私は日本人がいい

(読了目安4分)

青年海外協力隊で2年間海外勤務をした日本人女性、A子さんが言っていました・・・



「私は日本人がいい」



自分の体験からそう感じたことはもちろんなんですが、国際結婚で理解し合えず、うまくいかないカップルを見てきた経験からも、日本人と結婚したいと感じたそうです。


理由はもちろん、お互いに理解し合えない可能性が高いからです。
同じ国で同じ教育を受けた日本人同士でも誤解や無理解は生まれます。
国籍が違えばなおさらです。


ただし、国際「結婚」ではなく、国際「交流」レベルならなにも気にすることはなく、むしろ喜ばしいことかもしれません。
お互いに理解し合おうという意気込みが強く、甘えが出にくく、その場ではうまくいく可能性も高いからです。


国際交流をしてきた彼女が反対なのは、国際「結婚」についてです。


「愛があればどんな壁も乗り越えられる」という言葉は、愛を理解していない人の言葉なのかもしれません。
愛とは、「私もあなたも周りも楽しい」という状態です。
当事者だけが楽しいというのは、愛ではありません。
国際結婚には、双方の親をはじめとした周囲の不安や心配、不便さ、そして生まれてくる子どもの「自己」に関わる問題などが起こります。


国際結婚をするカップルは、「逃げ婚」または「結婚そのもの」が目的になってしまい、その先の「愛をそそぐ」という大きな目標を見ていない場合があります。

「愛があればどんな壁も乗り越えられる」という表現を使う人も多いですが、本当の意味での愛があれば、自分の実力を客観的に判断し、その実力に見合った生き方や、周囲との調和に幸せを感じるようになります。
「愛を理解しているからこそ、国際結婚しない」ということもあるわけです。


実際、マスターの経験やマスターが聞いた話では、国際結婚した夫婦は、その後離婚もしくは家庭内別居状態が多く、うまくいっているのは日本人同士より少数です。
これは、「マスターが言っていることが正しい」とかそういうことではなく、歴史や統計、体験者たちが充分に証明している客観的事実だと思います。

「全員そうだ」とは決して言うつもりはありませんが、「国際結婚」は、同じ国の人との良好な関係を作れない人がする場合がほとんどで、当事者は気分がいい場合もありますが、周囲が混乱しますし、やがて生まれる子どもも混乱する場面が多くなります。
親がお互いの母国語でののしり合う口ゲンカなんて、想像しただけでも子どもの心に悪そうな気がします。


ということで、「結婚するなら私は日本人がいい」と言っていた日本人女性の言葉・・・マスターは共感する部分が多くありました。


さて、では・・・親が国際結婚し、「ハーフ」という立場の人はどうでしょうか。


・・・これは微妙な問題です。


自分がハーフだという事実は変えられませんから、その状態でできる愛を実践するしかありません。


これはマスターの考え方なんですが、ハーフの人は、両親の事情は抜きにして、「地球人」という概念を大切にしてください。
純血とか混血という概念を超えた「地球人」という民族ができあがるにはまだまだ時間がかかりますが、文明の発展に伴い、多くの血が混ざりながら現在に至り、人類は「地球人」に向かって歩き続けています。


世界各地から人が集まり「人種のるつぼ」と呼ばれる「アメリカ」なんかは、「地球人」に向けて世界をリードしている国かもしれません。


◎国際結婚は「冒険」


マスターは、必ずしも「同国の結婚が愛で、国際結婚が愛ではない」と言うつもりはありません。
マスターから見れば、国際結婚というのは、一種の「冒険」です。
たとえば、「月に行く」という行為は、月に行かず、平凡に暮らすことと比べると、「死」に直結する事故の可能性が格段に高くなります。
しかし「月に行くのは危ない・月に行けるわけがない」と怖がり、「冒険」をしないままでは、人類は進化しません。


国際結婚は、うまくいかない確率は上がりますが、人類が「地球人」になるには、「冒険」をする人たちも必要です。
ですから、国際結婚を「したい」と本気で思っている人は、大いにしていいと思います。

ただし、迷っているなら・・・「迷っているなら」です、月へ行くのではなく、平凡に暮らす方を選んでもいいと思います。


長く愛されるためには、「なにが愛なのか」と常に考えることが大切です。
「私は日本人がいい」というA子さんの言葉には、重みがある気がします。

・・・

投稿タイトルの一覧は以下です。