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母が海に帰りました

母が生前言っていた海岸へ、希望通り散骨してきました。前日とは違い、その日は朝から良いお天気となり、風もやさしく暖かい春の1日でした。

初めてのことばかりで、散骨に関する取り決めや粉骨してくれる業者の検索など、なかなかひとりで執り行うのは苦労がありました。

「母は自分のことは自分で」という口癖のとおり私達には何ひとつ迷惑かけることもなく、ひとりで生き、ひとりで死んでいきました。私は親を反面教師にして生きていこうと心に決めて、なんとかやってきましたが、何度も心が折れそうになったり、親を恨んだりしました。

もうこの歳になって色々経験して、親の気持ちもわかったり、自分がしたことは自分に返ってくること、自業自得という意味が身に染みました。悲しい幼少期にひどく心が歪んでしまった私だが、その時その時に自分ができる精一杯の親孝行はしてきたと、自分を褒めてやりたい。だから、今は何の悔いも悲しみも残っていない。母の誕生日に、母は海へ帰って行きました。

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