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VOICE for FUTABA vol.04 《商工会編》 後編 「復興に必要なこと/若者へのアドバイス」

双葉町の伝統あるダルマ市を、避難先のいわき市で開催し続けてきた福田さんと中谷さん。トークセッションの後半では、現在のいわき市での取り組みや今後の復興について話し合ってもらいました。

【参加メンバー】
・福田 一治
いわき市で人材派遣業を営む福田工業の代表であり、双葉町商工会のメンバー。震災後もダルマ市をいわき市で開催している「夢ふたば人」の発起人。
・中谷 祥久
「夢ふたば人」の現会長。KIBITAKI代表の高崎丈が双葉町の復興に関わるきっかけをつくった人物でもある。
・高崎 丈 KIBITAKI代表
双葉町出身。元「JOE’S MAN 2号・キッチンたかさき」のオーナーで、2022年に「高崎のおかん」をオープン。日本酒のお燗を広める活動を展開中。株式会社タカサキ喜画を双葉町に設立。

双葉町の復興に必要なこと

高崎 商工会やダルマ市の若い世代への継承を考えていらっしゃるとのことですが、やはり、若い方に双葉町の復興にどんどん関わってほしいですよね。

福田 そうですね。我々の活動も若い人たちに受け継いでもらえたら、それがゴールになるだろうし、もっと若い人におもしろいアイデアを実行してもらいたいですね。

中谷 双葉町に若い人に移住してもらうには、働き口が必要ですよね。雇用が生まれないと活性化につながっていかない。双葉の名物みたいなものができれば、そこに人が集まるだろうし、人が集まれば仕事もできるのだろうけど。

福田 だから、私は双葉町の復興にはレジャー施設も必要だと思います。「双葉バラ園」を再生するなど、そういった施策が必要なのではないでしょうか。ちなみに、高崎くんは双葉町でお店をやるんですか?

高崎 いや、お店は東京で再開する計画が進んでいて。家族のこともありますし、双葉町に移住するのは難しいですよね。

福田 そうだよね。双葉町に戻りたいという想いと、実際に戻れるかはまったく別の問題だから。「キッチンたかさき」でまたお酒を飲みたいという願望はあるけど(笑)。本当に良い店だったよね。あそこで飲むのが本当に楽しかった。

中谷 うちらはこうしていわき市に住んでいるけど、やっぱり便利なんだよね(笑)。それを、避難指示が解除になったからといって、まだいろいろ整備されていない双葉町に戻るのは大変ですよ。

高崎 ただ、私は双葉町で蒸留所を運営しようと思っています。オーナーは別の人なのですが、その方が出資をして、私が運営するという形で蒸留所を立ち上げるために、現在計画を進めています。

福田 いいね、蒸留所。ちなみ、私は双葉町でお店をやりますよ。コインランドリー。復興住宅のすぐ近くにオープンします。収益をあげるのは難しそうですが、これも復興支援だと思ってやります。ただ、これは私に本業の福田工業からの収入があるからできることであって、若い人が損得抜きにして同じことができるかと言ったら難しいですよね。

中谷 ちなみに、丈のおじいちゃんの家はどうするの? 鎧張りのすごく素敵な古民家だと思うのですが。庭も立派だし。

高崎 個人的には、リノベーションをして宿泊施設にできたらと思いますが、具体的にはまだなにも計画はしていませんね。

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復興に関わる若い人へのアドバイスは?

高崎 いろいろ難しい状況もある中で、復興の力になりたいと思う人へのアドバイスはありますか?

福田 やり続けることが大切ですよね。我々もいろいろと言われましたよ。「なんでいわき市でやってるんだ」とか批判もありました。それがいつの間にか、「今年もダルマ市やるんでしょ?」と応援してくれる声が多くなってきて(笑)。

中谷 いろいろ言われても、やり続けることが本当に重要ですよね。まあ、我々は「自分たちがおもしろければいいや」という気持ちで続けてきましたけど。

高崎 2022年のダルマ市はどこで開催するのですか?

中谷 いわき市の勿来でやります。今、双葉町でやっても全然人が来ないでしょうから。

福田 あとは、お金の面で言えば、商工会を通して補助金を利用してほしいですね。やる気があっても、先立つものがないとなにもできませんからね。補助金を使って、うまく双葉町を活性化させてほしいと思います。

高崎 そうですよね。若い人ほど資金面は乏しいことが多いですから。積極的に補助金を利用してほしいですね。

福田 高崎くんには、蒸留所以外になにか構想はあるんですか?

高崎 ITや映像制作を仕事にしている若者をサポートできる体制をつくれたらいいな、とは思っています。ITや映像制作はどこにいてもできる仕事ですし、双葉町は世界的に注目を集めている場所ですから、IT関連やクリエイティブな仕事をするとビジネス的にも発信しやすいかもしれません。だから、IT業界や映像業界の若者に向けて、家賃がかからなくて補助金も使えるような仕組みをつくれたらと思っています。

中谷 それはすごく良いアイデアですね。住める場所、活躍できる場所を用意してあげることができれば、若者は集まってきますよ。

福田 そうですね。そうした若い力を引き寄せる施策を実行できれば、双葉町の復興も進んでいくはずです。

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