ケンカするほど仲がいい?

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「ケンカするほど仲がいい」


この言葉の本質について考えてみましょう。
ここでは、「ケンカ」の定義を、カップルや夫婦の「感情的な口論」として、短編を3つ書きます。




短編1


若い女性と恋愛について話しているときのことです。
マスターが「もうオレはケンカしないよ」と言うと、「でもマスター、ケンカするほど仲がいいって言うじゃないですか、それってどうなんですかね?」と質問されることがあります。


恋愛経験が少ない女性は、自然消滅で恋愛が終わるなど、男性とケンカする前に別れてしまうこともあり、仲良くなったらお互いに感情を出してケンカできると思っている人もいます。


確かにそういう部分もあります。


子ども同士は、はじめは人見知りや遠慮などしていますが、仲良くなるとケンカを始めます。
ですから、「ケンカするほど仲がいい」というのは、子どもの世界ではある意味本当のことなんです。



大人の世界ではどうかというと、やはりはじめは人見知りや遠慮があり、ケンカはしませんが、ある程度仲良くなるとケンカを始めます。


ここまでは子どもと同じですね。


しかしその先が、大人の世界の本領発揮です。
ケンカをし、価値観のすり合わせができてしまえば、お互いを尊重しあいますからケンカにならないんです。
仲がいいカップルというのは、ケンカをしたのち、ケンカを超えたカップルです。



さらに書けば、多くの経験を積み、人の苦労や喜び、そして、「なぜケンカになるか」という「心の仕組み」を知っている大人は、すでに「ケンカ」を卒業していますからケンカをしません。
ケンカの先の人間関係を、すぐに実現できてしまうわけです。


人は平和を望んでいますから、大人の世界では、ケンカをしている段階ではまだ未熟です。
本当に仲がいいカップルは、ケンカをしないんです。


カップルが仲良くなっていく過程を簡単に例えると、

1段階 ケンカをしない(遠慮から)

2段階 ケンカをする(遠慮がなくなるから・価値観のすり合わせのため)


3段階 ケンカをしない(お互いを尊重しているから)


となります。


「ケンカするほど仲がいい」という言葉を鵜呑みにしている女性がいるなら、それはまだ子どもの思考だからです。
ケンカをするたびに「ああ、私たち、仲がいい証拠なんだわ~」なんて考えていたら、長く愛される領域には到達できませんからね。
「ケンカを経た向こう側」にたどりつき、パートナーと安定した平和な関係を築いたとき、「仲がいいとはこういうことなんだ」と実感できるときが来ます。





短編2

ケンカを経てケンカをしなくなったカップルが必ず仲がいいのかといえば、そうではありません。
ケンカを経てケンカをしなくなったカップルの中には、「相手を理解したからケンカしなくなった」という理由とは正反対の、「諦めたからケンカをしなくなった」というカップルもいて、現実はこのパターンでケンカをしないカップルが多いような気がします。



このカップルは、さんざん口論をした結果、

「もう相手に期待しない」

「お互いに興味をなくしている」


という領域に達し、口論がなくなったカップルです。
お互いに相手を大切にしていませんから、お酒やタバコ、ギャンブル、過食、過趣味、そしてペットなどに逃げているはずです。


このパターンも「ケンカをしないカップル」と言えますが、みなさんはどう思うでしょうか。
「相手に期待しない・諦め・興味がない」という関係は、仲がいいと言えるでしょうか。


このパターンのカップルから見れば、ケンカをしている方がまだ心のぶつかり合いがあるだけ、「仲がいい」と判断できるかもしれません。
しかし、マスターのnoteを読んでいるみなさんは、「お互いを諦めた結果ケンカをしなくなったカップル」ではなく、「お互いを理解した結果ケンカをしなくなったカップル」になってくださいね。





短編3


彼氏とケンカして落ち込んでいる友達が「彼氏と口論したの、私たちもうダメかも・・・」と言ったとき、どんな声をかけてあげましょうか・・・


本音かどうかは別にして、「ケンカするほど仲がいいって言うしさあ・・・元気出しなよ」と慰めるしかないときもあるかもしれません。


また、友達の噂話をするとき


A子 「また彼氏とケンカしたみたいよ」

B子 「でもケンカするほど仲がいいって言うじゃん」

みたいな会話もありえます。


「ケンカするほど仲がいい」という言葉は、落ち込んだ友達を慰める側の「心遣い」や、「ケンカは仲よしの証拠であってほしい」と願うケンカ当事者の願望などから生まれたもの、と言えます。



◎まとめ

「ケンカさえできない初々しいカップル」や「お互いを諦めて興味をなくしたカップル」から見れば、「ケンカをするカップル」は自分たちより深い関係、つまり「仲が良い関係」に見えることがあります。
しかし、ケンカを乗り越え、お互いを理解している平和なカップルから見れば、ケンカは、仲が悪いからこそ起こるものなんです。



ケンカは、簡単に言えば「自分が正しい・相手が間違えている」と思い込むところから始まりますから、「大人の思考・愛・知恵」の世界から見れば「ケンカするほど仲がいい」というのは本質ではありません。
「ケンカさえできない関係よりはマシ」、これは事実です。
しかしだれもが望んでいるのは、さらにその向こう側の「平和な世界」です。



理屈はさておき、みなさんはケンカなんかしたくないですよね。
そう、それが「答え」なんです。
相手もそう思っているんですから、「ケンカをするのは仲がいい証拠」などと考えず、ケンカのない平和な関係を作ってください。


ということで、ある時点までは、ケンカするほど仲が「良い」と言える場面もありますが、最終的には、ケンカするほど仲が「悪い」というのが本質です。


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