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"Kokoro"の志 Vol.8 誕生日論争

おはようございます。


NZでは無事ロックダウンも緩和され、先週火曜日5月19日に晴れて27歳を迎えた私ですが、いささか世の中の「誕生日のあり方」というものが、肌に合わずにいます。
今日は、そんな「誕生日」についてお話したいと思います。

そもそも幼少期の私は、そのまま行けば現在の職業がプロゲーマーであったであろうほど、ゲームを欲していた少年でした。ですが、両親の教育方針によりゲーム機を買い与えられたことは一度もありませんでした。

したがって、私の誕生日プレゼントは常に“欲しいおもちゃのドラフト2位以下”のものをありがたく頂戴してきました。

始めのうちは「もしかしたら」と淡い期待を抱くものの、小学生も高学年になれば、さすがに諦めムードとなります。そうすると次第にプレゼント選び自体が粗雑なものになってくるです。

その良い例が小学5年生の時、どうせゲームでないのなら、と育ち盛りの私は駄菓子屋の「スルメイカ」が100円分では飽き足らず、「大きいのが欲しい!」と要求したことがあります。
すると悪乗りした両親はどこで仕入れてきたのか、サーフボードくらいある「のしいか」をプレゼントしてくれました。当時の私の3倍近い大きさの「のしいか」。これがすべて自分の体内に入るのか、というあの時の恐怖は未だに忘れられません。

さらに高校からは寮生活を送っていた為、両親からのプレゼントは仕送りへ形が変わりました。
さらに当時は、厳しい規律で有名な高校ラグビー部に所属していたため、学生同士でプレゼントを贈りあう文化などもちろんありません。(唯一の誕生日文化と言えば、一番かわいがっている後輩にみんなの前でビンタされるという伝統がありました。)

そしてついに、大学生になり初めて社会の「誕生日文化」に接する事となります。今まで希望通りのものをもらったことが無い私が、いきなりプレゼントを「贈りあう」という一足飛びの高度な文化に巻き込まれてしまうことになったのです。

この「誕生日文化」に触れたわたしが感じたことをまとめると、以下3点となります。

1点目、プレゼントをもらった相手の誕生日にプレゼントを渡していなかった場合、祝われた喜びの5倍の罪悪感に駆られてしまう。

これは、解説の必要もありませんね。みなさんも気をつけて下さい。

続いて2点目、思いもよらないプレゼントの場合には、その裏の意味を考えてしまう。

これは、私の性格もあるのかもしれませんがついつい色々と考えてしまうのです。

大学生の時、同期の岡田(現クボタスピアーズ)から部屋ににおいをつける「ミスト」のようなものをプレゼントされたことがありました。

「これは、、、どういうことだ。オシャレからほど遠い一平がにおいを気にするはずがない。なるほど、一平はいつも俺の部屋を臭いと思っているのか・・・」

私はすぐに部屋っ子に大掃除をさせ、隣の部屋と自分の部屋のにおいを何度も比べにいったことを覚えています。

今思うと、単純に岡田くんのプレゼントを素直に喜べていなかっただけなのだと思います。

みなさん、素直に喜んでもらえるものをプレゼントしましょう。


そして3点目
安いサプライズ演出をするな。

そもそも自分の誕生日の周辺で飲みに誘われれば、
大半の人は勘づきます。

紙袋をイスの後ろに隠したり、店員に目配せするのも気が付いています。

そして店内が暗くなり、お決まりの歌が流れ、周りの客を無理やり巻き込み、吹いても消えないろうそくと異様にでかい平皿の登場。

一応「え、だれ?」とさもわかってないようなふりをしてみたりもします。

世の中には「えー、うそー!!」と泣き崩れる方々が、いらっしゃいます。サプライズに気づいていて泣くことはできませんし、本当に気付いてなくても泣くことはできないので、その方々の心の美しさを私は心から尊敬しています。


まとめると、
やっぱり誕生日はむつかしい。

温かいコメントを大変うれしく思うものの、いざパーティー!!などとなると、少しそっとしておいてほしい気持ちも強くなります。

今年の誕生日は出来るだけそっと終えよう。

そう思っていた私でしたが、
普段は超ド級の鈍感男パトが謎の力を発揮します。

トレーニングの帰り道に、
「おいココロ、今日は誕生日じゃないか」

うそをつくわけにもいかず、
「そうだよ。でも僕にとって誕生日はそこまで重要なことじゃないんだ、そして自分が27歳といわれるとプレーヤーとしては少し悲しくなるんだ。」と説明します。

しかし、イベント事を見つけた彼には私の言葉など届きません。

「飲みに行くぞ!」


誕生日とはいえ、ノリ気ではない私と興奮気味のパトの問答は数分続きましたが

あいにくコロナの影響でバーは未だ閉店中(現在はもう営業再開しています。)、しぶしぶ帰路につくことに。

ただ彼はどうしてもと、彼の腕ほどの大きさのケバブをごちそうしてくれました。
帰宅後、パトがロスコに私の誕生日を伝え、
ロスコは私に「何が欲しいか」と聞いてきました。

そんなもの、、、、、、、決まっています。私は、すかさず答えます。


「早くドアをつけてくれ。」


翌朝、私のぼろぼろの作業用手袋を見たロスコが、新品の手袋を2つもプレゼントしてくれました。

という事で今年のプレゼントは、

・腕ほどのケバブ×1
・作業用手袋×2
・自室のドア×1

の3点でした。

いくつになっても、ドラフト1位のプレゼントはなかなか頂けないものです。

27歳も清く正しく生きていこうと思います。


それではまたひとつ


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