除霊の仕組み 4

(読了目安6分)

以下から太文字部分についてです。

◎そもそも「霊」ってなに?
◎除霊ボタン
◎除霊の定義
◎除霊の目的
◎除霊の効果
◎霊媒師が違う意味を唱えたらどうなるか
◎霊媒師は自分の除霊ができるか
◎1万世代過去の霊まで供養する必要があるのか
◎それでも除霊が効くのはなぜ?
◎痛いの痛いの飛んでいけー!
◎除霊のまとめ

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◎それでも除霊が効くのはなぜ?

雨乞いの儀式や魔女狩りなどはほぼ卒業できた人類ですが、「除霊」についてはあと一歩のところにいて、いまだに「それでも除霊は効く」と言っている人がいるんです。
さて、「それでも除霊は効く」のはなぜでしょうか・・・やっぱり「霊がいるから」でしょうか。


正解は・・・


・・・


正解は、「霊がいるから」


・・・ではなく、「自分の不幸を霊のせいにしたい人がいるから」です。


自分の不幸を霊のせいにしなければならない人がいるから、除霊がなくならず、しかも除霊が効くんです。


以下、ちょっと考えてみましょう。
自分の力で人生を切り開くヒントになると思います。


「霊」という言葉の定義はあいまいで、霊の存在は現在の人類には証明できません。
「金縛り」という現象なら、現代では「悪魔が乗るわけではない」と証明されていますが、霊の存在についての見解は人類にとって未解決の問題で、「信じる人にとっては存在し、信じない人にとっては存在しない」という状況です。


ですから、自分の不幸を霊のせいにすれば、誰からも否定されず、不幸の責任を転嫁できてしまうわけです。
そこに霊媒師が「不幸はあなたのせいじゃないです、先祖霊を供養することが大切です」とささやいてくれれば、その気になる人が出てくるのは当然のことです。
そして除霊をやり、それが効いたことにすれば、その瞬間は「自分の不幸は霊の仕業だった(自分は悪くない)」とすることができるわけです。


そして霊媒師も、自分で責任を負わなくてすむ仕事をしているんです。
外科手術のときにお腹の中にメスを残してしまうような「見えるミス」は、霊媒師にはないからです。


「ミスをしてもそれを証明できない・ミスがないから責任を取る必要がない・心の問題は本人の解釈次第」・・・


こういう意味では、「霊媒師」という職業も、自分の仕事に責任を取らなくていい仕事です。
除霊をする人もされる人も、「自分で責任を負わない」という意味で「同じ価値観の人たちが集まる」と言えます。


自覚のあるなしは別として、人間は大昔から、「自分に理解できないこと」を自分の無知のせいだと考えず、「未知の力(神や悪霊)のせい」だとすることで、自分の無知に目をそむけ、自分を正当化してきました。
除霊の話で言えば、「不安や不運、病気など、自分で対処できないことは霊のせいにしよう」ということです。


「自分の不幸を霊のせいにしたい人」がいる限り、「除霊は効く」ということになるわけです。


人は誰だって自分の不幸の原因を自分のせいにはしたくないんです。
しかしそれでは子どもと同じですよね。
大人になってしまったら、子どもと同じことをやっていては、長く愛されることは不可能です。


自分が不幸だと思ったとしても、まずその不幸は本当に不幸なのかどうかを考えることが大切です。
そして不幸だと感じるなら、なぜその状況を不幸だと感じるのか考えることが必要です。
そしてその不幸の原因が自分にないのか全力で考えてみてください。
「私はやるだけのことをやった・これ以上どうしようもない」と安易な結論を出してしまうと、ストレスが溜まってお酒を飲むなど、原因を外側に求め除霊をする人と同じ心境になってしまいます。


「私はやるだけのことはやった・これ以上どうしようもない」と思ってしまうのは、自分の無知が原因であることがほとんどです。
そして、全ての原因は自分にありますから、自分の力で解決できます。
「除霊」という方法では、一時的な痛み止めにしかならず、問題の根本は解決しません。
自分の無知と向き合い、考える努力を続けることができれば、除霊は無用になるわけです。


ということで、除霊が効く理由は「自分の不幸を霊のせいにしたい人がいるから」です。




◎痛いの痛いの飛んでいけー!


「除霊」・・・それは、霊媒師が大人に対して有料でやってくれる「痛いの痛いの飛んでいけー!」と同じです。


子どもがケガをして泣いているとき、親が「痛いの痛いの飛んでいけー!」とやってあげると、子どもは自己暗示にかかり、痛みを忘れることがあります。
そして、痛みを忘れている間に他の遊びに興味を持ち、その遊びに夢中になっている間に本当に痛みが引いていけば、「痛いの痛いの飛んでいけー!」は効いたことになります。


しかしみなさんは、ケガをしたときに「痛いの痛いの飛んでいけー!」をしてもらわなくても、いつか痛みはなくなるとわかっていますから、お母さんにやってもらおうとは思いませんよね。
ケガをしても自分でなんとかするわけです。


同じように、大人の思考を持つ人は、霊媒師に除霊をやってもらうことなく、自分でなんとかすることができます。


大人の世界では、「痛いの痛いの飛んでいけー!」では、状況は好転しません。
仮にあなたが悩みや心の傷を持っているときに、あなたの「お母さん」が「痛いの痛いの飛んでいけー!」をやってくれても、あなたの悩みは解決しませんよね。
大人はみんな、「痛い痛いの飛んでいけー!」では不幸は解決しないと信じているからです。
しかし不思議なことに、霊媒師が有料でやってくれる「痛いの痛いの飛んでいけー!(除霊)」を信じる大人はいます。
相手が霊媒師であることや、お金と時間というコストをかけた分、「効いた」と信じたい気持ちが自己暗示の力を増幅してくれるんです。


みなさんは今後長く愛される人になるんですから、除霊、またはそれに類することは、「痛いの痛いの飛んでいけー!」と同じ構図だということを忘れないでください。
長く愛する力を持つ人は、ケガをしても自分でなんとかできる人を生涯のパートナーにしたいと思っています。


では次回、「除霊のまとめ」で最終話にしたいと思います。

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