好かれるより好きになる 他短編

(読了目安7分)

「幸せになるには、好かれることより好きになることが大切です」という話です。

多くの人から好かれる芸能人でも、一方で過激なファンによるストーカーや離婚問題、事務所とのトラブルなど、必ずしも幸せとは限りません。
みなさんも、「好かれるより好きになる」という言葉の意味がわかるはずです。


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その「スイーツ」がおいしいかどうかは、作る側ではなく、食べる側が決めることですよね。
たとえば「同じイチゴケーキ」でも、おしゃれな店で、憧れのパティシエが、おしゃれな皿に乗せてあなたに出す場合と、河川敷の橋の下の段ボールハウスに住むオジサンが、カップ麺の空き容器に入れて出す場合では、あなたが感じる味は違うはずです。


「イチゴケーキ」は全く同じものです。
しかし、そのケーキに対する思いが味を左右しているわけです。


「思い」は、食べる側の問題です。
作る側がどんな思いで作ったか、実際のところはわからないですから、唯一信じることができるのが、自分の思いなんです。


「そのスイーツがおいしいかどうかは食べる側が決める」

これと同じように、あなたが幸せかどうかは、周囲の人や環境などが決めるのではなく、あなた自身が決めています。
「同じ人生」でも、その人生に対する思い次第で、あなたは幸せにもなり不幸にもなるわけです。


さて、人から好かれているとき、それを信じることができれば幸せになれますが、多くの人は、相手の好意を信じようとしながら、一方で疑っています。
そして自分に自信がないため、相手の言葉を信じきることができません。


「相手の好意を疑う」というのは、たとえば以下のようなことです。


みなさんは、酒を飲み、ギャンブルをやり、太っている男性から「君が心から好きだ」と言われて信じることができるでしょうか。
相手の言葉を信用できれば幸せになれますが、相手の言葉と行動が一致していないと、相手を疑うことになります。
人を疑って、幸せになれるはずはありません。


次に、たとえば自分に自信がない女性は、相手の言葉を「本当にそう思ってるの?身体かお金が目当てでしょ?」などと考えてしまうんです。
「確かにこの男性は誠実に見える、でも、こんな私を好きになるはずはない」と思ってしまい、相手からの「好きです」という「言葉」だけでは、それを信じることができないため、幸せになれないんです。


そもそも他人の言葉は、それが本当かどうかなどわかりませんから、信じていいのは、あなた本人の気持ちだけです。
他人があなたを好きかどうかではなく、あなたがその人を好きかどうかが大切なんです。


そのスイーツがおいしいかどうかを「食べる側」が決めるように、その男性があなたのことを好きかどうかは、あなたが決めるわけです。
その男性が本当にあなたのことを好きか判断するには、相手の誠実さを見抜く力と、誠実な男性だった場合、その男性の言葉を信じるに値する自分でいられるかがポイントになります。
結局、愛とはなにか見極める力を身に付け、自分に愛をそそいでいれば、幸せになれるわけです。


ここまでで、

「幸せは、人から好かれることではなく、人を好きになること」

ということは理解できたと思います。


ただし、「好きになる」というのは、「本当の意味での好き」でなければ幸せになれません。
本当に好きにならない限り、幸せになれないんです。


たとえば、「依存するだけの好き」では幸せになれません。
「お酒が好き・パチンコが好き」では幸せになれませんよね。
また、芸能人を好きになる人のような心境も、「依存するだけの好き」です。


ジャニーズなどにお金をつぎ込むだけの「好き」や、好きな人の前で胸を張れる生活をしていないなら、その好きは、依存するだけの好きです。
お酒を飲みながら、「あの人が好きなの、どうしたら気持ちが伝わるの」と愚痴を言っているようでは、本当の好きとは言えませんよね。
また、歌手がコンサート会場で、ファンに対して「みんな愛してるよー!」と叫べば、その場ではファンも喜びますが、もしその歌手がプライベートで不倫をし、ファンがだらしない生活を送っているなら、歌手とファンの関係は相互依存です。


ファンを愛している歌手は、ファンが悲しむことはしないはずですが、おそらくほとんどすべての歌手が、ファンが悲しむことをします。
歌手の「愛してるよー!」は、お金を稼ぐための「言葉」であって、「行動」が伴っていないんです。
また、ファンはストレス発散のためにその言葉を思い出し喜んでいるだけです。
ですからもちろん歌手もファンもお互いに愛していません。
歌手は何万人から好かれていても、決して幸せにはなれないんです。
逆を言えば、人は「本当の意味」で人を好きになれば、好きな人がたった1人でも、幸せになることができます。


「本当の意味で人を好きになる」というのは、その人から「好き」と言われたときに、その言葉を信じることができる自分でいるための努力を続けている状態です。
ですから「本当の意味で人から好かれる努力」とは、「自分を鍛え続ける努力」と同じだと言えます。


1人から本当の意味で好かれることは、何万人から表面的に好かれることよりも、ある意味大変です。
しかし人は、人を好きになることでしか幸せになれませんから、その努力の必要性や価値は、何物にも勝ります。

人は、自分が人を好きになる気持ちしか信じることができません。
人からどの程度好かれているかなど、理解できないんです。
ですから、あなたがするべきことは、本当の意味で人を好きになることです。
そのための努力なら、人生をかける価値があります。


本題の余談ですが、「私がこれだけ愛したんだからあんたも愛してよ!」「これだけ好きなのになんでわかってくれないの!」、こんなセリフは一番いけないセリフです。
相手に見返りを求めている時点で愛ではないことと、たとえ相手が愛を返そうとして努力しても、「もっと愛してよ、まだ足りないわ」と、要求し、欲が満たされることはないからです。
愛はただ与えるだけ、人はただ好きになるだけです。


◎好かれるより好きになる


超モテモテの女性芸能人は、多くの男性ファンからそれぞれの形で愛されています。
「お金」をあげることを愛だと思っているファンは、関連グッズの購入にお金をたくさん使ってくれるでしょうし、「物」に価値を見出すファンはたくさんのプレゼントをくれるかもしれません。
しかし超モテモテの女性芸能人は、いくらお金や物、励ましの言葉をもらっても幸せにはなれません。
それらは、その場限りの受身の快楽だからです。
「幸せな人生・幸せな結婚生活」と考えた場合、彼女が幸せになる方法は、数万人の男性ファンの中から「一番プレゼントをくれる人」を選ぶことではなく、自分が決めた、たった一人の男性との生活を楽しむことだけなんです。


超モテモテの女性芸能人は、「男を選び放題で羨ましい!」と思われるかもしれません。
しかし、そんな超モテモテの女性芸能人だって、幸せな結婚生活をするには、自分の力で愛をそそぐしかないんです。
彼女の幸せは、1万人から好かれるより、
1人を本気で好きになるかどうかにかかっています。



◎会話


日常生活で会話が苦手な人が、レストランに行き、「接客のプロ」と会話してうまくできても、それは自分の実力ではなく、相手の会話術に依存した結果です。
プロを相手にするのではなく、日常生活の中でうまく会話を楽しんでください。



◎恋の行方


あなたの恋の行方は、あなたにその恋を続ける力があれば続きます。
続ける力がないなら別れることになりますが、これは避けて通ることはできません。
なぜそうなったのか考え、次の恋愛に活かしてください。
それがあなたにできることです。



◎祈るより行動


恋愛や結婚も、「イイ人と出会えますように・結婚できますように」と祈るのではなく、そうなるように行動することが大切です。
本当に行動している人というのは、祈るヒマもないほど一生懸命です。
恋愛や結婚は、祈るだけで状況が変わるものではありません。
まだやれることはないか、考えてみてください。

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