保健だよりを通じて お手紙

5月、保健だよりの最後のページに、生徒へ向けてのお手紙を書きました。


保健室からのお手紙 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
お久しぶりです。お元気ですか?皆さんの声が聞こえない学校はちょっぴりさみしいです。 今日は、保健だよりを通じて、皆さんにお手紙を書いてみようと思いました。 始めに、先日、目に留まったエピソードをシェアさせてください。知っている人もいるかもしれませんが、タレントの磯野貴理子さんがテレビで語ったことが話題になっています。以下その内容を引用します。
「私、コロナがこういうふうになってきてから、すごく忘れられない言葉があってね。役者の石倉三郎さんの本を前 に読んでてずっと忘れないのがね、「辛抱と我慢は違うんだ」って。辛抱なのよ今。辛抱の時なのよ。我慢って、人間 って我が強いから我慢がすごいしにくいんだって。我慢しろって言われると、我がでちゃうからすごくつらい。でも辛 抱はできるんだって、人って。辛抱って漢字で書くと『辛さを抱く』って書くの。だから辛抱しろって、つらさを抱き しめればいいのよ。ぎゅって。なんかできる感じしない?辛抱って。私それ読んだときになるほどって思ったの。」(磯 野貴理子さん テレビ番組「はやく起きた朝は」より)


今、私たちは自分や周りの人々の安全と安心を守るために、様々な制限の中で過ごしています。「友達と遊びたい な」「本屋さんに行って、好きな漫画を買いたいな」「勉強でわからないことがあって、先生に質問したい」「思い切 り体を動かしたいな」そう思っている人もたくさんいるのではないでしょうか。自粛生活が続き、知らず知らずのう ちにたくさんのストレスが溜まってきていると思いますが、それは自然なことです。
大事なのは、どう受け止めて向き合うかです。“我慢しなきゃいけないことばっかりだ”と感じてしまう人は、“つ らい気持ちが頭の中、胸の中にたくさんあるなぁ”と変換してみてください。それからその“辛い気持ち”を両手両 腕でぎゅっと抱きしめてみてください。ちょっと頑張れる気がしませんか?そして、少しでもいいから分け合える人 とその気持ちを分け合ってみてください。兄弟でも友達でも、家族でも先生でも良いです。電話や手紙で伝えるのも 良いと思います。うれしい出来事、悲しい出来事を分け合うように、つらい気持ちも人に話してみてください。半分 こすれば気持ちが軽くなることもあります。相手も同じ気持ちを抱いているかもしれません。もしもあなたが聞く側 になったときは、受け止めてあげてください。こういう時こそお互い様です。


この先、新しく変わっていくことを受け入れていくためには、今まで以上にお互いに支え合い、知恵とチカラ(知 識と技術)と思いやりを分け合うことが大切だと思います。学校生活も同じではないでしょうか。自分のため相手の ために行動できる人が、これまで以上に増えてほしいと願っています。


そこで最後に、保健室から皆さんへ考えてほしいことを話します。
私はこのような状況になってから、大学の恩師が口にしていた言葉をよく思い出すようになりました。それは、 「人を幸せにするには、まずは自分が幸せになること。それと同じで、相手を救い助けるためには、まずは自分が心 も体も健康でいること」です。続けることはなかなか難しいことですが、日々心がけるようにしています。
少し表現を変えると「相手の健康を守るためには、まずは自分の健康を守ること」となります。これは感染症が広 がらないようにするための基本ですね。
では、今のあなたの意識や行動はどうでしょうか。感染症対策を考えたとき、生活リズムを整えることに加え、手 洗いうがい、換気、人との距離の取り方、マスクをつける、散歩や筋トレをして体力を保つ、家事の手伝いをして家 族の負担を分け合う...など、いくつ思い浮かべ、そのうちいくつ実行できているでしょうか。今日を機に、改めて考 えてみてください。
世の中には、様々な職業や立場の人がいて、今この時もそれぞれの役割を果たそうと頑張っている人がたくさんい ます。まずは、自分ができる当たり前のことをしっかりと行い続けていきましょう。「自分だけが助かればよい」「自 分には起こらないだろう」「まぁいいや、これくらい大丈夫でしょう」ではなく、一人ひとりが自分のこととして無 理なく取り組んでほしいと思います。少し先の未来は、きっと今よりも良い未来だと信じて。
学校が再開し、皆さんと会える日を心待ちにしています。次に会える日までお互い健康でいましょう!


#保健だより #新型コロナウイルス #養護教諭