傾聴の奥義 - 沈黙の向こう側にある真実
聞いてくれや。
今日はな、ちょっと玄人向けの話をしようと思うんや。
「傾聴のプロ」を自称する奴らに、一発かましたろかってな。
こないだな、ある会社の幹部研修で講師として呼ばれてんけど、そこでめっちゃおもろいことがあってん。
「はいはい、みなさん。傾聴の基本はご存知やろね」言うて、会場見渡したら、みんなえらい得意げな顔しとってん。
「目を見て、うなずいて、相手の言葉を繰り返す。そやろ?」
そしたらな、一人の偉そうな executive が立ち上がって、「そうですね。私たちはみんなそれを実践していますよ」言うねん。
「ほんま?」言うて、ワイ、ニヤリと笑ってもうた。
「じゃあ、ちょっと実験してみようか。あんた、こっち来てみ」
そいつを前に呼んで、こう言うてん。「はい、じゃあ今から1分間、黙っといて。何も言わんでええ。ただ、相手の話を『聴く』だけや」
そしたらどないなったと思う?
最初の10秒くらいは、そいつ、えらい真剣な顔して「聴いてる」風やってん。目も合わせて、うなずいて。
でも、20秒過ぎたあたりから、そわそわし始めてな。30秒過ぎたら、もう我慢できへんって顔になってもうた。
「はい、終わり!」言うたら、そいつ、ほっとした顔して座ったんや。
「どうや?1分間、ただ『聴く』だけ。簡単そうで、めっちゃ難しいやろ?」
会場から、どよめきが起こったわ。
「みんな、気づいたか?『聴く』っていうんは、単に相手の言葉を待つことやないんや。沈黙の中にこそ、本当の『聴く』力が必要なんや」
そう言うたら、みんなの顔が変わってもうたで。
「相手が言葉に詰まった時、沈黙の中で何を言いたいんか、感じ取る。それが本当の『聴く』力や」
「でもな、それだけやあらへん。相手の言葉の裏にある感情も聴かなあかん。声の調子、表情、体の動き。全部が大事な情報源や」
「そして何より大事なんは、自分の中の『雑音』を消すことや。相手の話を自分の経験や価値観でフィルターかけて聞いてないか?それじゃ、本当に『聴いてる』とは言えへんで」
会場の空気が変わってきたんを感じてな。みんな、真剣な顔になってきたわ。
「最後にな、『聴く』っていうんは、相手の言葉を『受け止める』ことや。ただ情報として処理するんやなくて、相手の気持ちを丸ごと受け入れる。それができて初めて、本当の対話が始まるんや」
言い終わったら、会場から拍手が起こってもうた。
なあ、おもろいやろ?傾聴っていうんは、奥が深いんや。表面的なテクニックやのうて、心の在り方なんや。
これからは、沈黙の中にも耳を澄ませてみい。相手の言葉の向こう側にある真実を感じ取ってみい。
そしたら、きっと今まで気づかんかった世界が見えてくるはずや。人間関係も、仕事も、人生も、ガラッと変わるで。
まあ、こないな話、みんなにはちょっと難しすぎたかもしれんな。でも、ええか?本当のプロってのは、常に学び続けるもんなんや。
傾聴の極意は、実は「聴く」ことを超えたところにあるんかもしれん。それを探求し続けるのが、おもろいんちゃうか?
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