もっと知りたい、生理のこと。第四回目「ピルについて」

そもそもピルは1960年代にアメリカで避妊薬として開発された薬でしたが、昨今では生理痛を緩和するとか、生理前の肌荒れを改善するとか、様々な目的から使用するケースが増えています。「咲江レディスクリニック」の丹羽咲江院長ご自身も、ピルによって“すごく体が楽になった”と言います。

●低用量ピルにアフターピル、いろんな種類があるんです

そもそもピル=副作用というイメージが根強く、飲むことに抵抗を感じている女性は多いようです。しかし丹羽先生いわく“ピルは様々な種類があり副作用を全く感じないものもあるので怖がる必要はない”と言います。
「ピルは女性ホルモンを配合した薬剤です。低用量ピルは主として避妊目的で使われることが多いですが、月経痛やPMSなどの治療目的で使われる場合もあります。そしてアフターピルはコンドームが破れるなどで避妊に失敗した場合に服用することで妊娠の成立を阻止します」

現在、50代の丹羽先生も、かつて30代から40代までピルを服用し“身も心も楽になった”経験を持つひとり (ピルは50歳からは服用できないので今は服用していないとか)。
「私のクリニックを開院したのが37歳頃で、その翌年くらいから仕事も忙しくなり子供も小学校高学年になったり離婚も重なったりと、ストレスが急増したんですね。それで30代にも関わらず不眠になったり急に汗をかいたり動悸したりと“プレ更年期(一般的に更年期を迎える40代後半よりも前に似た症状を体感すること)”になってしまったんです。“まさか”と思って女性ホルモンを補う形で低用量のピルを飲むようになったら、ものすごく楽になったんですね。それ以降、ピルを飲み続け快適な日々を過ごしました」

●最近の服用理由の多くは「生理痛の軽減、ついでに避妊」

丹羽先生は、もっと広くピルを推奨していきたいと言います。
「ピルは経口避妊薬としての知名度が高いですが、避妊を目的としたピルは「OC」、月経困難症をはじめとする病気の治療を目的としたピルは「LEP」として分類され、LEPは保険適用されるケースもあります。生理が始まっていれば小学生でも内服できますし、50歳までは何年でも飲み続けられます」

とにかく種類が豊富なので、自分に合ったものを試してみるのも良いそうです。
「うちのクリニックでも“まずは1ヶ月間、OCを試してみましょう”って飲み始め、1ヶ月後に話を聞くと「生理前のイライラがなくなった!」とか「生理痛が楽になって痛み止めが不要になった」といった感想を聞くことが多く、なかには「肌荒れも治りお化粧のノリが良くなった!」と笑顔になる方もいるほどです」

“女性が女性らしく、主体性を持って生活できる方法としてのピルを推奨していきたい”と丹羽先生。大袈裟でもなんでもなく“ピルと出会って生き地獄が軽くなった!”とか“性格的に前向きになれた!”という患者さんも多いようです。生理のことだけでなく、“女性の強い味方”ピルのことも、知ってみてくださいね。

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