目先の欲を叶えるためや、不安から逃げるために、痛み止めのような使い方をしているからです。
同じように、自分に自信がない人が商業資格をとっても、瞬間的な高揚感は味わえるかもしれませんが、しっかりした自分の軸ができるわけじゃありませんから、その高揚感は長くは続きません。
どこかで自分をコントロールしないと、心の安定のために、次から次に欲しいものが出てきてしまうんです。


自分を確立できていない人がいくら資格を取っても、それは単なる痛み止めであって、愛をそそぐことには繋がりません。
逆に言えば、自分が確立されていれば、商業資格がなくても不安になる必要なんかぜんぜんない、ということです。


どうでしょうか。
「資格がないと不安ですか?」という質問に対して「はい不安です」と答える人は、まず自分がオリジナルブランドではないんですから、資格を取っても、結局は短期的な高揚感の後、また同じような不安を抱え、不安からは解放されないかもしれません。


多くの人が望んでいることは、お金でも学歴でもなく「長く愛されること」です。
そして「長く愛される」という意味では、資格はなにも必要とされていません。


大学の卒業証書も、医師免許も、セラピストの営業許可証も、長く愛されることとは直結していないということを再確認してみてください。
長く愛されたいと心から願うなら、資格、特に商業資格を取ろうと思う必要は全くないんです。
大切なのは、自分には愛をそそぐ力があるかないか、これだけです。



◎商業資格には人を幸せにする力はない


人を幸せにするのは本人の力ですから、商業資格そのものには、人を幸せにする力はないと言えます。
簡単に書くと、世界中のあらゆる「資格」が全部、いますぐに手に入っても、あなたは幸せにはなれない・・・ということです。
その資格を取って仕事をし、社会貢献したり、仕事仲間と話が盛り上がったり、稼いだお金でパートナーが喜びそうなものを買ったりしたとき、あなたは幸せになれるんです。
ということは、社会貢献度が高いほど愛をそそぐことにつながり、結果的にあなたが幸せになれるということです。
商業資格の場合は、資格を取った人が社会貢献できる実力があるかどうかよりも、資格を出す側の利益が最優先になっていますから、商業資格には人を幸せにする力はないと言えるわけです。


◎国家資格は人を幸せにできるか


それでは国が出している資格はどうなんでしょう?
医師・弁護士・公認会計士なんかは社会貢献の度合いも大きいですから、愛をそそぐための手段として資格を使った場合、充実感は大きいかもしれません。
マスターだって、お腹が痛いとき、痛みを止めてくれる医師がいれば、もう嬉しくて嬉しくて最高です。
マスターも嬉しいですし、医師も感謝されて幸せな気持ちになるでしょうから、医師免許は愛に近い資格だと言えます。
しかしやっぱり、人を幸せにするのは本人の力ですから、資格を取れば幸せになれるなんて思うのは間違いです。
どうせ取るなら難度の高い国家資格がいいのかもしれませんが、資格は幸せを運んできてくれるわけではないということはよく覚えておきましょう。



◎資格にしがみついても幸せになれない


商業資格の宣伝で以下のような文言があります。


「資格があると就職に有利・給料が上がる・開業できる」・・・


多くの場合、これは資格を取らせたい企業が流す、「バイアスがかかった情報」です。
その情報のほとんどが事実ではあっても、人生の目的は、就職して高い給料をもらうことではないはずです。
また、資格の有無や、持っている資格の難度で人を判断するような世界にいても、愛をそそぐことも、愛を感じることもできません。


「愛情表現のための資格なのか・自信のなさや不安を補うための資格なのか」・・・資格について考えるときは、こう考える必要があります。


世の中には多くの資格がありますが、あなたは資格保有者である前に、あなた自身であってください。
つまり、あなたを表現するとき、「公認会計士の資格を持ってる人」とか「資格をたくさん持ってる人」と表現されるのではなく、あなたの名前で呼ばれるということです。


想像してみてください、ピラミッドの頂点にあなたがいるんです。
そして、あなたの下に様々な資格がぶら下がっている・・・そんなイメージならあなたが中心です。
いけないのはその逆です。
逆ピラミッド型の一番下にあなたがいて、たくさんの資格があなたの上に並んでいます。
それらの資格にぶら下がって放さないようにしがみつく生き方では、長く愛されることはありません。


オリジナルブランドであるあなたが取る資格には大きな意味がありますが、一方、どんな資格であれ、愛を発信できないあなたが、「資格」というブランド品を身に付けても、資格はあなたを幸せにはしてくれません。
「あなたに選ばれた資格が喜ぶ」、そんなあなたなら、あなたも資格もお互いに輝くことができます。


今回は以上です。
資格シリーズ、以下の内容で次回に続きます。

◎資格を捨てたとき、人になる
◎資格がないと人は認められないのか
◎資格所有者の実情
◎資格をとっても・・・
◎資格がなくても・・・
◎人間に必要な唯一の資格があるなら

・・・

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