除霊の仕組み 2

(読了目安7分)

では第2話、今回は以下の中から太文字の3つのテーマでいきます。

◎そもそも「霊」ってなに?
◎除霊ボタン
◎除霊の定義
◎除霊の目的
◎除霊の効果
◎霊媒師が違う意味を唱えたらどうなるか
◎霊媒師は自分の除霊ができるか
◎1万世代過去の霊まで供養する必要があるのか
◎それでも除霊が効くのはなぜ?
◎痛いの痛いの飛んでいけー!
◎除霊のまとめ

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◎除霊の定義


「除霊」という言葉には、人類共通のはっきりした定義がないというのが現状です。
「除霊」という言葉はもちろん、「霊媒師・霊能者」などの言葉も、団体や個人によって定義が様々で、まだ統一されていません。
そもそも人類の中で「霊」という言葉の定義さえ曖昧ですから、「除霊」の定義だって曖昧になるのは仕方ないですよね。


しかしとりあえず定義を決めないと話が進まないので、一般論としてイメージされている「自分に悪影響を及ぼす霊を鎮める、または取り除く」ということにしましょう。

「お坊さん・霊媒師・霊能者」などが、「除霊をする側」になり、「除霊をされる側」の近くで、いろいろ唱えたり動いたりする風景を思い浮かべてもらってOKです。
また、今の時代は「遠隔除霊」や「唱えたり動いたりしない除霊」というのもあるようですが、それらについては後述します。


ちなみに「除霊」を横文字で表現すると、「スピリチュアライゼーション」が近い言葉らしいです。
「霊媒師」を横文字で表現すると「チャネラー」と訳されるようなので、「霊媒師による除霊」を横文字にしてみると「チャネラーによるスピリチュアライゼーション」と、なんとなくかっこいい響きになり、女性にはウケがいいかもしれません。



◎除霊の目的


マスターが考える「除霊の目的」は、「みんなが幸せに近づくため・愛に近づくため」です。
もう少し具体的に書くと以下のようになります。


1:除霊をされる側が不安から解放されるため
人を不安から解放することが除霊の第一の目的です。


2:除霊をする側が幸せに近づくため
除霊をする側の霊能者も、社会貢献でき、幸せになることが目的です。
除霊をする側には強い精神力と、人の役に立ちたいという利他の気持ちが必要です。


3:両者を取り巻く周囲の人たちも幸せに近づくため
これは、除霊される側と除霊する側の「両者」が幸せになることで、取り巻く人たちにも、「好影響」が及ぶということです。
みなさんはきっと不安を抱える人を見て心配だと思います。
不安を抱える人が元気になることで、みなさんの心配もなくなり、幸せに近づくわけです。

しかし、現実を見ると、人の不安につけこんだ「商業除霊」がはびこっているような気がします。
商業除霊だと、除霊をする側は「お金を稼ぐこと」が目的ですから、その場合除霊の目的は、「除霊をする側の贅沢のため」と言い換えることもできます。
本来は「される側の利益のための除霊」のはずが、「する側の利益のための除霊」になってしまうということです。
「テレビなどのメディアで有名になった霊能者が、除霊代として数十回にわたって合計約600万円を受け取り、訴訟になった」・・・こんなニュースもありましたが、この場合、当事者同士がイヤな思いをし、周囲もかなり引きますから、みんなが幸せに近づいている状態ではありませんよね。
ですからこの除霊はアウト、愛ではないわけです。
仮に数千円で人生が変わるなら、周囲もそれほど心配しませんから、除霊の目的は達成されたと言えるかもしれません。
600万円だと金額が大きいですよね。



◎除霊の効果


もし除霊が確実に効くなら、みんなやった方がいいです、それで人生が好転するんですから。
しかし、もし効き目が限定的か、ほとんど効かないなら、きっぱりと見切りをつけて歩き始める方がいいはずです。
みなさんの人生は「除霊をするための人生」ではありませんから、もし他の方法で自分が幸せになれるなら、除霊という手段にこだわることはないわけです。


「除霊は効くのか」ですが、結論から言えば効きます、ただし、一部の人に対してです。
「霊が存在し、その霊が悪い影響を与える」と信じている人には一部効き目があり、また、半信半疑の人にも一部効き目があります。


たとえばネットで売られている健康食品の効果について思い出してみてください。
健康食品を売る企業は、
「いまなら500円でお試しできます」
「効かなかったら全額返金します」
「いまからモニター募集します」
などの宣伝で、大量に健康食品を世に出します。


健康食品は、体調が悪い人が購入することがほとんどです。
そして人間の体調は常に変化していますから、体調が悪い人の大半が、放置していても回復します。
仮に1万人が健康食品を食べれば、その中で必ず「食べたら効いた」と感じる人が出てくるわけです。


「除霊」も同じです。
除霊をお願いするのは、「人生がうまくいかない」と感じている人がほとんどで、そんな人が除霊をお願いするわけです。
自分がお金を使ったことによる「好転への期待」、そして「お坊さんや霊媒師ががんばってくれた」という心理的な「安心効果」などで、「除霊の効果があった」と信じる人が出てきてもおかしくないわけです。


ただし、除霊は「自分癒し」ですから、除霊という手段を使い続ける限り、自分癒しから先に行けず、長く愛されることはありません。
「長く愛されないから(人生がうまくいかないから)除霊する」というパターンは、まさに自分癒しから抜けられない悪循環なんです。
長く愛されるのは、自分癒しを卒業し、「他人癒し」ができる人です。


また、これも健康食品と同じ理屈ですが、「除霊をしたから状況が好転した」と信じてしまうと、除霊から離れられなくなります。
「健康食品を食べたら元気になった」という心理は、「健康食品を食べ続けないと体調が悪くなる」という不安と隣り合わせなんです。


同様に、「除霊をしたら状況が好転した」という心理は、「除霊をしないと不幸になってしまう」という不安に繋がるわけです。
そして、なにかあるごとに「除霊」の人生になってしまい、上記のニュースのように除霊に600万円使うことになります。


人類の総合的な知的レベルが今よりも低かった時代は、物事を表現する言葉もなく、なんでもかんでも「神(霊)の仕業」でしたし、人々も本気で信じていました。
ですから、そんな時代なら「除霊」にも効果はあり、「愛」とも言えたんです。


しかし現代はどうでしょう。
昔の人が「いま彼女の人格が変わったのはキツネの霊が憑依したせいよ!除霊よ除霊!」と言うような状況でも、現代は「解離性同一性障害(多重人格)」の疑いから調べていきます。
また、昔なら「手足がしびれて動けない!霊の仕業ね!除霊よ除霊!」という状況でも、現代は、不安や緊張からの「過換気症候群(過呼吸)」だと想像し、しばらく様子を見ます。
そしてその状態が頻繁に繰り返されても霊能者には相談せず、病院やネットで情報を集め、医師に相談します。


また、昔なら「急に倒れて口から泡をふいた!これは悪魔が乗り移ったからよ!悪魔祓いして!」という状況でも、現代はまず「癲癇(てんかん)」を疑い、病院に行って対応することを考えます。


昔の人がいくら本気で「キツネ憑きだ! 霊だ! 悪魔だ!」と言っても、現代は「それって昔の話。今は全然違うから」とバッサリやられるわけです。


「除霊の効果」は、現代に近づくほど小さくなる傾向にあると言えます。
その理由は、「昔と比べて本物の霊媒師がいなくなった」とか、「昔と比べて霊媒師の質が下がった」とか、「昔と比べて霊の力が強大になったから」ということではなく、「人類が物事の仕組みを解明し、除霊の効果を信じる人が少なくなってきたから」です。
「除霊の効果を信じる人が少なくなってきた」ということは、「除霊に頼らず、自分の責任で幸せになれる人間が増えてきた」ということです。
そう、人類は成長し続けているんです。


以上、「除霊の仕組み 2」でした。
次回「除霊の仕組み 3」は、以下の内容からです。

◎霊媒師が違う意味を唱えたらどうなるか
◎霊媒師は自分の除霊ができるか
◎1万世代過去の霊まで供養する必要があるのか
◎それでも除霊が効くのはなぜ?
◎痛いの痛いの飛んでいけー!
◎除霊のまとめ

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