新しい春、また嫌いな君を好きになる

私は、偶然にも幸せを手にした人が嫌いだ。ほんとに嫌い。いつか刺してしまうんじゃないかとも思ってる。けど僕はまた人を好きになる。忘れかけていた記憶が脳の奥底に電気信号を送る。また愚かな行為を徒然に。

私は笑顔に弱い。その笑顔は昔であったトラウマでさえ吹き飛ばしてくれるのではないかと淡い期待を胸に抱かせる。そしてその純粋無垢な表情の裏に君の人生が描かれる。あぁそうか、君も偶然にもいい人に出会い、付き合った。キスをし、セックスをし、「哀」さえもも感じずに愛を誓ってしまったんだろうな。

嫌いな人を好きになる。ありえないとだれもがいうのだろうな。しかし私はこの言葉にできない感情を分かち合える人と友達になりたい。最近ようやくちゃんと本を読むようになった。言葉を知りたかったから。僕が尊敬してやまないヨルシカのn‐bunaさんが曲のモチーフにしている本を読む。ほとんどが悲しい結末だ。でもそれがいい。繊細過ぎる悲しさを理解できる人こそ、本当に優しい人だと僕は思う。僕はもっと言葉を知りたい。ニーマーせんせぇ、ぼくはあたまがよくなりたい。

話を戻そう。僕が今日日好きになった方はその感情を理解できないらしい。なんて残酷なんだろうか。彼女はずっと孤独でもいいなんて悲しいことをいわないでなんてくだらなくて、嘆かわしいことを私に言った。人はどこにいても孤独と戦っている。誰かと付き合えばこの空虚な景色を変えられるのか?言葉にできない虚しさをたった一人の人間が打開できるのなら今更僕はとんだおちゃらけ野郎になれたはずだ。こんなへたくそな文章を世界にとどめようとも思わなかったと思う。はじめて心を売り出したいと思ったんだ。この寂しさが見ず知らずのあなたに届いてほしいと思ったんだ。

だから僕はいつまでも君を嫌っているだろう。その笑顔やまっすぐな瞳はだれよりも美しくて、世界で僕にしかわからない可憐なあなたを誰よりも嫌いになれるはずだ。だからあえていってしまう。君が好きだ。いつか僕は君の心を僕自身の欲望で奪いにいきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?