全力を尽くさないとどうなるか ―理想の体重と理想の心―

(読了目安9分)


全力を尽くさない人は愛されません。


その理由は、


「全力を尽くしている充実感がないと、自分が愛されていることを信じられないから」


です。


全力を尽くさないと自己評価が下がり、愛されていることを信じられないんです。
しかも、「前向きな努力」を全力でやる必要があります。
「前向きな努力」というのは、努力の後に、お酒を飲まなくてもすむような努力です。
「飲まないとやってられない」というのは、後ろ向きな努力をしているからです。


たとえば山頂を目指す登山では、山頂に着いた時に、「ストレス発散のために飲まないとやってられない」という心境にはなりません。
とても苦しい思いをして山頂に立ったはずですが、前向きな努力をしているため、悪い意味のストレスになっていないんです。


「前向きな努力」とは

「希望の努力」

「明るい努力」

「自分の成長を感じられる努力」

「誰かの役に立っていると感じられる努力」

などと言っていいかもしれません。


前向きな努力ができた人は、愛を信じることができます。
ここを勘違いすると、愛されないことを他人のせいにして、ストレスをかかえます。
愛されていない人は、全力を尽くしていない人です。


◎理想の体重


理想の体重になれない人は愛されません。
上に書いた「前向きな努力」の意味が理解できれば、その理由もわかると思います。


人は、生まれつきの「体型」は大きく変えることはできませんが、「体重」は変えることができます。
「理想の体重になりたい」と言いつつ放置しているのは、自分に対する愛ではありません。
ですから愛を感じることができず、結果として「愛されない」となるわけです。


「160センチで60キロの女は太っているから愛する価値がない」と周囲が言うわけではなく、60キロの本人が全力を尽くしていないため、愛を感じることができないだけです。
160センチ60キロだと「太めの体型」と感じるかもしれませんが、スポーツ選手など、本人がその体重になりたくてなっている場合は、全力を尽くして生きている結果として愛を感じることができますから、愛されるんです。
逆に、160センチ50キロで、「普通の体型」と呼べる人でも、本人が46キロを理想だと設定しているなら、まだ全力を尽くしていませんから、周囲から「ちょうどいい体重だよ」と言われても、それを信じることができず、ストレスを溜めてしまうんです。


たとえば160センチで46キロの体型なら、健康的で社会的な信用も高く、アイドルなみの体重ですから、男性からも人気です。
ある意味理想の体重と言えるかもしれません。
しかしアイドルがみんな愛されているかと言えばそうではなく、むしろ愛を求めて苦しんでいるアイドルもたくさんいます。


いくら周囲から「その体系が好き」と言われても、自分が自分を好きになれるだけの努力をしていなければ、本当の意味での愛は手に入らないからです。
愛されるかどうかは、自分を納得させることができる体重管理をしているかどうか、ということです。
ですから、自分が全力を尽くしているなら、病気によって体重が減らない人であっても、愛されることは可能です。


逆に、病気によって体重が増えない人でも、愛されることは可能です。
160センチで46キロの人より、60キロや40キロの人の方が愛される場合もあるわけです。
愛されるために必要なのは、「数字」ではなく、「誠実に、本気で生きているか」ということなんです。


自分を「理想の体重」にせず放置しておくことは、自分に対する愛ではありませんから、その結果愛されません。
これが、「理想の体重になれないと愛されない」ということの本質です。



◎理想の心


そして、ここからさらに大切な話です。
それは、「心」の問題も、「理想の体重」の話と同じ、ということです。
人によって「理想の体重」があるように、人には、「理想の心」というものがあります。
そして、「理想の体重」の数字が多くの人にとって共通しているように、「理想の心」も多くの人が共通した認識を持っています。


ざっくり書くと、

「イライラしない状態」

「平和な状態」

「ストレスを溜めない状態」

「愛を発信できる状態」

「不安がない状態」


などです。


現在「理想の体重」になっていない人は、「理想の心」になっていないはずです。
「理想の心」になっている人は、結果として「理想の体重」になっているからです。
「理想の心」を手に入れることは、むしろ「理想の体重」になるよりも重要な意味があるわけです。


「理想の体重」は、食事を減らすことで手に入れることができますよね。
では、「理想の心」はなにをすれば手に入るでしょうか。


多くの人が、「ダイエットしたいんだけど食べちゃうのよねえ」と言いながら食べてしまいますが、それでは理想の体重は手に入りません。
理想の体重を手に入れることができる人は、食べたくても食べず、食事を確実に減らし、目先の「食欲」に負けなかった人です。
そして、手に入れた理想の体重を維持できれば、維持期間に比例して喜びを味わうことができます。


同じように、多くの人が、「ケンカしたくないんだけどしちゃうのよねえ」と言いながら口論してしまいますが、それでは理想の心は手に入りません。
理想の心を手に入れることができる人は、ケンカしたくてもケンカせず、ケンカを確実に減らし、目先の「ケンカ欲」に負けなかった人です。
そして、手に入れた理想の心を維持できれば、維持期間に比例して喜びを味わうことができます。


理想の心を手に入れるには、「食べない」と同様、「ケンカをしない」という単純なことが大切ですが、世の中には、ダイエット業界やスポーツジム業界の言葉を信じ、大げさなことをしている人がいます。
たとえば、世の中には、ダイエットや筋トレの本を1日1時間読み、スポーツジムに3時間通う人もいると思いますが、「愛」という視点から見るとちょっとヘンです。
情報はインターネットで手に入りますし、ジムに行かなくても工夫次第でトレーニングはできます。
ムードがある施設で、親切な笑顔のトレーナーから、マンツーマンで丁寧に教えてもらわないとトレーニングができない人は、「私には強い意思も知恵もありません。お金をあげるから私を痩せさせてください」と言っているのと同じです。
ジムに通っているうちはなんとかなっても、通わなくなればいつかリバウンドします。
しかしリバウンドが怖いからといって永遠にジムに通い続けてしまったら、人生の目的がなんなのかわからなくなってしまいます。


参考までに、「細身の9頭身」など、「スタイルがいい」と言われる女性は、生まれつき持っている体質や骨格によるものが大部分です。
極論すれば、顔の大きさは、生まれ持った頭蓋骨の大きさ以下になることはありません。
骨の長さも変えることはできませんから、同じ身長と体重でも、腕が長く見えたり、短かく見えたりするわけです。
できるのは、脂肪層の厚さと筋肉の太さを変えて身体をデザインすることですが、これには時間とお金がかかりますし、なにより、コストをかけてトレーニングをやっても、お酒、タバコ、グルメ、旅行、浮気、ペットなどをやめられないうちは、やっていることのギャップが大きすぎて長く愛されることはありません。
自分の周りに知恵のない人たちを集めてしまい、知恵のある人たちからは、短期間の恋愛の対象にされます。
美しいスタイルを持つ芸能人やモデルの恋愛パターンはこれがほとんどです。
生まれつきのスタイルに磨きをかけるのはいいんですが、お酒や夜遊び、ペットなど、相反することをしているので、知恵のある男性を引き寄せることができないんです。


本人たちはSNSで、「これが本物・最高の彼」などとつぶやきます。
しかし気付けば多くの芸能人たちが破局しています。
しかも破局の原因が自分にあるとわかっていないと思います。


日常生活に影響が出るほどトレーニングに費やしたら、他になにもできなくなります。
「筋トレができなくなるから私は結婚も子育てもしない」となってしまうと、愛をそそぐための筋トレではなくなってしまうんです。


同じように、「理想の心」を、セミナーや瞑想で手に入れようとする人もいますが、日常生活に影響が出るほどのめりこんだら、愛をそそげなくなります。
たとえば仏教の本を1日2時間読み、毎日3時間の瞑想をしている人がいたら、日常生活に影響が出るのは明白です。
人生の目的は、仏教でも瞑想でもないんです。
「宗教が実践できなくなるから私は結婚も子育てもしない」となってしまうと、愛をそそぐための宗教ではなくなってしまいます。
仏教の思想やその訓練に人生を費やすことになってしまったら、なによりもブッダが悲しむはずです。


「理想の心」を手に入れない限り、愛を愛だと信じることはできません。
「理想の体重」になりたい人の心理を利用する商売があるのと同じように、世の中には、「理想の心」を手に入れたい人の心理を利用する商売があります。
「理想の心」について本質的な視点から見ない人は、セミナーや宗教にのめりこみ、他人を攻撃するような争いをしてしまいます。
それは、ダイエットをしようとしてストレスが溜まり、余計に食べてしまう悪循環と同じです。


「理想の心を手に入れたいなら争わないこと」


このことを忘れないでください。



◎まとめ


全力を尽くさないと愛されません。
その理由は、全力を尽くさないと、自分が愛を信じることができないからです。

「痩せたいなら食べない」、これは当たり前ですよね。
ですから、「平和になりたいならケンカをしない」、これでいいんです。
そして、それができた人だけが到達できるステージがあります。
それは単に数字上のあれこれではなく、「心の状態・心のステージ」を意味しています。
体重や心は、お金を払えば他人がどうにかしてくれるものではありません。
楽をしてそのステージに立とうとすると、「お金・時間・自信」をなくしかねません。
気をつけてください。

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