愚策
天下の愚策【マイナ保険証】。10月下旬から受付が開始された利用登録解除申請が792件にのぼったといいます。
3週間弱でこの件数はなかなかですわね。
まぁしかし医療現場で見ておりますとマイナ保険証ってむしろ“紙保険証”より手間がかかる場面も多く、前デジタル相の“デジタル思いつき馬鹿”K野さんが力説していた程の利便性は無いように感じます。ほとんどサギに近いレベルでね。
加えて以前から申し上げておりますように1枚のカードに重要な個人情報を集約するリスク。情報の流出やハッキングに対する対策、とりわけ予防の部分では強固で堅牢な『防壁』が必要な筈なのに、政府がそこに手を付けた形跡すら無い。
そうなれば個人で対策をせねばならん訳で、最も安価で即効性があるのが【情報の分散】です。
国は12月早々にマイナ保険証への一本化を決定しておりそうなると現行の“紙保険証”は最長1年間までは使用できますが、例えば国民健康保険は来年7月末までとなります。
所謂『猶予期間』が、です。
じゃあその後、それでもマイナ保険証に移行しなかった人はどうなるかというと『資格者証』が発行され、それを使う事になります。
実質的な紙保険証と同じですやんね?
では、国がこれほどの拙速な強硬策をとらねばならんほどマイナ保険証が普及しなかったのは何故か?
まずはこれまで申し上げたように安全性が不確かで、それに向けた国の取り組みが見当たらない事。
そして何より、マイナ保険証への移行は利用者本人が平日昼間に、わざわざ足を運び、難解な手続きをしなくてはならない事。
国や自治体からマイナンバーカード所有者へ郵送で委任状の用紙を送付し、必要事項の記入と捺印をして貰って返送、それで手続き完了とすれば普及率はかなり違った筈ですわ。
そのマイナンバーカード自体が5年に1度役所へ出向いて更新手続きが必要なんですから、そんなこんな考えると霞ヶ関にしろ各自治体役場にしろ高学歴で優秀な人材が揃っているのに『何故普及率が上がらないのか?』の原因究明も、それに向けた対策も講じられないのは【怠慢】以外の理由が思い浮かばんのですが……。
いずれにせよ政府及び国会が大至急実行せねばならん事はマイナ保険証への一本化なんて愚策を即時停止し、被保険者がマイナ保険証でも紙保険証でも好きな方を選べる【選択制】に変更する!
紙保険証失効後は資格者証で対応って、だったら紙保険証を失効させる意味がありませんやん?実質同じ物なんですから!
その間に、情報流出を予防するセキュリティ対策を充実させ、移行手続きを被保険者にとって簡便化させて、馬鹿みたいな強硬策をとらんでも被保険者の方から自発的にマイナ保険証へ移行したがる環境を整備する方がよほど費用がかからず、理解を得られて手間暇かからん筈なんです。
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