店員からナンパされたとき 2

(読了目安8分)

前回から続きます。
前回は美容室でA子さんをナンパした「男性店員」について書きましたが、今回はA子さんについてマスターの思うことを書いてみます。
「長く愛される」ということを考えた場合の意見です。


◎A子さんについて


デート中に聞いた彼の言葉を、もしA子さんが全部受け入れる形で交際が始まるなら、「長く愛される」という視点から見た場合、即レッドカードです。


マスターはいつも、「長く愛されたいなら愛をそそぐことが大切です・思いやりが大切です」と書いていますが、だからと言って彼の言葉を全て容認するのは愛ではないんです。


「月に一度のデート、月に数回のメールか電話が限度」という条件を認めて交際が始まるなら、「本命の女性を大切にしてください。私は2番目以下でいいです」と宣言したも同然です。
また、彼が後輩の指導を拒否することを全面的に認めれば、「後輩に愛をそそがなくていい」とA子さんは認めたことになります。
これはいずれ、「後輩に」がなくなり、「愛をそそがなくていい」と解釈され、A子さんにも返ってきます。


彼と付き合いたいという欲のために、彼の行動をなんでも認める行為は、一歩間違えれば、「やっぱり女ってちょろいよなあ」と思わせるわけですから、A子さんだけでなく、女性全体の価値を下げる行為と言ってもいいかもしれません。
いずれにしろ「なんでもオッケー」というのは、愛ではありません。


また、彼が店のオーナーに隠れてA子さんをナンパしたなら、彼は店に対して「隠し事」をしたことになります。
自分の利益のために店に隠し事をする男性は、長く愛する力を持っていません。


A子さんはマスターに対して、「私は結婚も意識しています」と言っていました。
ですが、こんな状態でA子さんが彼と付き合い、数年後に結婚したとしても、楽しい日々が続くことはありません。
憧れの美容師と付き合ったところまではいいんですが、当時楽しかった「営業トーク」はしてもらえなくなりますし、肉体関係を何回か楽しんだあとは、「現実」の中で生きることになります。


また、夫が美容師の仕事を続ける限り、「夫はナンパを繰り返すんじゃないか・夫は私に隠れて顧客と遊んでいるんじゃないか」と心配する日々になり、A子さんは自分で自分にプレッシャーをかけ、自滅してしまうんです。
さらに、夫が「ナンパはもう昔のことだ・オレは改心した」と本気で言っても、A子さんがそれを信じない限りストレスから解放されませんから、円満な家庭を築くことはできません。


また、仮に妊娠を機にデキ婚した場合、男性は内心「やむなく結婚・もっと遊びたかった」というパターンがほとんどですから、上記のような心境にさらに悪条件が重なります。
やがて夫婦間の信頼関係は修復できなくなり、A子さんは自分の子どもに依存する(甘える)人生になります。


子どもから離れられず、「あなたのためよ」と言っては子どもに絡み、それを否定されると「なんでここまで言ってもわからないの!?」とキレたり泣いたりする親になりかねません。
子どもから無視されると、憂さ晴らしに遊び歩いたり、場合によってはトラブルを起こし、子どもの気を引いたりする親もいます。
最後は自分の寂しさや欲のために子どもの将来さえ潰してしまいかねません。
将来子どもも同じことを繰り返し、「負の連鎖」から抜けられない家庭を持ってしまいます。


A子さんが幸せな結婚を目標にしているなら、その方法はただひとつ、愛を貫くしかないとわかると思います。
愛を貫かないと、全部自分に返ってきてしまうんです。


「愛して生きなさい」


ここまでの話は、この言葉に凝縮されています。


さて、A子さんに長く愛する力があるかどうかですが、もし彼の行動をすべて認めるなら、その力はありません。
また、彼が酒やタバコ、ギャンブルなどをやっているのにあえて付き合うなら、やはり長く愛する力はありません。
「男の三悪は愛ではない」ということはいつも書いているとおりです。
愛をそそがなければ愛されませんから、愛を貫くとしたら、彼との付き合いはあきらめる必要があります。
彼から離れることが愛であり、その愛が次の出会いに繋がるわけです。
これが「本物に出会うために別れなければならない人がいる」ということです。


1000万円のベンツを買うには、1000万円必要ですよね。
同じように、自分が求める愛を手に入れるためには、それと同じだけの愛をそそぐことが必要なんです。
A子さんは結婚も視野に入れ、長く愛される女性になりたいと願っています。
そして美容室の彼にはその気がないわけですから、彼と離れるのがA子さんにできる「愛」です。
彼に愛をそそいだ結果、つまり彼と離れた結果、A子さんには次の出会いが訪れます。


A子さんは内面的にまだこれからの人物かもしれませんが、外見は美しい女性です。
美容師からナンパされる女性というのは、美容のプロから「美しい・セックスしてみたい」と思われたわけですからね。
ですから、A子さんは他の男性に対しても充分に通用する外見を持っているんです。
美容師からナンパされた事実を「最高の名誉」だと受け止めて、その自信を他の恋愛に活かすことができれば一歩前進です。


以下、「店員と顧客」に関連した短編です。


◎行動

美容室の彼には長く愛する力がないというのは、彼の「行動」でわかりますよね。
目先の欲が強い女性は、男性の言葉を信用してしまい、「行動」に目を背けてしまいます。
信じていいのは言葉ではなく「行動」です。


◎夢は夢のまま


美容室の男性店員との関わりについては、「お金を払って、美容室内で甘い時間を大切にする」これが一番の楽しみ方かもしれません。


「夢を買う」ということです。
お金を払って夢(短期的な愛・愛のようなもの)を買うんです。
そうすれば、夢は夢であり続けますし、お互いに自分を安売りせずにすみ、結果的に愛を発信できるからです。


多くの女性は憧れの男性にナンパされると舞い上がり、男性の行動ではなく、「言葉」を信じちゃうんです。
周囲からの忠告なんか無視で「彼だけは違うの・あんた彼のなにを知ってるっていうの?」みたいに。
男性にとっては女性がそうなってくれるとありがたいんですが、長く愛されたいと願う女性にとっては、その状態は避ける必要があります。


「現実の世界」は「夢の世界」とは違います。
現実は、愛をそそぐことで輝く世界であって、愛をもらうことで輝く世界ではありません。


夢は夢のまま・・・これでいいんです。
サンタクロースはサンタクロースのまま、ミッキーマウスはミッキーマウスのままにしてあげましょう。
付き合った瞬間から、着ぐるみの中で汗をかく人・タバコを吸うオリエンタルランドの従業員、になってしまいます。



◎ニオイについて


仮にA子さんが彼とのデートでミスをした結果、彼が急に冷めてしまい、前回書いた1:~3:のようなことを言ったとしたら、彼を引かせたその「ミス」とはいったいなんでしょうか。


デートのとき、マスターの場合は相手の以下のようなところを見ます。

「待ち合わせ時間に遅れるかどうか」

「食事中の振る舞い」

「車に乗っているときの振る舞い」

「会話の質」


などです。

他にも、ちょっとしたクセがどうしても気になることもありますが、マスターは、強い香水は一気に引きます。
強すぎる香水は、自分の臭覚の鈍感さと他人への配慮のなさを示していると言えるからです。
飲食を伴うデートなら、料理の繊細な味や香りを無視していることになり、これでは味や香りの評価ができません。
たとえば相手がお気に入りの食事をご馳走してくれる時などに、その味をマトモに評価できなくなってしまいます。
車の中や電車、密室などではニオイがこもります。
また、強い体臭を隠しているとも考えられますから、その場合、普段の生活では、香水か体臭かのどちらかしかないわけです。
体臭の多くは、「客観視と努力」である程度消せるものですから、強い体臭はその人の知恵の限界を示すことになります。



◎もちろんうまくいくカップルもいる

「お客をナンパする美容師なんてたくさんいるわよ」
「マスターみたいなこと言ってたら恋愛できないわ」
「うまくやってるカップルだっているよ」


こんな意見も聞きますし、たしかにそうなんです。
美容師が顧客をナンパして、その場ではうまくいくケースもあるというのは、マスターもその通りだと思います。
ただ、マスターの経験上、多くは5年10年と続かないというだけなんです。
ごく一部には、長く続くカップルもいるということは、マスターも理解しているつもりです。


◎大人の女性


大人の女性になれば、長く愛されます。
「大人の女性」とは、「相手の気持ちがわかる女性」です。
ですが、「わかるわかる!」と、彼の都合にただひたすら合わせるのが大人の女性だというわけではないんです。
彼の気持ちに対して、「自分には応じられない、それは愛ではない」と判断した場合、身を引くのが愛をそそぐことであり、それができるのが大人の女性です。



◎まとめ


出会いにはいろいろな形がありますが、「ナンパ」という形は基本的に長く続きません。
男性の目的が明らかですし、ナンパされる側が「受身」だからです。
長く続いているカップルもいるのは事実ですが、ナンパからそのまま結婚に至り、結婚後に妊娠し、長く幸せに続いているカップルはかなり少ないと思います。
もちろん「ナンパじゃ絶対に長く愛されない」なんて書くつもりはありません。
結婚生活を通して両者が成長し続けるカップルもいるはずです。
しかしみなさんは、たとえば統計上1%の成功率しかない方法でパートナーを見つけようとしますか?
「白馬に乗った王子様」は現実の世界にはいません。
宝くじのような恋愛を待ち続けるよりは、自分を磨き、自分の力でパートナーを見つけてください。
自分を磨き、オリジナルブランドになってしまえば、恋愛も結婚もあなたの思うままです。

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