除霊の仕組み 5

(読了目安4分)

今回で「除霊の仕組み」は終了です。
以下の最後「除霊のまとめ」でいきたいと思います。

◎そもそも「霊」ってなに?
◎除霊ボタン
◎除霊の定義
◎除霊の目的
◎除霊の効果
◎霊媒師が違う意味を唱えたらどうなるか
◎霊媒師は自分の除霊ができるか
◎1万世代過去の霊まで供養する必要があるのか
◎それでも除霊が効くのはなぜ?
◎痛いの痛いの飛んでいけー!
◎除霊のまとめ

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◎除霊のまとめ


自分の目の前にいる人の様子が豹変してしまったとき、みなさんは、「霊がとりついた!」と感じますか?


マスターは以前、「人の人格がその場で変わってしまう」という現象を日常的に体験していた時期があります。
ですから、目の前にいる人の様子が豹変しても、
「解離性同一性障害」
「パニック状態」
「過換気症候群(過呼吸)」
「てんかん」
「抗NMDA受容体脳炎(※)」
などを疑い、「その人に霊がとりついた!」とは思いません。

しかし、もし当時それらの症状についてなにも知らなかったら、マスターも「除霊」に頼ろうとしていたかもしれません。


「抗NMDA受容体脳炎」は、以前は悪魔祓いに頼るしかなく、治らなくても「お祓いしなかったら、もっとひどくなった」と解釈することで、人間は自分の無力さや無知と向き合ってきました。
21世紀になりこの病気の治療法が解明されましたが、解明したのは「祈り続けた人たち」ではなく、「医学の勉強を続けた人たち」です。
(※)抗NMDA受容体脳炎は、「エクソシスト」という映画の元になったと言われる病気です


現在より教育が行き届いていない時代、人々は生活に必要な最低限の言葉しか知りませんでしたが、そんな時代でも上記のような症状はありました。
昔の人々には現代人のような知恵や言葉がなく「霊が乗り移った・キツネがついた」などとしか表現できなかったんです。
霊のせいにすることで、なんとかその症状を説明し、納得しようとしていたわけです。


また、「どんなに努力しても期待通りの成果が出ない」「どんなに努力しても不幸が続く」というような場合も、除霊で改善しようとすることがあります。
これも、「うまくいかない理由」がわかってしまえば根本的な解決ができますが、考えることをやめて霊のせいにしてしまうと、除霊に頼り、それ以上考えなくなってしまいます。
具体的に書くと、「どんなに努力しても男運が悪いK子さんの、男運が悪い理由は、先祖の霊が災いを起こしているわけではなく、K子さんの体臭や口臭にある」という類のことです。
・・・「除霊」をしても体臭や口臭は消えませんよね。


現在でも一部の人の間で「除霊」が盛んに行われているのは、それを仕事にして生活をしている人がいることと、身の回りの不都合を霊のせいにしようとする人がいるからです。
「霊のせいにする」というのは、原因を外側のせいにする・他人のせいにするということ、つまり「自分は悪くない」と言っているのと同じことです。
これは子どもの思考ですから、除霊に関わる人が長く愛されることは不可能です。


「除霊」とは、霊媒師が有料でやってくれる「痛いの痛いの飛んでいけー!」だということは前回書いたとおりです。
除霊を受ける側は、霊媒師にお金を払って「君は悪くないよ、霊が悪いんだよ」と慰めてもらうわけです。
霊の存在を信じる人にとっては、除霊の効果はある程度期待でき、一時的に気が楽になることはありえます。
しかし、お金を払って慰めてもらっているうちは、飲み屋に通うオジサンと同じように「受身・子どもの思考」ですから、そんなことでは「自分の幸せに責任を持つ・自分がオリジナルブランドになる」なんてムリですよね。


成長に伴い、子どもたちが「痛いの痛いの飛んでいけー!」を卒業するように、大人たちも、心の成長に伴い「除霊」を卒業する必要があります。
身の回りの不都合を「外側」のせいにしている限り、愛にはたどりつけないからです。


「除霊の効果」については、「悩みから解放されていない霊能者・霊媒師がいる」という事実から判断しましょう。
除霊によって人々の悩みがなくなり、世の中の平和が実現するなら、とっくに平和な世界ができているはずです。
しかし、霊媒師がいくらがんばっても、世界の平和は実現できません。
身の回りの不都合を霊のせいにする前に、人類にできることはあるはずです。


除霊の仕組みは、身の周りの不都合を霊のせいにしたい人(子ども役)と、霊のせいにしてくれる人(親役)のコラボによって生み出される「大人版、痛いの痛いの飛んでいけー!」、ということで説明ができます。


以上、「除霊の仕組み」でした。
みなさんが長く愛されるためのヒントになれば嬉しいです。

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