人類は6畳一間で寝る赤ん坊

(読了目安4分)


自分の小ささがわかるほど、人に優しくなることができストレスもなくなっていく、という話です。


あなたは成熟した人間ですか?


こう質問されると、多くの人が、「私はそんなこと思ってないわ、私はまだまだ未熟よ」と答えるかもしれません。


しかし、もし本当にそう思っているなら、ストレスはないはずなんです。
「全部自分が未熟なせいだから」とわかっているわけですからね。


自分のせいだと本当にわかっていたら、他人を責めませんから、ストレスにはなりません。
ストレスになるなら、「自分が小さい」と信じたくないからかもしれません。


マスターも昔よりマシになったとは言え、いまだに、「思い」と「実際」を一致させることに苦労します。
結局、頭ではそう思っていても、実際は自分の未熟さや小ささを認めたくなくて、中途半端なプライドにすがりついているんだと思います。


自分の無知や小ささを本当に自覚すると、他人に対するストレスがなくなり、生きることがとても楽になります。
自分の無知や小ささを知ることで、なにかうまくいかなくても、その原因を自分に求めることができるからです。
もっと大きな視点から見れば、人類そのものの未熟さを理解することで、人間に対するストレスがなくなり、生きることが一層楽しくなっていきます。


「他人が悪い」と思ってしまうと、他人を変えなければいけなくなりますよね。
「あの人がああしてくれれば・あの人に常識があれば」、こんなふうに本気で思っても、相手を変えることはとても難しいですから、ストレスになるわけです。


みなさんも、自分の未熟さや小ささを客観視できれば、ストレスがなくなり、その結果、愛を発信できるようになります。


「いや~、私もそうだけど、人間というのはホントに小さい存在なんだなあ。そんな未熟な人間同士なんだもん、いろいろあって当然ね、文句なんて言わず、もっと愛をそそいでいこう!」


こんな感じです。


マスターの長男は、生まれてから数ヶ月間は6畳一間の中で育ちました。
親がいなければ動けませんから、食事・遊び・排泄・睡眠、全部6畳一間の中です。
マスターの自宅は小さな「町」に属しています。
その町は、さらに広い「郡」に属し、郡はさらに広い「県」に属し、県はさらに広い「国」に属していますが、生まれたばかりの赤ん坊は、そんなことは知らず、自分から半径数メートルの世界で見えるものが全てです。
やがて寝返りをうてるようになると、ある程度自分の意思で動けるようになり、さらにハイハイできるようになると、置いてあるおもちゃに気付いたり、隣にも部屋があるんじゃないかと気付いたりして、窓の外の世界を見るようになります。


ハイハイが自由にできるようになると、勇気を出して外に出ようとしますが、1人で出て、無事に帰宅するだけの実力はまだなく、外と中を自由に出入りするには数年かかります。


赤ん坊は、外に出るほど、「世界は広い」ということがわかってきます。
幼稚園の遠足では、「町」を出るぐらいのことはあるかもしれません。
中学生になれば、自分の力で都道府県の外を体験できるはずです。
さらに成長すれば、日本から出て海外を知り、世界の大きさを実感します。


人は成長するほど世界の大きさがわかってくる・・・これを言い換えれば、人は成長するほど自分の小ささがわかってくるんです。


「成長すると自分の小ささがわかる」


これが本質です。


さて、私たち人類は、生まれてから約200万年間、地球という部屋の中で育っています。
地球は太陽系に属し、太陽系は銀河系に属し、銀河系は、人類が把握できないほど広大な空間に属していますが、人類のほとんどは、まだ地球の外に出たことがありません。
少し知恵を身につけ、外に大きな世界があることを知ったまではいいんですが、そこから出るだけの実力がないんです。
一番近い月にさえ、まだ数人しか行ったことがないんですから、人類は200万年かけて、ようやく自分の部屋から一歩だけ、しかも命がけで外に出たところだと言えます。


6畳一間に寝ている赤ん坊で言えば、やっとハイハイで部屋の外に出た状態です。


そんな人類の現状はどうでしょうか。

みなさんの周囲も含め、大小さまざまな争いを止められない人類・・・

場合によっては命を巻き込む戦争や犯罪をおかす人類・・・

隣人同士、隣国同士、仲良くする方法を見出せない人類・・・

目に見えない神を作り、考えることを放棄し、宗教間戦争を卒業できない人類・・・


これって幼稚園児同士のケンカよりタチが悪いかもしれません。
人類がいかに小さな存在か、よくわかると思います。


ということで、大きな目で見れば、人類は6畳一間に寝ている赤ん坊のようなものです。
そう考えると、ストレスも少しは和らぎませんか?
ストレスを抱えてしまったときは、この話を思い出してみてください。

・・・

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