景品と男は当たるのか

(読了目安7分)

娘が小学生だったころ、景品プレゼント系の小冊子を楽しそうに見ていました。
「これ欲しーい!!」ととても嬉しそうに、目をキラキラさせて見ていたんです。
マスターは娘の笑顔と興奮した声に、とても幸せを感じました。
娘と一緒に冊子を見ていた数分間は、マスターにとって幸せな時間でした。


・・・しかし。


その後マスターは、人生の知恵の一部として、娘に「現実」を伝えました。


「多くの抽選は公正ではない」

「当選者がゼロの場合もある」

ということです。


楽しそうに冊子を見ている娘の夢を壊すことになるので、気が引けましたが、将来娘が大人になったとき、景品をもらえる確率がほとんどないのに、当たると信じて時間とお金を割いてほしくなかったんです。


言い換えると、「サンタクロース」を卒業するのと同じように、「景品の世界」の現実も知ってもらいたかったんです。
場合によっては、個人情報を無料で提供しているだけで、儲かるのは会社です。
現実を知っている人から見たら、「イタイ女」になってしまいますしね。


以下、みなさんにも伝えたいことです。


実はマスターは30年ほど前、誰もが知っている大きな会社の景品企画で「抽選」を担当したことがあります。
たくさんある応募ハガキの中から、マスターが当選者を決めるんです。
消費者に対しては「公正な抽選によって・・・」と書かれていましたが、実際はマスターの主観で選んでいました(他の人もそうやっていました)。


応募ハガキの文字の美しさ、コメント、性別、年齢など、マスターが、「この人にあげたい」と思うままにハガキを選んでいたんです。
字が汚いハガキは無視していました。
そんな経験から、抽選は公正ではないとわかっていたんですが、その後さまざまな経験から、景品を出す会社が景品の数を水増ししたり、景品そのものを出さないこともあるとわかりました。
「10名様にプレゼント」と書いてあっても、実際は1人の場合もあったり、「当選のお知らせは発送をもって代えさせていただきます」という方法を使う場合は、極論すれば当選者はゼロということです。


また、景品を身内に当選させることもあるようです。


一流企業と呼ばれている会社ほど、不正をする確率は低いと思いますが、2013年の「秋田書店景品水増し事件」では、業界の裏側が表面化し、秋田書店と、秋田書店の不正を内部告発した社員の間で訴訟になりました。
「不正の是正」を上司に訴えた女性社員がパワハラを受け、うつ状態になり、精神疾患による休暇中に解雇されたという事件です。
日本で初めて法廷に持ち込まれた景品問題は、会社が内部告発者に120万円の和解金を払うことで決着しましたが、会社側の処分者は1人も出なかったそうです。


そう、景品の水増し問題は、業界では「当たり前」で、しかも、それを「悪」としながらも黙認するのが世の流れなんです。
※この問題に興味がある人は「秋田書店景品水増し」で検索してみてください。ウィキペディアの「秋田書店」にも事件の概略があります。


では次に、景品が「ゼロ」だったらどうでしょうか。
「絶対に当らないくじ」があった場合、みなさんは買おうと思いますか?
または、買う人をどんな目で見ますか?
以下は、2017年に一部で問題になった「屋台の景品事件」です。


人気ユーチューバーの「ヒカル」という男性が、視聴者からのリクエストで、「祭りの屋台くじに当たりはあるのか」という企画をやりました。
イメージとしては、祭りの屋台に「プレステ」などの高価なゲームが置いてあり、一回数百円のくじを引くわけです。
ヒカルがくじを全部買っても当たりがなく、結局「くじの中に当りはない」という結論が出ました。
また、ヒカルだけくじを買うことを拒否され、屋台の店主にキレられたりもしましたが、これは社会の仕組みとしては当然のことなんです。


仮にあなたが屋台のおばちゃんだとします。
目玉商品として3万円のプレステを置いておき、一回目のくじでそれを当てられてしまったら、目玉商品がない屋台くじには誰も興味を持ちませんよね。
それでは利益が出ませんから、プレステはただの「置物」であって、絶対に当てられてはいけないんです。


祭りの「屋台くじ」はヤクザ関連の人たちがやるものもあり、営業許可がおりていても、中身は不法行為のものがあります。
しかしヤクザは、昔からの文化として、警察にできない「裏の仕事」を請け負っているため、国から取り締まりを受けることなく、営業ができていたんです。
「不法行為を認めてやるから、警察が困ったときは裏で動いてくれよ」という表と裏の暗黙の合意です。


「裏の仕事」とは、その地域全体の不都合や、場合によっては個人的な問題などを、「力・脅し」で迅速に解決する仕事です。
問題を法的に解決しようとすると、関係者が表に出る必要があったり、時間がかかってしまったり、地域の噂になってしまうんですが、ヤクザが動けばそれを内密に解決できるわけです。
男女関係で言えば、不誠実な彼氏N君に対して、調停や訴訟を起こすのではなく、ヤクザがN君を脅して別れさせるような方法です。
昔、「警察とヤクザは表裏一体・警察とヤクザは紙一重」などと言われたのはそのためで、今の時代、警察とヤクザがどこまで繋がっているかわかりませんが、ヒカルの訴えに対して警察は消極的なだけでなく、むしろ屋台の味方をしていると思われる場面もあります。


ヒカルも当時まだ若く、裏を暴くための「手順」を間違えてしまった感じはありますが、良くも悪くも「一部の屋台くじには当たりはない」という事実は表に出ました。
もちろん動画にあるヒカルの主張は正論ですから、裁判を起こせば勝てるものです。



みなさんは上記を読んで、景品は当たることはあっても、公言されている数より当たらないことがわかったと思います。
景品を見て目をキラキラさせていたマスターの娘の心は、マスターにとって「美しい宝物」です。
しかし現実は、娘の期待通りではなく、「景品数が少ない」「景品がない」となるわけです。
欲しいものを確実に手に入れたいなら、結局自分の努力で手に入れることが近道なんです。


平和な生活や恋愛も同じです。


景品の写真を見ながら目をキラキラさせている娘のように、男性から出る優しい言葉や、インスタで見る芸能人の生活に心をキラキラさせる女性も多いと思います。
しかし現実は、女性の期待通りではありません。
男性の言葉には、愛の水増しや、そもそも愛がないということもあります。
愛は自分の中にありますから、愛をもらうことばかり考えていると、必ず「ハズレくじ」だけを引くことになります。
欲しいものを確実に手に入れたいなら、結局自分の努力で手に入れることが近道です。



◎まとめ


景品と男は当たるのか・・・


この答えは、


景品は当たりますが、公言された数より少ないです。

男は、当たりません。


となります。


景品関係の応募は、娯楽とわかっているならいいですが、当てようとしても難しい場合が多く、むしろコストをかけて個人情報をばら撒くだけかもしれません。
そして男は当たりません。
しかし人間は、自分と同じステージの人と付き合うことになりますから、自分が「当たりの女」になれば、そのとき付き合った男が「当たりの男」です。
男を当てたいなら、自分が「当たりの女」になればいいんです。
「当たりの女」とは、ひとことで言えば、「私が男なら私と結婚する」と思える女性になることです。

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