約束の時間を守る

（読了目安9分）

今回は「実践編」カテゴリーで、タイトルは、「約束の時間を守る」です。
約束の時間を守れない人は、基本的に長く愛されないはずです。
いったいなぜなんでしょうか・・・

◎人間の総合力

どんな時でも約束の時間を守れる人って、マスターはすごいと思います。
特に、今の時代は本人と簡単に連絡がとれるので、「約束の時間」が軽く見られている傾向があります。
憧れの人とのデートや、好きなバンドのコンサートの開始時間など、自分が積極的にやりたいことに対しては遅れない人でも、目先の利益にならないことに対しては、遅れがちです。


「もう少し寝ていたい」

「もうちょっとかわいい化粧や衣装にしたい」

「見たいテレビや彼氏との電話が終わったら」

「ゲームの区切りがいいところまで」

・・・なんてやっていると、時間に遅れてしまうんです。


ところで、時間を守るために必要なことって、なんだと思います？

まず、時計を読む力が必要ですよね。
次に、最近は電波時計も多いですが、「時計を正確に合わせておく知恵」が必要です。
アラームをセットする技術が必要です。
アラームをセットする手間を惜しまない努力が必要です。
自分がどのぐらいの時間でどんな作業ができるか、客観的に把握しておく必要があります。
後から入ってきた魅力的な誘いを断る精神力が必要です。
居眠りしちゃうと危険です。
いつも健康じゃないといけません。


こんなふうに考えていくと、時間を守ることは、人間の総合力が試されるということがわかると思います。

◎大人の思考では

「大人の思考」の世界では、時間を守らないとどんなことが起こるか・・・想像してみてください。

あなたの信用が落ちますから、あなたは軽く扱われます。
また、大切な仕事を任せてもらえませんから、たとえ仕事の能力があったとしても、実力を発揮できなくなります。
自己管理ができていない人だと判断されます。
周囲の士気を落とし、関係者や組織全体のパフォーマンスを下げます。
周囲の人も遅刻する人が多くなります。
（あなたが遅刻することを見込んで、周囲にも遅刻する人が増えてきます。また、自分が遅刻するから、遅刻する人と関わることで楽になろうとします）

・・・こんなの、なんだかイヤですよね。

◎愛する努力のひとつ

時間を守るためには多くの知恵が必要になります。
時間を守るための苦労を知ると、時間を守れる人を尊敬できるようになるだけでなく、守れない人の気持ちや心理状態も充分に理解できるようになります。
他人を軽蔑し理解できないとストレスが溜まりますが、他人を尊敬し理解できれば・・・ストレスなんて溜まりませんよね。
時間を守る努力は、愛する努力の中のひとつです。
「愛する努力をすれば、ストレスが減る」・・・そう、愛をそそげば返ってくるんです。


「時間を守る？やる気になればできるわよ」と言う人もいるかもしれませんが、そんな人は、ためしに、たくさんの約束をして、全部を守ってみてください。
たとえば10回連続で難なく守れるなら、あなたは知恵の種をちゃんと持っています。
その調子で30回連続、100回連続と、意識して時間を守っていってください。
やがて人を見る目が変わり、成長すれば、次に書くように、「占い」ができるようになるかもしれません。
時間を守り続けることで愛する力が確実に身につき、あなたは長く愛される女性に近づきます。

◎占いができるようになるかも

以前も書いたことですが、マスターの店で、時間を守れないスタッフがいたんです。
本人は守っているつもりなのかもしれませんけど、チョコチョコと遅れるわけです。


そのスタッフが家に帰る当日、マスターにこう言いました。


「彼氏が午前中に迎えに来るんで、お昼ご飯はいらないです」


マスターは、なにも言わないまま彼女のお昼ご飯を用意しました。
そしてお昼を過ぎたころに連絡が入り、1時に到着ということでした。
マスターはそれでも信用せず、きっと遅れるだろうと思っていました。
そして、1時半過ぎに彼氏は到着しました。


人は同じ価値観の人と付き合いますから、スタッフの女性を見ていれば、彼氏も同じだとわかるんです。
彼氏も、自分が何分でなにができるか、客観的に把握できていない人なんです。


彼は、遅刻しそうになって約束の時間を修正したんですが、修正した時間にも遅れたんですから最悪ですよね。
そんな彼氏を好きでいる女性がどんな人間か、みなさんも想像してみてください。
当事者同士では相手が時間に遅れることを認め合っていても、マスターや、他のスタッフには関係ないことですから、彼氏が軽く見られ自分も信用をなくしてしまうわけです。


彼女にもう少し知恵があれば、

「彼氏は車の運転に慣れていないので１時ごろに着くと思います、お昼をいただいてもいいでしょうか？」

となったかもしれません。
（もっと知恵があれば、そもそも付き合っていないんですけどね）


結局、一度も会ったことがない男性がなにをするかマスターにわかってしまったのは、そのパートナーを見ていたからです。
「パートナーは自分を映す鏡」ですから、彼女を見ればパートナーがどんな人か、だいたいわかります。


愛する努力を続けることで、人は成長し続けることができ、「人を見る目」が養われます。
それは将来、あなたがパートナー選びをするとき、かけがえのない大きな力になります。


また、愛する努力を続けている女性には、周囲が協力してくれます。
マスターも、知恵のある女性、もしくは知恵に向かって努力を続けている女性には、イイ男を紹介したいんです。

◎言い訳

あなたがもし「たった２，３分遅れるぐらい、いいじゃないのよ」なんて言う女性なら、本当に気をつけてください。
この言葉には「私はがんばった、なんで理解してくれないの？」という、とても危険なニュアンスが含まれています。
あなたががんばったのは、ギリギリまで寝ていて、準備の時間がなくなったからじゃないですか？
それから、テレビをギリギリまで見ていて、準備の時間がなくなったからじゃないですか？
友達とメールをしていたり、彼氏と一緒にいたくて、ギリギリまで甘えていたりしたからじゃないですか？


短い時間で準備しようとして焦ったのは自分の責任です。
本当にやむをえない理由があるなら、感情的な言い訳はしないはずです。
「たった２，３分」なら、遅刻はしないでください。
自分にも誇りを持てるだけでなく、他のみんなが気持ちよく行動できるんですから。

◎時間より早く・・・

たとえば誰かの家にはじめて行くとして、約束の時間より早く現場に到着したら、あなたはどうします？
「早いなら全然問題ないでしょ」というのも知恵ではありません。
遅れるよりはいいかもしれませんが、時間調整ができるなら、できれば時間ぴったりまで待ってから訪問してください。
時間ぴったり・・・それが知恵です。
逆の立場になればわかると思いますが、相手は、あなたを迎えるための準備でバタバタしていることもあるからです。

◎時間を守り続ける努力を

「時間を守る」ということについて考えるとき、

「そんな細かいこといいじゃん」

「ゆるく生きていこうよ」

なんていう意見も聞きますよね。
実際、それでも通用する国や地域はたくさんあり、マスターもそれはそれでいいと思います。


しかし、厳しいことを書きますが、あなたは、時間を約束したなら守ってください。
それは、あなた自身のためでもあるんですが、「相手にも都合があるから」です。
あなたとの約束の次に、次の約束をしていることもあるわけです。


そしてもっと大切なことは、周りがどんなに約束の時間を守らない人であっても、あなただけは約束を守る人でいることです。
周りが約束の時間を守らないということは、あなたが甘く見られているだけだと思えばいいんです。
あこがれの俳優との約束なら、みんな時間は守りますよね。
あなたが「重要人物」になれば、周囲も変わるんです。
周囲が約束を守らないのは、あなたがまだ一人前ではないからです。


長く愛されたいなら、「なにがあっても時間を守り続けること」、これが大切です。
周囲があなたを一人前だと認めるということは、あなたは尊敬されているということです。
人は、尊敬している人と一緒にいるとき、幸せになることができます。
あなたが「尊敬される人」になることが人を幸せにするんです。
人を幸せにする努力は、「愛する努力」ですから、それは必ず自分に返ってきて、あなたを幸せにします。


そして、それができたら、さらに大切なことがあります・・・はじめはストレスが溜まるかもしれませんが、時間を守らない人を責めないでください。
もしあなたが時間を守り、周囲にも守らせようとして説教や批判をしたら、ただの「時間守り教」・・・宗教と変わりません。
ましてや、みんなが遅刻するからと言って「もうやってられないわよ」と、あなたまで遅刻したら、「時間守り教」を超えて、ただの「ヘンな人」です。


あなたは、周囲が時間を守ってくれることを期待してはいけません。
たとえば、時間を守る努力（愛する努力）は、ある意味「ストレス」ですが、頂上に向かうための「希望のストレス」です。
そして他人を批判しながら自分も遅刻するようなストレスは、疲れて途中で下山する「絶望のストレス」です。
同じストレスでも全然意味が違います。
あなたが文句を言わず時間を守り続けることで、あなたは鍛えられ、次のステップの人間関係に移行できます。
「次のステップの人間関係」というのは、以前より信頼や知恵に近い人間関係です。

◎続けてみましょう

時間を守り続けるのは、とても高度な努力です。
周囲が気軽に遅れてくるのを見て、「なんで私だけが・・・」なんて思うときもあるかもしれません。
でも大丈夫です。
もっと大きな視点から自分を見ると、以下のようなシナリオが見えてきます。


あなたはいつも時間を守り、周囲を責めることもなく、約束を守り続けていきます。
その努力で「愛する実力」をどんどん身につけていきます。
あなたが時間を守る人だと気づいた周囲の友達、そして知恵のある人たちは、あなたを信用するようになります。
また、外部の人にも、あなたがいつも約束の時間を守る人だという噂が流れ、その噂があなたへの信用に変わっていきます。
やがて周囲には信用できる人ばかりが集まります。
知恵があり、信用できる人たちと一緒にいることで、あなたの仕事や生活も、とても気持ちの良いものに変わっていきます。
気がつけば、ストレスから解放され、毎日楽しく過ごすあなたがいました。


・・・どうでしょう、時間を守って悪いことなんかひとつもないですよね。


「みんなが時間に遅れてるのに、なんで私だけ遅れちゃいけないの？」なんて言っていたらただの子どもです。
「約束の時間を守る」という努力で、必ず成長があります。
たとえ一人でも、時間を守る努力を続けてみましょう。

・・・

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