親にできること ―赤ちゃんの感染症対策―

(読了目安7分)


ここ50年ほどで、人類全体の平均寿命が飛躍的に延びましたが、その要因のひとつに、子どもの死亡率が下がったことが挙げられます。
そして、子どもの死亡率が下がった要因のひとつが、「感染症の予防」です。
予防医学が発展し、一般生活での衛生面の向上・ワクチンの接種などにより、以前より病気になる子どもが少なくなりました。
その結果死亡率が下がり、平均寿命が延びました。


平均寿命が延びることは「愛」です。
平均寿命が「40歳の世界」と「80歳の世界」なら、みんな後者の世界で子育てをすることを選ぶはずだからです。


以前、noteを読んでくれている知人、A子さんからメールがあったんです。


生後半年の子どもが感染症になり、授乳もできなくなるような状態でした。
今は徐々に回復していますが、今後のためにヒントを書いてください。


ということで、今回は、「日常レベルの感染症予防」について書こうと思います。
・・・ただ、メールをくれたA子さんは、普段から研究熱心な女性で、A子さんが管理して防げなかった感染症なら、マスターにも防げないと思います。
A子さんにとってマスターの記事が参考になるかわかりませんが、20代前半の若い新人お母さんには、少しは参考になると思います。


感染症の予防は、予防接種などで免疫力をつけることも大切ですが、普段の生活でできることは、なんと言っても「病原菌を避けること」が重要で、マスターもこの点に気をつけています。
そのおかげか、マスターの子どもたちは感染症による入院は経験したことはありません。
細かい感染症はいろいろありましたが、下痢が止まらない程度の経験は、これまで2人合わせて2回です。
行政の予防接種は全て受けています。


では本題です。
基本的なことは多くのサイトで詳しく紹介されているのでここでは書かず、マスターの子育て経験から、大切だと感じていることを書きます。
全て「マスターの場合は」という前提で読んでみてください。


☆おもちゃと指の消毒
指とおもちゃはベタベタになるので、消毒が大切です。
消毒には、100枚200円程度で市販されている「アルコール除菌シート」を使いました。
ハイハイをする前までは、子どもは自分で動けないですからまだいいんですが、動けるようになると病気が増えてきます。
特に「床」にはあらゆる病原菌が付着しています。
たとえば大人が裸足でトイレに入り、そのままの足で床を踏み、その床を子どもが素手でハイハイして指しゃぶりをしたら、トイレの床を舐めているのと変わりませんよね。
人間の足の指の間は、高温多湿で菌が繁殖しやすい環境ですから、足のニオイの原因菌や、水虫菌なども、赤ちゃんが舐めてしまう可能性があるわけです。
赤ちゃんは気がつけばいろいろなものを触っているので、頻繁な指拭きが大切です。



☆乳首の除菌
「清浄綿」で拭くことが良しとされていますが、乳首から殺菌成分が分泌されているので拭く必要はないという意見もあり、これは親の判断でかまわないですが、大切なのはセックスの後、夫の唾液がついたままの乳首を赤ちゃんに吸わせることがないように気を使うことです。
大人の口内は雑菌も多く、感染症の確率が上がりますし、夫に虫歯がある場合、虫歯の原因菌と言われるミュータンス菌に感染させてしまいます。
授乳中の赤ちゃんを守るためには、セックス後の「乳首の除菌」が大切です。
※ただし、除菌のし過ぎで乳首を傷めないように気を付けることも大切です


☆哺乳瓶の除菌
哺乳瓶は、病原菌にとっては栄養の宝庫ですから、清潔にしておく必要があります。
昔は煮沸消毒が主流でしたが、現在は次亜塩素酸ナトリウムでの除菌がより有効だと思います。
「キッチンハイター・キッチンブリーチ」などの名前で、安いものなら1本60円前後で売っています。
(マスターは、状況によっては原液を使って除菌することもありましたが、ボトルに書いてある指示に従って使ってください)
盲点は、哺乳瓶についている乳首の「穴」です。
乳首の穴は、ミルクが通るための穴と、空気が通るための穴があり、空気が通るための穴の洗浄を怠ると、そこに細菌が繁殖してしまいます。
消毒液をつけてよく揉み洗いしておかないと、条件によっては、繁殖した菌の塊を赤ちゃんが飲み込んでしまうかもしれません。


☆吐しゃ物と排泄物の処理

赤ちゃんが吐いたものや排泄したものの処理は、念入りにすることが大切です。
どちらも病原菌が含まれていて、乾いた後は微粒子になって空中を舞い、それが次の感染に繋がるからです。
対策としては、200倍程度に希釈した次亜塩素酸ナトリウムを、対象の場所にスプレーして掃除をするのが有効です。
乾かないうちにしっかりと除菌をしてしまえば、空中に舞うことも抑制できます。
布などの「色落ち」が心配なときは、エタノール(アルコール系)で除菌をするのがいいかもしれませんが、効果は弱くなります。
処理に使ったティッシュや布類は、そのまま捨てるのが一番です。
もちろん手はしっかり洗ってください。



☆指が触れる部分の除菌
ドアノブやスイッチ類、リモコンなど、ほぼ毎日指が触れる部分は、あらゆる雑菌が付着しています。
200倍希釈程度の次亜塩素酸ナトリウムをスプレーボトルに入れ、それを布にスプレーし、よく拭き取ります。


☆掃除のときの換気
掃除をするときは換気が必要です。
高性能な掃除機ならまだしも、一般的な掃除機を使うと、ウイルスを吸い取っても、掃除機のフィルターを通過し、その排気から再び空中に舞ってしまいます。
つまり、掃除機ではウイルスを巻き上げるだけになってしまうわけです。
これでは逆効果ですから、掃除機を使うときはできる限り窓を開け、換気をします。


☆空気清浄機
「空気清浄機」も、ないよりはマシだと思います。
有名メーカーの最新モデルの新品なら、信用は高いと思います。


☆手洗い
マスターの自宅では、子どもたちが歩けるようになったときから、洗面台に立たせ、200倍前後に希釈した次亜塩素酸ナトリウムで手を洗っています。
次亜塩素酸ナトリウムは、エタノールや石鹸よりも除菌の効果が高いと言われています。
ただ、あまりにも濃度が濃いと、手荒れの原因になるので気をつけてください。
そして手を拭くときも、タオルの、なるべく乾いた部分を使うように指示をしています。
濡れた部分は、手の油と水分で病原菌が繁殖しているからです。


☆やるときはやる
掃除をこまめにやるのもいいですが、ホコリが舞うだけの掃除になってしまうと逆効果です。
毎日ではなく、たとえば誰かに赤ちゃんを預かってもらえるときなど、その環境になったら、「やるときはやる!」という気持ちで、本格的な掃除をするのもいいかもしれません。
そうすることで、ホコリが舞っても、赤ちゃんは無事です。


☆除菌ゲル
空気中のウイルスを除菌できるゲルが売っているようなので、それもアリです。
効果のほどはよくわかりませんが、マスターの家でも、窓を締め切ることが多く、インフルエンザが流行する冬の季節に使うことがあります。



☆親の心身のコンディション
親の健康を保つことが赤ちゃんの健康を保つことに繋がります。
特に「心」のコンディションが大切です。
心が安定していると、状況判断がより本質的なものになるからです。
親の判断力が落ちなければ、子どもの命を守れる確率が上がります。
最悪なのは、ストレスで子どもを殺してしまう親です。
これは、親の心に問題があり、子どもが犠牲になる典型例です。
マスターは、自分のためにはもちろんですが、子どものためにも、常にストレスなく楽しく生きるように努力しています。
極論すれば、赤ちゃんの健康状態は、親が人生を楽しんでいるかどうかにかかっています。



◎まとめ
子どもは、生後半年にもなると、様々なものに興味を示して口に入れようとします。
平均寿命が短かった時代は、除菌されていないものを手当たり次第口にしてしまい、感染症が蔓延していたはずです。
「ある程度感染した方が免疫力がついていい」という考え方もありますが、本気でそれをやってしまうと、子どもがバタバタ倒れ、命を落とすことになりますから、感染症はできるだけ避けてください。

また、子どもが少し大きくなると、「健康のため」「病気は食べ物がいけないから」などと、健康食品の勉強を始める親がいますが、親が「オーガニック教」にはまると、子どもは学校とのギャップを感じて精神的におかしくなってしまうこともあるので気をつけてください。



子育ては、親の「知恵・愛」が試されます。

「自分が赤ちゃんだったら、どんな親に育てられたいか」

こう考え、そんな親になってくださいね。


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