信じる力 2

(読了目安7分)

前回の投稿では、以下のように書きました。

「信念が揺らぐのは、子どもの思考レベルで判断したものを信じるからです」

今回は、大人の思考で判断することの大切さ、などについて書いてみます。
なにかのヒントになれば嬉しいです。


◎本質的な信念を持つこと 「思考のシフト」の大切さ



「男だから高く飛べるんだぁ!」・・・


これは5歳のころの息子が信じていたことです。
以下、息子の言葉について、考えてみます。


この信念は、5歳だからそれでいいんですが、この信念のままでは「女は高く飛べない」という偏見になります。


そして、自分より高く飛べる女性に出会ったら、

「おまえは本当は男なんだろう」

「自分は女なのか・・・」

「女より高く飛べないオレはもう終わりだ」

という考え方になるかもしれません。

今後息子は社会経験を積むにしたがい、いつかきっと、「性別」ではなく「能力」に応じて高く飛べることに気付くはずです。
そのとき、「男だから高く飛べる」という信念を捨て、「能力に応じて高く飛べる」という信念に変わるわけです。


これが「思考のシフト」のひとつで、大人の思考に近づくということです。


みなさんは、「男だから高く飛べる」と信じている男性と「能力(筋力)に応じて高く飛べる」と信じている男性がいたら、後者が「大人の思考」だと判断できますよね。
「男だから高く飛べるんだぁ!」なんて言う成人男性がいたら、だれでもちょっと引きます。


息子の話は単純な例ですが、成人でも程度の差こそあれ「子どもの思考のまま引き継いでいる信念」というものがあります。
あなたが、いまだに子どもの思考による信念を捨てられず、本質的な思考へのシフトができていないままだと、長く愛する力を持った「大人の思考」の男性から相手にされません。


なにかをきっかけに、それまでの信念をきっぱり捨てられるかどうか、そして捨てたとき、次の信念にすんなり移行できるかによって、人としての成長スピードが変わり、早く本質に到達した人ほど、大人の思考のパートナーと長く楽しい人生を送ることができます。


繰り返しますが、息子の信念(信じる力)は、「男だから高く飛べる」でした。
実際に、そう信じることで、信じていないときよりは高く飛べるかもしれません。
しかしその信念は、みなさん、そして他の大人から見ると、本質ではありません。
強い信念が本質だとは限らないということです。


息子は今後成長するにつれて、

「成人するまでは年齢に応じて高く飛べる傾向がある」

「年齢が低くても訓練すれば高く飛べるようになる」

「性別や年齢に関係なく能力の問題であることが多い」

「プロの領域では男性の方が平均値は高い」

「個体差や遺伝的なものも考慮する必要がある」

「歳をとると運動能力が落ちる」

など、どんどん思考をシフトしながら本質に近づいていきます。


息子の脳は、多くの情報や経験によって鍛えられます。
そして、大人の思考に近づくほど、答えは本質に近づき、その信念は揺るぎにくいものになっていきます。


以下に続きます。


◎信じていいこと


みなさんは「私はなにもかも極めることができる、いつも私が正しい」なんて思っていないですよね。
どんな分野においてでも、人間の知恵には限界があり、いつになっても「真実」はつかめませんから、マスターの息子が成人しても、息子より知恵のある人から見れば息子はまだまだ子どもの思考かもしれません。


マスターのnoteも、今の時点ではマスターの中の最新情報ですし、息子が書くよりは本質に近い内容だと思っています。
しかし未来の人類にとっては、5歳の子供でもわかりきっている内容になっている可能性も充分にあるんです。
たとえば、足し算や引き算が人類最高の知恵だった時代がありましたが、現在は、幼稚園児でもできる子がいます。
また、「火」を手に入れたころの人類は、自由にコントロールができず、「夜、明かりをともすのは命がけ」「神の意思に反する」などと信じていたかもしれませんが、現代は3歳の子供でもスイッチひとつで明かりをコントロールしています。


「信念」というものはどんどん覆されて、そのたびに人は思考をシフトしていかなくてはいけませんが、そんな中、唯一いつの時代でも信じていいことがあります。


それは、「人間の不完全さ」です。


人間の不完全さ・・・

これだけは信じていいことだとマスターは思っています。


「大人になるとは、より本質的なものを信じること」と言えますから、人間の不完全さを信じることができる人ほど、大人と言えます。
そして大人同士の人間関係なら、平和に続けることが可能です。



◎自分を疑う


「人間の不完全さを信じる」というのは、もちろん「自分を疑う」ということです。
「自分を信じる」というのはよく聞きますが、その逆です。


なんかイヤな表現ですが・・・でも、これが本当にできるようになると、ストレスがなくなるだけでなく、大人の思考の第一歩を踏み出すことになるんです。
自分の不完全さ、言い換えると、自分の無知を知ることで、大人へのスタートラインに立つことができます。


自分の無知を自覚していれば、思考のシフトもすんなりできます。
「自分の不完全さを信じる力」は応用範囲がとても広い考え方なので、これさえしっかり自覚できれば、ストレスが溜まりません。



◎「信じる力」の良し悪し


人間は、信じるもの(よりどころ)がないと心が不安定になりますから、迷っている人や不安に襲われている人たちに対して、あえてなにかを信じさせてあげることは「愛」です。


「モーセの海割りの意味」で書いたように、その状況でできる最大限の愛として、「信じさせてあげること(安心させてあげること)」は愛です。
愛を感じられるウソなら、「実際はウソだった」という本質がわかったあとも、当人は病気になることはありません。
モーセに率いられた民たちは、モーセの海割りの本質を、感謝の気持ちで受け入れることができるからです。


また、親が子供にやってあげる「痛いの痛いの飛んでいけー!」など、人を助けるためにその場で「絶対者」の役割を演じる人は、愛を発信していると言えます。


ですから、この類の「信じる力」は、そのときも、そしてそのあとも、当事者たちを救う力です。


これが、信じる力の「プラス面」です。


しかし、いつの世も、そんな善意のカリスマたちだけではないんですよね・・・
自分の欲を満たすために「神」を演じている人も多くいるんです。


「欲を満たすための神」というのは、「先祖供養で○○は解決します」「〇〇は身体に良い」などと言いながら、若くて純粋な人たちにそれを信じさせてお金を稼いでいる人や団体のことです。


たとえば、これまでに逮捕された新興宗教の教祖たちをはじめとして、健康食品業界、健康機器業界、医学界、スピリチュアル系、美容業界、資格業界なども、愛情ベースのものではなく、商品を売る側の「欲」がベースの商売になっていることもよくあります。
「信じる力」によってこれらに助けられた人たちもいることは事実ですが、業界の欲につき合わされて不信感を抱く人も多くいます。
そんなとき、「信じる力」のはかなさを知り、精神不安定やその他の病気になることもあります。


これが、信じる力の「マイナス面」です。


※ダイエット業界や健康関連業界の本質についてはすでに書いていますので、よかったら、ダイエットマガジンを読んでみてください。
栄養学のはかなさや、ダイエット業界の本質が見えてくると思います。


◎まとめ


「信じる力」は人を幸せにしますが、「子どもの思考」で判断した信念は、いつか揺らぎます。
信じる力の「マイナス面」によって愛から遠ざかることがないように、「人間の不完全性」を第一に信じてください。
それは決して「人間はダメな存在だ」と信じるということではありません。
「人間は不完全だから、成長し続けることができる」という前向きな意味です。

・・・

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