"Kokoro"の志 Vol.5 ダニーデンの人間国宝シリーズ①
おはようございます。
NZは先週火曜日に新型コロナウイルス警戒システムのレベルが4→3に引き下げられました。出来る仕事に幅は出てきますが、引き続き最低限の外出とソーシャルディスタンスを保つようにとの事ですので、私の生活は全く変わらず、、、
もちろん理髪店も未だ営業再開しておらず、髪の毛も伸び放題です。
今日は、理髪店の早期営業再開を祈り、ロックダウン前のこんなエピソードをご紹介します。
渡航後3週間が経った頃、そろそろ刈り上げているサイド部分が中途半端に伸びて気になりだしたので、食材の買い出しついでに、町のBarberを何件か見て回っていました。(わざわざ中に入ってどんな店か聞くわけにもいかず、外装と店員の雰囲気、値段などを軽くチェックするぐらいのものですが。)
どの店も安っぽさはあるものの小綺麗な外装で、大体30-40NZドル(2000~2500円程度)。どの店も店員がだらけ切っており、もはやどこも同じに見えます。ただここで妥協しないのが私、盛田志という人間です。
大学時代から周囲よりも一歩先を行く髪形をしていたと自負する私に失敗は許されません。こうなると聞く相手は一人。早速ジムでの朝練を終えて、ルーミーのパト(当時はルーミーではありませんでしたが)に尋ねました。
彼曰く、「Hair Hunters」というところのアイルランド人が凄腕で、そのお店はなんとオンライン予約が出来るとの事。非常に有力な情報であると共に、ダニーデンに初めて文明を感じた瞬間でした。
早速予約フォームを開き、改めてびっくり。予約フォームには名前しかなく、誰がアイルランド人かわかりません。そして何より大の人気店で予約が全然取れません。
「なるほど、ダニーデンはすでにHair HuntersにHuntされた後だったか。」
これは安心して髪を切ってもらえそうです。もはやどいつがアイルランド人かわからない私は、中でも一番優しそうな名前「シャノン」という理髪師を選択し、たまたま朝一番の9:00~が空いていたのでそこで切ってもらうことに。
理髪店好きの私は2ヶ月ぶりのカットに、胸を躍らせます。
出迎えてくれたのは2mはあろう背丈に、尻まで掛かる大ドレッドの大白人。そして顔にまで所狭しとはいったカラフルな大タトゥー。
いや「シャノン」て。
大ドレッド大タトゥーの大シャノンと鏡越しに目が合います。
希望の髪形を参考画像も交えながら説明し、理解してもらったところで、大シャノンは黙々と作業に入ります。たださすがDunedinの住民をハントし終えている店だけのことはあり、出来栄えはしっかり要望通り。満足のいくクオリティでお会計も約2300円。
カードで支払いを済ませ、相変わらず無表情の大シャノンに私は目いっぱいの笑顔でお礼の言葉を述べます。
その時ふと彼の首元の漢字のタトゥーが目に入りました。
「愛嬌」
いや、愛嬌て!!!!!
彼は自分に足りないものを体に刻み込んでいくタイプのストイックな理髪師でした。
それではまたひとつ
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