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みんな悩んでるんだなぁ

舞台関係者含め、
誰にも言えていなかったけれど
正直わたしは今、この公演に対して真っ直ぐな気持ちで稽古に向かえていません。

この気持ちは一緒に演じているみんなも同じ気持ちなのか、そうじゃないのか、わからないけれど、わたしはずっとモヤモヤしています。

この状況で''観に来てください''と言い続けることは果たして正しいことなのか。

自分がこの公演の''舞台に立ちたい''と言い続けることは、''みんなに楽しいものを届けたい''という気持ちからだと思っていたけれど、

結局は全部わたしのエゴなのではないか。

お芝居が久しぶりにできることへ喜びを感じている自分、いつも応援してくださる人に会ってエネルギーをもらいたい自分、中止にしたとしたときの各方面へのキャンセル料等損失の懸念。

いま、SNS上で知り得る限りでもわたしの周りでは多くの人がウイルスを元凶とした、なんらかの影響を受けている。

舞台の世界だけで言っても、ギリギリになって公演中止や延期を決断した団体は少なくない。

''舞台の公演を準備していながら、実際に公演を打たなかったこと''

その損失はどれだけ大きいか、わたしはこれまでの短い人生、少なくない時間を演劇に割いて関わってきたと思っているからわかる。

そんな中で、私だけが「自分の仕事だから」という理由だけで、自分のエゴを突き通したいだけなのではないか。

今、国から出ている「自粛要請」

まだ要請だから、と鷹を括っていたが、
これは自由の身を確保する法律がある日本の中では、最上の選択らしいと知った。

いまの日本の法律では、この自粛要請以上、国民の身柄を拘束することができない。

ずっとずっと曖昧だなぁ思っていたけれど、国はできる限り最上の選択をしているんだと知った今、また私の中で考えが変わった。

そして、主宰、脚本の江頭さんが自身のアメブロに今後のことを書いてくださった。

質問がありました、という初めの一文を見て、あぁ、匿名でないと言い出せないくらい、観客として悩んでいる人もいるのかなぁと感じてしまった。

出演者たちが''来てください!''と言って、
実際に事前予約してくださった想いは、単純にお芝居を観たいという気持ちだけでなく、演者を応援したいという気持ちがこもっていること、よくわかる。

応援したいからこそ、行きたい。
けれど、不安は拭えない。

みんながみんなきっと悩んでる。

それでも私たちは日常の中生きなければならないし、現実とのギャップに答えなんて出せないからこそ、モヤモヤしてる。

もし、私が自分のエゴを全て取っ払ったなら、今すぐ中止や延期にしてしまった方がいいとさえも思ってる。

キャンセルになった分の金額を、こうやって自分の想いを言い出したからという理由で、自ら負担することになったとしても、多数の命にはどう考えても代えられない。

私自身がこんな気持ちで創ろうとしているのに、観に来てくれようとしてくれる方々から時間を、お金をいただくことなんて、できない。

もしこの公演を配信にしたとしても、
生ものであることこそが演劇なのではないか、直接観てもらうこと、それを目的としてつくったものをただカメラで残して、果たして良いものを届けられるのか。

届けたいものを形にして届けるのと同じくらい、観て良かったと思ってもらえるものを作る大前提、これはどうしたって捨てたくない。

配信をして果たしてその観て良かったと思ってもらえるものは作れるのか。

こんなこと、つくってる本人は少なくとも口にしちゃいけないんだろうけど、じゃあどうしたらいいを考えなければならないのは知っているけれど、正直不安ばかりです。

でも、どう転んだって、
悩みは尽きないんだろう。

悩みながらつくるんだろう、
もう、わたしは何を信じてこの作品をつくっているのかなんてわからないけれど、

それでもやるしかないんだなぁ。いまは。

一生懸命やれば、何かに繋がるのかな。

みんな悩んで苦しんで、
それでも生きなくちゃならなくて
今日もあしたもきっと悩む。


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