「実力」にまつわる短編6話

(読了目安8分)

今回は、平和な人生を楽しく続けるための「実力」をテーマに書きます。

6話あるので長めです。


1:私を楽しませてよ

彼氏と一緒にいるときに、「なんか楽しくないのよね、もっと楽しいことないの?私を楽しませてくれない?」と不機嫌なことが多いP子さん。
既婚の友人K子さんの家に遊びに行ったある日、3歳の子の世話を任されました。


K子
「ねえP子、ちょっとうちの子見ててくれない?適当に楽しませてやって」


3歳の子はP子さんに言います。


「ねえお姉ちゃん遊んで~、なんかやって~」


その時P子さんは思いました。

「なんで私が他人を楽しませなくちゃいけないのよ、自分で勝手に遊んでよね」

さて、P子さんには長く愛される実力はあるでしょうか。
自分が楽しませてもらうことばかり要求するP子さんは、男性にとって一番の女性になることはありませんよね。
自分の意思で人を楽しませることができる女性が、長く愛される女性です。
P子さんには、今後人を楽しませる実力が必要になりそうです。



2:本当の実力

5歳の女の子、Yちゃんは、自分が料理を作るといつも大人たちが褒めてくれるため、「私が料理を作ると大人たちがおいしいって言ってくれるから、私はきっと料理が上手なんだ、毎日作ってあげようかな」・・・心の中でこう思っていました。


・・・これ、実際はどうでしょうか。


大人たちが「おいしい」と言う本当の理由は、Yちゃんを傷つけないためですよね。
Yちゃんが作る料理は、大人の何倍も時間をかけて、周囲の助けを得ながら、ようやく作る料理です。
手間がかかりすぎて、食べる側の大人としても大変ですから、毎日食べようとは思えません。
慣れている大人が作ってしまった方が、よっぽど効率よくおいしいものができるんです。


ですからYちゃんが「私が毎日料理を作る」と張り切って言っても、大人は、「あんたは遊んでていいのよ」「もうちょっと大きくなったら任せるわね」など、なんとかして阻止しようとします。


「私はみんなから褒められるのに、なんで私が作っちゃダメなんだろう」・・・Yちゃんは疑問に思いますが、この疑問が解けるには、「今の自分には家族の食卓を担う実力はない」と理解するまでの時間が必要になり、その後本当の意味で家族の料理を担当する実力を身につけるには、練習を重ね、数年という時間が必要になります。


子どもは「自分には大人の世界で通用する実力がない」ということを知らず、さらに、それを知るには人生経験を積む時間が必要になり、さらにまた、自分の実力を知った後、大人の世界で通用する実力を身に付けるにも時間がかかる、ということになります。


これは「恋愛」にも当てはまります。
多くの若者は、「自分には自分が望む恋愛をする実力がない」ということを知りません。


そして、それを知るには人生経験が必要になります。
さらに、自分の実力を知ってから、長く愛されるために必要な実力を身に付けることになりますが、それにも時間がかかります。


ですから、いま、もしみなさんが恋愛で悩みがあるとしても、その悩みが解決するには時間がかかるということを忘れないでください。
人生経験をもっと重ね、自分を客観視し、必要な実力を身に付けるために鍛えていけば、時間はかかっても、必ず長く愛される人になることができます。

焦らず地道に努力を続けてください。



3:表面的な褒め言葉

マスターと話していたU子さんは、疑問を投げかけました。

「ねえマスター、私はそんなに仕事ができない方でもないし、むしろ周囲からは、仕事ができるし気が利くねって褒められるぐらいなんです。でも人間関係がうまくいかないんです。男性経験も少ないし、付き合っても長く続かないんです、なぜなんでしょう?」


この疑問の答えは簡単ですよね。
周囲はその場限りでU子さんを褒めることがあるからです。


周囲からよく褒められるのに人間関係がうまくいかないなら、それは、子どもが褒められるのと同じような褒められ方、つまり「子ども扱い」されているのかもしれません。
本当に人間的な実力がある人は、イヤでも人が集まり、人間関係は良好になります。


「私はみんなから褒められるし、実際仕事でもプライベートでも大きなミスもないのに、なんで人間関係がうまくいかないんだろう、どうしたらうまくいくんだろう」


この疑問を解決するには、自分の本当の実力を知り、周囲の言葉が表面的な褒め言葉だと気づく必要があります。
そして足りない部分を補い、相応の実力を身に付ける必要があります。
なにも努力しないままでは、なにも変わりません。



4:実力次第

タバコを吸っては投げ捨て、昼から缶ビールを飲んでいる男性を見て、あなたは魅力を感じるでしょうか。

そんな男性が「優しい女と結婚して、年収1000万円の生活をしたい」と言っても、そのままの彼では実現できないとわかりますよね。


人は、今の自分の実力で通用する世界でしか生きることができません。
人間関係や仕事でストレスから解放されないのは、実力以上のことを望んでいるからです。

車の免許を取った翌日にF-1レースで勝とうとしても、ムリなんです。
人間関係をうまくやる実力がないのに「今すぐうまくやりたい」と願えばストレスになりますし、仕事の能力がないのに「のし上がりたい・もっと給料が欲しい」と思えばストレスになります。


恋愛や仕事に関して言えば、「彼や会社がウソをついた、彼や会社が約束を守らなかった、だからストレスが溜まる」というのはよくあることです。
しかしウソをつく男性、ウソをつく会社と関わりを持ってしまったのは自分ですし、矛盾を受け入れる力がないのも、そして関係を断ち切る力がないのも自分なんです。
簡単に言えば、「三悪(酒・タバコ・ギャンブル・女遊び)をやっている男性はダメです」という助言を無視し、そんな男性を選んでしまったのは自分ですし、仕事を選ぶときに表面的な言葉や数字を見て会社を選んだのも自分なんです。
また、そんな男性や会社との関わりをいつまでも断たないまま過ごしているのも自分です。


さらに言えば、自分から関係を断たずに放置し、彼氏からふられたり、会社から契約を解除されて男性や会社を恨む女性がいますが、これも、実力がない上に受身の人生を送ったことが原因です。


あなたが自分の利益のために「背伸び」をするのと同じように、男性も、会社も、自分の利益のために背伸びをするのは当然です。
背伸びをしている男性や会社を見抜くことができなかった自分の実力を棚に上げて、他人を責めるのはまさに子どもの思考ですから、長く愛されることはなく、ストレスから解放されることもありません。


いま、「私はなんで長く愛されないの?」とストレスを抱えているなら、「自分は長く愛されるようなことをしているだろうか」と考えてみてください。
長く愛される実力がないことは、「状況」が示しているわけですから、「長く愛される」という、今より高いステージを望むなら、自分を鍛える気になれるはずです。



5:これはいい!

「これはいい! 」と思って買ったものでも、少し時間が経つと、全く興味をなくしてしまうようなものってありませんか?


自分の考えが甘かったことが原因なんですが、それを婚活でやってしまうと悲劇です。


「直感」も時には大切です。


しかし、結婚生活でおかしなことになってしまうのは、「若い人が直感で結婚するから」、という場合が多いと思います。
たとえば、人生経験が多い人は、車選びや家選びでも、自分が選んだものに対して後悔はしません。
買った車や家を使いこなせる実力もありますし、車や家が自分を幸せにしてくれるとも思っていませんし、判断力も豊かで、根拠があって車や家を手際よく選ぶことができます。

しかし若い人は経験が少ないですから、時間をかけて物事をじっくり検討することも大切なんです。
だからと言って結婚の候補者を5年も10年も観察する必要はありませんよ。
「人生経験が少ないからこそ、考える時間をとってみましょうね」、ということです。
「この人素敵!」と思って電撃結婚しても、数ヵ月後に夫婦喧嘩じゃ、せっかくの人生が楽しめないですもんね。



6:相手を見抜く力がないと

「恋愛になるといつも自分の判断力が狂ってしまうことがある」というのは、みなさん自身もこれまでに体験していることだと思います。
ですから、結婚を控えた大切な恋愛の時こそ、積極的に他人の意見を聞いてみるのがいいかもしれません。


今の自分を観察し、今の自分に近づいてくる男性がどんな男性か、よく考えてみましょう。
そして、相手は「自分を映す鏡」だということも忘れないようにしてください。
結婚してしばらくし、愚痴ばかり言い合っている夫婦は、相手を見抜く力がなかった「似た者夫婦」です。
「反面教師」は、「してはいけないこと」を教えてくれますが、「しなければならないこと」は教えてくれません。

あなたがやりたいことを実践している人が、その道の「教師」です。

学ぶなら、反面教師ではなく、「教師」から学んでください。


結婚生活に限らず、身の回りに起こる人間関係の不都合(ストレス)は、関わる相手の実力を見抜く力がないことが原因です。

そして相手の実力を見抜く力を鍛えるには、以下のようなことが大切です。


「人生経験を積む(経験を活かす)」


「自分を客観視する」


「それは愛なの?と考える」


「行動する」


「三悪と縁がない生活をする」




<最後に>

マスターもいつも感じるんですが、いろいろな理想(欲)を持ったとしても、なんだかんだ言って相応の実力がないとどうにもなりません。
さて、「もうひとりのあなた」から見た今のあなたは、あなたにとって誇れるあなたでしょうか。


人の命は儚いです。

愚痴を言ったり、他人を責めたりするために使う時間はもったいないと思います。

自分を鍛え、実力を身に付け、誇れるあなたになってください。

以上、「実力」にまつわる短編6話でした。

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