店員からナンパされたとき 1

(読了目安11分)

それはA子さんからの相談がきっかけでした。
以下、少しアレンジして書きます。


「気になっていた30代の男性店員に声をかけられ、彼を好きになってしまいました。デートをしたときの会話に違和感もあったんですけど、どうしたらいいのか悩んでいます・・・このまま突っ走るか、あきらめるか・・・マスターから見ると彼ってどんな男性でしょうか?意見を聞かせてください」


ざっくり書くと、こんな内容です。


今回は上記の話を例に挙げ、それが愛かどうか、いろいろな方向から書いてみたいと思います。
30代の男性について書くなら、元30代男性のマスターに任せてください。


では始めましょう。


いつも行く飲み屋、アパレルや美容業界の店など、その店の常連客になると、なにかとナンパされる場面が出てくることがあると思いますが、みなさんは、行きつけの店の男性店員にナンパされたことってありますか?
おしゃべりのあと、連絡先のメモを渡されたりとか、そんな感じです。


今回は、「美容室」の男性店員が、女性のお客様をナンパすることについての話です。
そして、「短く」ではなく、「長く」愛されるための話です。
ナンパされたことがない女性も、ぜひ頭の片隅にどうぞ。
いつかきっと役に立ちます。


まずはみなさんに質問です。

・あなたは、気になる男性とメールや電話をするのが面倒ですか?

・あなたは、隠し事をする男性が好きですか?


・好きな女性を安心させられない男性に、愛する力があると思いますか?


・仮にあなたが経営する店の店員が、あなたに内緒で顧客をナンパしたらどう感じますか?


・あなたは言葉と行動、どっちを重視しますか?




では本題にいきましょう。

A子さんは20代半ばの社会人です。
20代前半にいくつかの男性経験を積み、最近は「長く愛されたい」と本気で考えることが増えました。
「結婚」という言葉も意識し始めています。


初めて訪れた美容室でのことです・・・


A子さんのカットを担当してくれた男性店員がいました。
彼は30代前半で、それなりに実績も積んできた大人です。
美容室の経営者ではありませんが、明るい性格で、その店の中心的な存在のようでした。
彼の対応が気に入ったことや、通うなら毎回同じ人がいいと思ったこともあり、その後、A子さんは彼を指名していました。
何度か通ううち、A子さんは自分のことを覚えてくれている彼に好意を持ち、毎回楽しい会話をすることができました。
美容室に行くのが楽しみになっていたそんなころ、A子さんは彼から連絡先をもらいました。


とても嬉しくなったA子さんは、さっそく彼にメールをします。
「いつもありがとうございます。近いうち、できたら一緒にお食事に行きたいです」


彼からは、「スケジュール調整をしてまた連絡しますね」と返事があったあと、不思議なことになかなか次の連絡がありません。
ウザイ女だと思われたくないので我慢していると、1週間後、彼から返事が来ました。


「〇〇日の〇〇時なら空いてますけど一緒に夕飯どうでしょうか?」


実はその日、A子さんはちょっとした先約が入っていたんですが、その約束を変更して彼に返信しました。


「その日オッケーです、楽しみにしてます」



当日、約束どおり、彼は現れました。
2人きりの店外デート。
A子さんは、喜びと心地よい緊張感に胸が高鳴ります。


食事中、彼の恋愛観・結婚観・仕事観を聞くA子さん・・・


1:「オレはメールや電話はマメにできないんだ。しかも毎日忙しいから、彼女ができても連絡は不安定だしデートは毎月1回程度かなあ」

2:「結婚したらいつも一緒にいるんだから、結婚前はあまり会わなくてもいいんじゃない?」

3:「美容師の後輩たちの指導はできればしたくない、休日や休み時間は自分の時間を大切にしたいから



彼の話はこんな内容でした。


A子さんは彼の言葉を少し疑問に思いながらも、彼とのデートを終え、その日の甘い思い出に浸りながら、数時間前の彼の言葉を思い出しました。


「・・・不思議なことを言う人だわ。でも恋愛って人それぞれだし、仕事に関しても、私にはわからない彼の事情があるのかもしれないわね。とにかく私は彼が好き。彼も私のことが好きだから連絡先をくれたんだし、わざわざデートもしてくれたはず。もっと彼を理解して、愛されたいわ・・・」


・・・


さて、みなさんはこの話、「長く愛される」をキーワードにした場合、どう感じます?


以下、マスターの考えを書いてみますね。


まず男性店員についてです。



◎男性店員について


上記の内容から判断して結論から書くと、この男性に長く愛する力はありません。

彼の言葉、(1:)~(3:)について書きます。

1:「オレはメールや電話はマメにできないんだ。しかも毎日忙しいから、彼女ができても、連絡は不安定だしデートは毎月1回程度かなあ」

自分からメールアドレスを教えておきながら、もらったメールになかなか返信をせず、女性を心配させています。
彼には、女性を安心させる力がないわけです。
もし彼が「不安にさせるのも駆け引きのうち」なんて思っているとしたら、それこそ長く愛する力はありません。
「愛」は、ただそそぐだけであって、駆け引きは無用なんですから。
愛をそそげる男性は、自分の都合で相手を不安にさせることはしません。
安心させるためなら、数分間の時間を作る努力をします。


2:「結婚したらいつも一緒にいるんだから、結婚前はあまり会わなくてもいいんじゃない?」


「結婚する前は頻繁に会わなくていい」なんて言っている人は、結婚してからもきっと同じです。
「毎日一緒にいるのは息苦しいから1人の時間が欲しい」、こんなことを言って帰宅しない夫になるかもしれません。
月に一度しか会えないのは、彼には、他に彼女が数名いるからかもしれません。
または本命の彼女と同棲、さらには結婚している可能性もあります。
(離婚経験もあるかもしれません)
彼にとって「彼女」を作ることはとても簡単なんです。
美容室で自分を指名してくれる女性たちは、自分に好意を持っているわけですから、言ってみれば「ファンクラブの会員」です。
自分のファンクラブの女性に手を出せば、ほとんどの場合うまくいきますよね。
ですから彼は、顧客の中から「自分好みの女」を選んでベストコレクションを作れるわけです。
10回以上自分を指名してくれ、自分との会話の内容が常に前向きな女性なら、ほぼ確実にゲットです。
しかしこれは、「ファンクラブの会員に手を出す」ということですから、本来はやってはいけないことです。
「ファンあっての自分・ファンを大切にしなければならない」という大前提に反するからです。
「ファンを大切にする」というのは、ファンと肉体関係を持つことではないんです。



3:「後輩たちの指導はできればしたくない、休日や休み時間は自分の時間を大切にしたいから」

「後輩の指導をしたくない」という考え方も愛に反します。
たとえば子どもに知恵を伝えるのと引き換えにお金を取る親はいませんよね。
「人類愛」という視点から見た場合、自分の後輩に知恵を伝えることは苦痛にはならないはずです。
未来を背負う若い人に知恵を伝えるというのは、愛をそそぐということです。
愛をそそぐことで疲れる人なんかいないんです。
「後輩の指導はしたくない」と言っている人の多くは仕事にストレスを感じています。
「オレはこんなにがんばったんだから見返りが欲しい」と言っているわけですから、彼は仕事を愛していないと言えます。
長く愛する力を持っている男性は、いつもやりたいことをやっていて、しかも人生に感謝していますから、ストレスもなく、後輩の指導を頼まれたら、少なくとも感謝するはずです。
一方、仕事を楽しんでいない人は、娯楽として、「酒だ、タバコだ、ギャンブルだ、女だ」と始まります。
ですから、娯楽の一環として、ファンクラブの女性に手を出し、ストレスの発散をしようとするわけです(ファンを大事にする人は、連絡先を教えることはしません)。

・・・

そもそも彼は、美容室に雇われの身です。
にもかかわらず、連絡先を個人的に教えるなんてヘンだと思いませんか?
仮に、彼自身が美容室の経営者なら、顧客に自分のアドレスを教えるのは「アリ」かもしれません。
現に、顧客を口説くのを楽しんでいる経営者もたくさんいますからね。
しかし彼は雇われの身であって、彼の信用は、その「職場」があってこその「信用」なんです。
そしてA子さんとの出会いは、その信用をベースにした「職務上の出会い」です。
いきなり街中で個人アドレスのメモを渡された「ナンパ」なら、A子さんは彼を怪しく思い、彼に惚れなかったかもしれません。
彼が怪しまれないのは、「美容室」という「信用」があってこそだということです。


また、店員が顧客に個人情報を教えたりすることは、店のリスクを増やすことになります。
個人情報を教え、顧客と付き合った店員が、やがて別れ際に顧客と争うというパターンはいくらでもあります。
恋愛トラブルの中、もし通勤途中の店員が狙われて殺傷事件になったら、悪い噂が悪い噂を呼び、その美容室の評判はガタ落ちです。


また、その店員の連絡先が、顧客の手によって悪意で公開されてしまったら・・・
結局店員は自分のアドレスを変える必要が出てくるかもしれません。
アドレスを変える作業は、本人だけでなく、周囲の手間にもなりますし、それが頻繁なら信用を失うことにもなります。
多くの事件や不都合は、「彼女(彼)はアドレスを教えても信用できると思うよ」という安易な思い込みによって生まれています。
人間はいつも心がウキウキと楽しく安定している動物ではないんです。


ということで、店員が自分の連絡先を顧客に教えることによって、店のリスクが増えます。
これは、自分の生活を脅かすだけでなく、他の顧客に対してのリスクを増やすことでもあります。
ですから、店員が個人の連絡先を顧客に公開する行為は「愛」ではないんです。


では、店のオーナーや経営者の公認だったらどうでしょう?
つまり、社員に対して「顧客に個人アドレスを教えてもいい・顧客をナンパしてもいい」と、上部の人間が認めた場合です。
みなさんは、「店の公認なら問題ないんじゃない?」なんて思うかもしれません。


しかしナンパが公認なら、店のスタッフみんながナンパを楽しんでいるということかもしれません。
オーナーもやっている可能性もあるでしょうし、他のスタッフも、競って顧客をナンパしている可能性もあります・・・
マスターはこのような状態を、ある「自動車教習所」の内部の人から聞いたことがあります。
教官にも「指名制」があるんですが、男性教官が、自分を指名する女性の教習生をナンパするわけです。
自分を指名してくれるファンクラブの女性をナンパするんですから、「思い通り」です。
そして、教官同士の酒の席で、「オレはあの子と飲みに行った・あの子とはセックスした」という話題になるということでした。


これと同じようなことが、美容室のスタッフの間でも起こっている可能性があるわけです。
だとしたら、男性店員は当然「複数」の顧客に声をかけているはずです。
これは、店に来てくれるお客様全体を「店のファン」と考えた場合、入店してくるファンクラブの会員に対して、「自分好みのファンから順に手を出している」ということになるんです。
お店公認でナンパ・・・これって愛ではありませんよね。


話は戻りますが、A子さんをナンパした男性店員を「オス」として見た場合は、マジメなオスです。
オスはたくさんの子孫を残そうと努力し、一生懸命行動しますよね。
彼が月に一度しかA子さんとデートできないというのは、他にも数名の彼女がいるのかもしれないと想像できます。
ですから「人間のオスとしてマジメに仕事をしている」となるわけです。


また、彼女が1人だけしかいないとして、毎月一度しかデートができないほど忙しいなら、彼は仕事熱心かもしれませんが、結婚生活を長く楽しむ実力はないと言えます。
女性を安心させることができず、仕事ばかりの男性が、長く愛する力を持っているはずがないからです。
また、そんな男性に惚れてしまう女性にも、長く愛する力はありません。


A子さんからは「厳しい意見をください」とお願いされたので、次回の投稿で、その願いをかなえてあげられたらと思います。

・・・

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