"Kokoro"の志 Vol.2眺め良し、扉無し。
おはようございます。
本日も扉の無い私の部屋に、チリ人の流す『Revolution』- The Beatlesの曲が鳴り響き私の一日は始まりました。
本日はNZの住居についてお話させていただきます。
まずNZに挑戦している私含めた多くの日本人の選択する住居は、以下の2種類です。
・ホームステイ
皆さんご存じホームステイ。現地に住んでいる人間の一室を貸してもらい生活する。
・フラットハウス
シェアハウスの事。NZでは一般的。ここオタゴでもほとんどの学生が利用している。
ちなみに私はホームステイ→フラットハウスという流れで経験しました。
ホームステイ先は所属クラブの総務の老夫婦宅。掃除洗濯はしてもらえて、夕食付、練習の送迎付きの好待遇のステイで、現SRハイランダーズの選手やNZ7’s代表選手がルーミーになったこともある、素晴らしいホストファミリーでした。
しかしその由緒正しきファミリー達もコロナの前では無力でした。
NZ政府が国民に対しロックダウンを施行するやいなや、何やら老夫婦がソワソワし始めます。そしてその夜帰国するよう老夫婦に促されたのです。
しかし、私は拙い英語で説明します。「現在NZは入国禁止措置を取っており、今シーズンが再開した時に再入国できる保証もない為、帰国はしない」と。しかし努力もむなしく「この家に残ることは無理なの」と答えはNoでした。
「こりゃあ、参った。」
私は思い当たる限りのNZの住居を考えます。NZの北島でラグビーをしている大学時代の先輩の家、高校時代の先輩の家、チームメイトのフラットハウス、、、、
ロックダウン前という事もあり、どこも既に私と同じような境遇の人間が転がり込んでおり、受け入れてもらえず、強引にでも入居が厳しいとの事。
ダニーデンはこれから寒くなります。持ってきた防寒具はUNIQLOヒートテックとボアジャンパー、この4週間どう乗り切るか。NZ挑戦の第二章はホームレス編か、、、、そんなことがグルグルと脳内をよぎる中、一本の電話が鳴ります。
そうです。今リビングで大声で『Revolution』を歌っている彼。チームメイトのチリ人パト君。そのフラットのオーナーが私たちのチームの2軍コーチという事もあり、あっさり説得してくれたとの事。
彼はスペイン語訛りの英語で「俺のフラットは家ではないがお前を泊めてやれる。でもな、ココロ。いいか、期待はするなよ。」
と頼もしいのか頼もしくないのかよくわからない言葉をかけられましたが、私には選択肢がありません。宜しくお願いします!!!!と、よく話も聞かずに急いで移動しました。
とは言え、私は彼の言葉に臆することはありませんでした。なぜなら私には高校3年間の、島暮らしの過去があるからです。(『番外編:尾道での暮らし』もいつか投稿しますね。)
基本的にどんな家でも住むことが出来ますし、何より我々日本人はきれい好き。掃除が大好きです。あっという間に綺麗にしてやろうと考えていました。
恐れ入りました。これは掃除云々ではありません。何しろまだ家ではないのですから。
外装、内装はもちろんのこと配線も1カ所しか使えず、そこからタコ足にタコ足を重ねているので、よくブレーカーが落ちます。(唯一の救いはお湯がでる事です。)
こんなビックリハウスですが、一人部屋も与えて頂き(扉なし)、オーナー、チームメイト兼ルーミーの厚意、そしてフレンドリーさで毎日とても楽しく、特にIsolation期間で外出が出来ない今、家族のような存在になってきています。
加えてこの家の良いところは、一週間に8時間、家の修復作業を手伝う事で、フラット代金を賄うこができるのです。8時間以上の場合には時給が発生するとの事。(もちろん8時間以下の場合は翌週に繰り越されます。)
キャリーオーバーしたフラット代金をひたすら精算し続けるルーミー(彼の日曜日は芝刈りで終わります。)
Isolation期間前に家をなくした私でしたが、前向きに行動し続ける事で、家だけでなくバイト先まで見つけてしまいました。
ピンチはチャンス、がむしゃらに頑張れば意外といい方向に向くもんです。
『Don’t you know it’s gonna be all right.All right,all right.』
次回はフラットハウスの愉快な仲間たちを紹介できればと思います。
それでは、またひとつ。
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