おじいちゃんからのメッセージ

(読了目安6分)

ウクライナとロシアの戦争が1年以上続き、悲劇は終わる気配もなく、周辺諸国を巻き込みながら規模が広がっているようにも感じます。
今回は、戦争を体験した「近所のおじいちゃん」の遺言について書きたいと思います。

すでに亡くなって10年以上経ちますが、マスターの子どもたちをかわいがってくれたおじいちゃんがいました。
彼の親族から聞いた話ですが、亡くなる2週間前、やっとの思いで書いたメッセージに、こうあったそうです。


「人と争わないでください・みんな仲良くしてください」


多くの人は、自分の人生の中で、争ったことを後悔しているんだと思います。
おじいちゃんのような「戦争体験者」からこの言葉を聞くと、一層の重みを感じます。
彼らの世代は、第二次世界大戦後、ボロボロの日本をここまで復興させました。
noteを読んでくれているみなさんは、自分の夫や恋人、息子が戦地へ出向き、そのまま戦死するという悲劇を体験したことはないと思います。
しかし戦争経験者の多くは、戦争の中で、極限の悲劇を直接的・間接的に体験しています。


そんな悲劇を繰り返さないため、日本は憲法で戦争を放棄しました。
これは、国民のほとんどが戦争を後悔していることを示しています。
戦争が終わった後に残るのは大きな悲しみ、後悔、そして恨みなどです。
戦争は憲法で放棄しなければならないほど、人間にとっての悲劇なんです。


みなさんは、自分の家族や子どもと争いたいでしょうか。
地球をひとつの家族ととらえたとき、なぜ争う必要があるのか考えてみてください。
戦争を起こすのは「国」ではなく、国を構成している「人間」です。
人間の存在はとても小さく、はかないものですが、戦争の原因は一人一人の心の中にあり、それが集まって表面化すると戦争になります。
国民全員が争わなければ、戦争は起こりません。
ですから、「争わない」ということは、個人レベルの日常生活はもちろん、国家レベルになったとしても、みなさん一人一人の意識で実現できることなんです。


仮に、あなたが戦地で命を落としていった人たちの代表者だったら、未来の日本人になにを望むでしょうか。
戦争中、あなたは、妻、子供、両親、または彼女を残して戦地に行き、「妻や子ども、両親を心配させたくない。また家族に会いたい」と思いながら、戦いの中で命を落としたとします。
残してきた家族、そして未来の日本人にあなたが望むことは、「人と争わないでください・みんな仲良くしてください」、ではないでしょうか。


争いは、関わった全員が被害者です。
争いに勝ちも負けもありません。


◎大人になったなら


大人の言うことを聞かない子どもたちを、みなさんはどう思いますか?
たとえば、「ストーブは熱いから触っちゃダメ」と言われても、子どもはヤケドをしてストーブの熱さを知ります。
「コップは両手で持って」と言われても、子どもはコップを落として割ってから両手で持つ安全性を知ります。
「下り坂は危ないから走らないで」と言われても、子どもは走って転倒して、ケガをしてから、下り坂を歩くことを理解します。


親の言葉のほとんどは子どもを守るためであり、平和に生きるための助言として本質に近いものだということは、子どもが大人になるにつれてわかってきます。
そうやって、みなさんもマスターも、成長するに従い先人の言葉の中にある愛や知恵を知るわけです。


みなさんはもう大人です。
「体験」から学ぶ時間がある人はそれでもいいですが、大人になったら「歴史」から学んでもいいはずです。
先人たちは、子どもたちに少しでも長い時間平和でいてもらうために、教訓を残します。
先人たちが残した教訓には「争ってはいけない」と書いてあります。
そしてマスターも、そしてみなさんもきっと、遺言には「争ってはいけない」と書くはずです。



◎争いの原因と対策


「争いの原因と対策」について書いてみます。
戦争は、個人の欲や怒りが集まり、肥大化した結果起こるものですから、個人が自分で自分の幸せに責任を持てれば、その瞬間から戦争はなくなります。
一人一人の大人が、自分の力で自分を幸せにすることができれば、地球は平和になるわけです。


平和のためには、あなたが争わなければいいんです。


争いは「自分が正しい」と信じると始まります。
たとえば、よくあることとして、あなたとの約束をA子さんが破ったとします。
頭に来たあなたは、A子さんに「どうしてくれるの!」と怒鳴るかもしれません。
怒鳴られたA子さんは、一生懸命言い訳をして、「私は正しい、仕方なかった」と主張し、納得できないあなたとの間に亀裂ができます。


これが争いの原因です。


また、あなたはA子さんに対して怒鳴らないまでも、イライラした気分になり、それが行動や表情に出ます。
その行動や表情が、仮にあなたの彼氏に伝わると、あなたに対して「いつも優しい彼女」を期待する彼氏が浮気をして、さらなる泥沼になっていきます。
極論すれば、A子さんが約束を破るとあなたがイライラし、彼氏が浮気をするわけです。


さて、この状況を防ぐにはどうすればいいんでしょうか。

それは・・・

そうです、争わなければいいんです。
逆の立場になって考えればすぐにわかるはずです。


あなたが約束を破った時、相手からされたくないことをしなければいいんです。
相手から責められたくないなら、相手を責めないんです。
彼氏にイライラを表に出してほしくないなら、自分がそうすればいいんです。

自分のことを自分でできるのが大人です。
「私の気持ちをどうにかしてよ!」という気持ちは、自分の幸せを他人に依存していますから、「子どもの思考」です。
この考え方で生きていると、大人の思考を理解できませんから、必然的に子どもの思考の人たちと関わるようになり、人生はトラブル続きになります。


なによりあなたも、「オレの気持ちをどうにかしてくれよ!」と叫ぶ男性とは関わりたくないはずです。
ですからまずあなたが、そんな人になってはいけないんです。

平和を望むなら、各自が他人の気使いに頼らず、自分の責任で幸せになる必要があるわけです。


上記の「A子さんとの約束」で言えば、争わないための対策は「自分は約束を守り、他人が約束を破っても怒らないこと」です。
単純ですよね。

「私だけ約束を守るなんて不公平」と言う人もいますが、約束を守れない人は信用をなくし孤立するだけですから、あなたは約束を守ってください。


日本が憲法で戦争を放棄したように、あなたは自分との約束として、争いを放棄すればいいんです。
怒りの感情は争いの原因ですから、自分の中から消しましょう。
それは受験勉強よりも、スポーツの試合で勝つよりも、就職の面接をパスすることよりも大切なことです。


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