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ふたり #2

祖父に譲って貰った車は、三角の窓が付いていた。わざわざマニュアルを取ったのは、ずっと愛していたいからだった。

とは言え、この時期は暑い。幼い頃窓をしめる時、指を挟んだ事があって、少し開けるのに勇気がいる。

衝動に任せて旅に出たものの手持ち無沙汰で、ラジオを流す。
陽気なラジオパーソナリティの声が、少し気を紛らわせてくれる。

田圃、少し住宅街、また緑、漸く有料の幹線道路に乗って、走る、走る、走る。

田園、何もない土地、少しの野山しかないのに、どうしてこんなにワクワクするのだろうか。

パーキングに寄って、少し高揚を抑える。快晴の空が、少し憎たらしい。コーヒーの自販機の呑気なBGMが、旅の出発を迎えてくれる様だった。

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