パチンコ 1 フラッシュバック

(読了目安9分)

長く愛されない理由のひとつは、パチンコをやるから、またはパチンコをやる人と付き合うからです。


・・・やっぱりいますよね、パチンコが好きな人。
マスターも20代のときは、けっこうやった時期がありましたしね。


今回マスターがみなさんにお伝えしたいのは、パチンコに限らず「ギャンブル」全般についてなんですが、ひとつひとつ書いているとキリがないので、その中でも代表的な「パチンコ」について、マスターの体験も含めて書いていきます。


簡単に書くと、「ギャンブルは愛ではありません」、という内容です。

今回は以下です。

◎フラッシュバック

◎パチンコにハマる理由

◎パチプロなら

◎勝った時の思い出が残る

◎攻略法ってあるの?

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◎フラッシュバック


あれはマスターがパチンコをやめて20年以上過ぎた数年前のことでした。


「う、くさい・・・」


買い物を終え、スーパーの一階部分にあるトイレに入ったマスターが感じたニオイは、年配の男性が発しているお酒のニオイでした。
すぐそばにあるパチンコ店のお客さん同士がトイレで会話してたんです。
ほろ酔いで機嫌が良さそうな会話でしたが、ろれつが回らず、詳しい内容は聞き取れませんでしたが、


「オレは今日3回大当たりがきた!」



とか、そんな類の会話だったと思います。


トイレのニオイとお酒のニオイが混ざったイヤーな感じ、そしてパチンコの会話・・・その瞬間、マスターの過去の記憶がよみがえりました。


マスターも東京に住んでいたとき、パチンコにハマッた時期があって、似たようなニオイと光景を何度も体験していたんです。


以下に続きます。



◎パチンコにハマる理由


パチンコにハマる理由は、お酒やタバコと似ていて、マスターはまず第一に「早く大人っぽくなりたい」という願望でした。
18歳未満に禁止されていることをやることで、自分が大人になった気分になるわけです。
大人になりたいという願望があるわけですから、やるのは「子ども」です。
パチンコをやる直接のきっかけは、ストレスによるものではないかもしれませんが、「球が出る快感」を覚えてしまうと、その快感の虜になってしまい、やがて、人によっては強い依存症になっていきます。


また、パチンコを頻繁にやる人の根本には、なにかストレス(不安や不満)があります。
パチンコの「大当たり」によってそのストレスは一時的にごまかされますが、結局その場しのぎにしかならず、また同じ快感を求めてパチンコを続けます。
これは、お酒やタバコと同じような心理です。


何の気なしに始めたパチンコが、やがて中毒になってしまう・・・パチンコ業界はもちろんこういう人の存在をあてにしています。
中毒者を作って利益をあげるなんて、お酒タバコ業界のやり方と似ているところがあります。


「パチンコ依存症」や「ギャンブル依存症」、こんなキーワードで検索してみてください。
いろいろと大変な世界です。



◎パチプロなら


「パチプロならパチンコをやっていい」と考える人もいるかもしれません。
もちろんその道で食べていけるようになるには、かなりの努力が必要ですから、相応の収入が保証されて当然です。
でも、パチンコで食べている人に、みなさんは愛を感じますか?


昔、有名なパチプロ集団がいました。
様々な道の経験者が集まり、パチンコの台を買ってちゃんと研究し、攻略法を編み出し、それを実践していたようです。
知識も技術も高レベルで、設立当初は内部規律も守られていたようです。
たとえば、1日に10万円以上稼がない(目先の欲に飛びつかない・パチンコ屋がつぶれると自分たちが稼げなくなる)とか、夕方5時には必ず引き上げる(仕事帰りの一般人たちに譲る・荒稼ぎはしない)、などのルールをちゃんと守って行動していたんですって。


有名になったその集団は、やがて会社を設立し、「攻略法」などの販売に手をつけました。


・・・が、やっぱりうまくいかないんです。


結局リーダーの男性は、億単位の脱税が主な容疑で、実刑判決を受けてしまいました。
ひとことで言えば、「愛を無視し目先の利益に飛びついてしまった」ということだと思います。
また、「被害者の会」のようなものもできていて、いまだにトラブルはくすぶっているようです。


設立当初はたしかにすごい集団だったようです。
しかし結局、組織が大きくなるにつれて内部腐敗が進み、衰退していくわけです。
パチンコの世界は、負のスパイラルの世界と言っていいかもしれません。
長く愛する力を持つ人は関わることのない世界です。


◎勝った時の思い出が残る


パチンコをやる人は、「自分は勝っている、儲かっている、これで暮らしていける」、こんなふうに思い込んでいる人も多くいます。
たしかに、ごく短期間で考えたら、収支がプラスになることはあります。
開店時刻と同時に打ち始め、すぐに大当たりが出続けた場合なんかは、かなりの利益になるからです。
しかしそこで人間の心理、「欲」が働くわけです・・・
「もっと出るんじゃないか」と思ったら最後、かなり高い確率で、次の大当たりは来ません。
それは、ただ単に「パチンコの世界では確率どおりのことが起こっているから」です。
サイコロの目を何千回もふれば、仮に「1」が大当たりだとした場合、2回や4回連続で出ることはありえます。
パチンコも同じ仕組みです。
たまたまそのタイミングで連続で当たる台だっただけなんです。


ですから、初めに何度も連続で当たったら、次に投資しなければ「勝ち逃げ」できます。
しかし、勝った思い出は強烈な快感として身体に残ってしまい、「あのときの快感をもう一度」、みたいになってしまうんです。
そうすると、確率通りのことが起こっていき、長くやるほど店の計算どおりの収支になります。
勝った時の思い出が強く残ることや、また、「負けてもきっと取り戻せる」と思う心理が、人をパチンコの虜にしていきます。



◎攻略法ってあるの?


「パチンコ攻略法・パチンコ必勝法」という類の雑誌があります。
マスターも昔、この類の雑誌を少しだけ読んだことがあります。


あくまでもマスター個人の考えですが、たぶん数日間か数週間という短期間ならパチンコ台を攻略する方法はあります。
パチンコ台は、不完全な「人間」が作ったものですからきっと攻略できるんです。


しかし、もし長期間有効なパチンコの攻略法があるなら、攻略法を知っている人は自分だけで楽しむはずです。
その人が知っている攻略法を世に出してしまうと、すぐにその攻略に対する対策が出てしまい、自分が稼げなくなるからです。
パチンコをすることで毎日5万円稼げれば、毎月150万円稼げるんですからね。
攻略本を出して毎月150万円稼ぐ方が大変です。
それに、みんなが稼ぐとパチンコ店がつぶれちゃいますから、有効な攻略法を知る人にとっては本末転倒です。


また、もし有効な攻略法・必勝法を安定して掲載している雑誌があるなら、パチンコ店だってそれを読んで対策をしますし、逆に対策をしないなら、その雑誌の情報は、「相手にするのも面倒」なほど、価値のないものだということです。
さらに、パチンコ店は、世に出た攻略法を信じてパチンコ店に来るお客様に対して、攻略法を先回りした対策をし、利益を上げることもできるかもしれません。


また、単純な話として、攻略法に対して手の打ちようがなければ、パチンコ店はしばらく釘を締めるかもしれません(※)。
※釘を使ったパチンコ台の場合、釘と釘の距離を近くし、大当たりに繋がるゾーンに球が入りにくくすること


一歩踏み込み、パチンコ店と雑誌社が組むとどうなるでしょうか。
パチンコ店が意図的な情報を流し、それを雑誌社が「最新情報・極秘入手」と世に出してまず利益を上げ、パチンコ店も集客に成功して利益を上げる、という方法です。


また、パチンコメーカーが自社製品の攻略方法を知っているのは自然なことですから、パチンコメーカーの中にいるスパイが、目先の利益のために台の攻略情報を流す可能性はあります。
「コンピュータウイルスのセキュリティーソフトを売る会社は、コンピュータウイルスを作ることもできる」、というのと似た話です。
企業内部のスパイが内部情報を漏らす事件は後を経ちませんから、パチンコ業界で起こっても不思議ではありません。
しかし、内部関係者しか知りえない情報を流してしまったらすぐに捕まりますから、劇的な効果がある攻略法が出回るのはとても珍しいことだと考える必要があります。
雑誌社も、「パチンコメーカーのスパイから入手! 絶対に信用できる情報です!」なんて公には書けません。
それに、すでに気付いたと思いますが、パチンコメーカーの社員が、もし攻略法を知っていたら・・・そうです、きっと誰にも言わず、1人で稼ぐでしょうね。
スパイ行為をし、機密情報を売って100万円もらうより、攻略法を使って毎日短時間で数万円稼いだ方が、安心して稼げますからね。


パチンコメーカー、パチンコ店、攻略本の出版社・・・社会の仕組みを考えれば、これらの業界は相互に意識しあい、時には協力しながらそれぞれに生き残りをかけていることは想像できると思います。


いずれにしても、雑誌やネットなどで攻略法が出回るときは、すでに古い攻略法になっています。
ということは、試したところで大きな効果はないということです。


確率で考えれば、雑誌やネットで得た攻略法を使い、大儲けした人が出てきてもおかしくないですが、それはおそらく数百人に1人であり、さらに言えば、その1回だけか、運がよくても2.3回がいいところかもしれません。
また、ネット上で「オレはうまくいった!攻略法最高!」と言っている本人が、その攻略本を売っている出版社の人だったりするかもしれません。
つまり「自作自演」です。


以前話題になった「ペニーオークション事件」のように、試してもいない、または実際は儲からない攻略法で「私は儲けた!」と宣伝し、雑誌の売り上げを伸ばす方法です。
あと、ダイエット業界のダイエット特集にも似ていますよね。
それをやって全員が成功するはずないんですが、少数が成功すれば、その特集は正当化される、もしくは「無効だ」と批判されることもなくなるわけです。


いろいろ書きましたが、パチンコの攻略本を買った全員が大儲けしてしまったらパチンコ業界そのものがつぶれてしまいますから、そんなことにはなりません。
そして個人の知恵より組織の知恵が勝ることがほとんどですから、個人で得た攻略情報でパチンコに勝てる可能性はとても低いか、または勝ってもたまたま数回であって、生活できるような利益にはならないのが現実、ということです。


次回に続きます。
次回以降、以下のような内容を予定しています。

◎お客が儲かるわけがない
◎意外とお金がかかる
◎吐き気と幻聴との闘い
◎中毒になる(トランス状態)
◎マスターの収支
◎いい話がない
◎愛から遠い
◎長く愛されない

・・・

投稿タイトル一覧は以下です。


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