10月9日(月)に第67回ケア塾茶山が開かれました。今回の会場は普段使われている場所(茶山kpハザ)ではなく、旧立岩真也邸の立岩真也氏の居室で行われました。著作は宮沢賢治ではなく立岩真也著『人命の特別を言わず/言う』を取り上げました。故人の生活空間で故人の著作を読む、追悼の意を込めた特別な会となった。
案内役の西川氏の語りは、立岩氏との思い出からはじまり、立岩氏の語り口、文体についての特徴から叙述のスタイルについての指摘、そして内容へと順を追って進められました。また本書のなかで社会学者の本に対する態度を哲学者と対比して述べられている箇所に言及されていました。
哲学と社会学のスタンスの違いについての指摘であるとともに、著者の学者としての問いの向き合い方が表れています。この箇所を引用して語ることで西川氏の哲学というものについての把握も表れでることになり、印象深い場面となりました。
生きて在るものに区別を設け、その区別にもとづいて生きる価値を一部のものに限定するような立場への誠実な応答を、むすびに本書から引用しておきます。
立岩氏の世界はこれからも存在し続け、多くのものの契機になり続けるでしょう。