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自分だけの「自分の長所」をそっと大切にしてみる【万華鏡】

はじめてマガジン「万華鏡」に投稿いたします。
今回のお題は「長所」について。

「あなたの長所は?」あるいは「あなたの短所は?」と聞かれることが、日常生活の中でどれだけあるでしょう?ある一定の時期を除いて、普通に暮らしていく中ではほとんどないように思います。

では、ある「一定の時期」とは何か?
それは、学生時代の授業や就職活動、新入社員時期の研修などではないでしょうか。特に就職活動中の面接や履歴書をはじめとした提出書類、課題、論文、試験などでよく目にするのでは。新入社員時期の研修でも、長所を生かし、みたいな流れで聞くこともあるかもしれません。

「長所」の裏返しは「短所」である、とされます。自分ではなかなか自分の長所を挙げられない場合、短所を言い換えれば長所になる、ということで、短所から長所への言い換え一覧をSNSで見かけたことがあります。「自分勝手」という短所は、「周りに流されない」という長所になる、というようなものでした。

本当に長所と短所は裏返しなのか、それらの言い換えが本当に同じようなことなのか、そこはひとまず置いておくこととして。
自分の長所は?と聞かれて、スラスラといくつも思い当たる人は、どのくらいいるのでしょう?

自分の長所を簡単にスラスラと言える人が多くはないからこそ、言い換えが役立っているのであるから、そんなの当たり前だとお思いでしょうか。

しかし、ここから私が取り上げたいのはですね、誰かに伝えるための長所ではなく、自分自身が自分に向けて思い当たる長所なのです。

ハイ、ちょっと謎のことを言い出しましたよ、この人、と思われる方もいらっしゃるでしょう。当たり前です。

誰かに伝えることを目的とした長所とすると、どうしても外からの目が付きまとう。その心配からなかなかそれと言えないのは、やむを得ない。それはある意味で当たり前ですよね。

しかし、こう考えてみてください。

誰かに何かを言われることも、そしられることもない。
そんなの長所じゃないじゃーん、とか、それを自分の長所だとか言っちゃうのー?みたいな人はどこにもいません。

万全に安心できる自分だけの秘密のお部屋で、好きな飲み物でも飲みながら、座り心地のいい椅子に座り、ふかふかのクッションでも抱きしめつつゆっくりのんびり考えて答えてみる。

……そんな時に確信をもって、これが自分の長所だよねー、と言えるものだとしたら。
それだったらスラスラと出てくるでしょうか?

それでもまだ、なかなか難しいのかもしれません。外からの目があろうがなかろうが、長所というものはどこか、「自慢」のパーセンテージを多めに植え付けられているような気がするから。
といって、自分には長所などない、と言い切るのもまた難しいでしょう。
要するに、「そんなふうに自分を考えてみたことがない」人が多いのでは?と思うのです。自分も含めてです。

「長所」という言葉を調べると、「すぐれているところ」などと出てきます。
今回「長所」というお題を見て、いろいろ考えたのだけれど。
一番強く感じたのは、「長所」とは誰目線での話なのだろう?誰からの観点での「長所」なのだろう?ということでした。
妙に謎に思ってしまったのです。

誰がどういう物差しでそれを「すぐれている」と決めたのか?
誰かの役に立つ?
社会のためになる?
世界に効果的である?
自然に都合がいい?
地球にやさしい?
そういうのが「長所」なのだろうか?

そんなのはどうでもよくて。
じゃあ、自分によい、自分のためにすぐれている、自分のための「長所」は、何だろう?

ハイ、まためんどくさいこと言いはじめたよ、この人、と思われるような気がしつつ。ちなみに変なスピ系ではないですからね。そう言えば言うほど怪しそうですが、念のため主張はしておこう。

さて。
ここからは提言です!
これをお読みになってから1か月以内を目標として、1つでいいので、自分の自分による自分のための「長所」を考えてみませんか?

もちろん私も考えてみます。
そして、もしも長所を見つけたら、その長所を今までよりも意識的に、そっと大切にしてみませんか?

きっといつか、その長所はその時の自分にとっては長所でなくなる日が来るでしょう。
そうしたらまた、自分が安心できる場所でほっこりと考えてみましょう。
「今の」自分にとっての「長所」は何だろう?と。

ほんの小さなことでいいのです。うっすらでも、ものすごく薄っぺらくてもかまいません。大きく、厚くする必要もありません。美しくなくても、優しくなくても、魅力的でなくても、個性的でなくてもいいのです。
それが今の「長所」だから。
そして、個人的に「長所」は、ものすごいものである必要もないと思っています。

なぜこんな提言を言い出してみたのかというと、その「長所」は、自分だけの確たる「自信」につながるのではないかなぁ、と思ったのです。
それであれば、今の自分の「長所」は、自分を一番助けてくれる「心のお守り」みたいなものになるよな、と。

自分だけのお守り、あったらいいと思いません?
よろしければ、ぜひ考えてみてくださいね。

ということで。
ふとした思い付きを、ここまで読んでくださってありがとうございました。
暑さが殊に厳しい夏です。
ぜひ、少しでも自分を労わる時間を多めにとってお過ごしください。





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