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ここのね活動報告レポート|2022年7月

みなさま、こんにちは。7月もあっという間に過ぎてしまい、ここのねは開校2年目で初の夏休みに入りました。

夏休み前最終日は、親子給食と題して子どもたちがレシピ考案〜材料購入〜実際の調理を練習し、その成果をとことん発揮しました。とにかく美味しい料理がたくさんで「これ以上食えない…。」とお腹パンパンになったスタッフこうちゃんです。

降り注ぐ太陽に痛さを感じる毎日。それでも、子どもたちのパワフルさは止まるところを知りません(笑)

7月を振り返って「これも?それも!7月にあったことなの〜!?」というこうちゃんの感動を余すことなくお届けしていきたいと思います。

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ここのね校舎改修プロジェクトのいま

昨年のクラウドファンディング。明治創業の元酒蔵を学校にリノベーションしよう!とたくさんのご支援が集まりました。水が噴き出した校庭は、1度目の土入れが完了し、子どもたちが走り回れるようになっています。

そしてもうひとつの回収がここのねトイレ新設。その工事を行ってくれているのは、佐伯市のイースマイルさんです。

たくさんのお仕事を抱えられていて本当にお忙しい中、ボランティアでトイレ作りをしていただいており少しずつ完成に近付いています。作業だけではなく多くの材料も手出しで準備していただいており、本当に頭が上がりません。心からありがとうございます!

ここのねを全力で応援していただいているイースマイルの清松社長と今後について打ち合わせをしました。

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話し合ったのはスケジュールとトイレの内容、そして予算についてです。

今後のスケジュールについて

この8月から10月でトイレを完成させていくことになりました。冬に間に合うのは本当に助かります。冬に外に出てトイレに行くのは大人でもなかなかしんどいんです…しかも雨だったら…ゾッ

【今後のスケジュール】

8月初旬 配管工事の依頼
8月中旬〜下旬 準備、木材の加工など 
9月初旬 基礎作り
9月中旬〜下旬 
上棟→外壁→屋根→ 内装の順番に完成させる

上棟は見るだけでワクワクするだろうからと、子どもたちに見せては?と提案がありました。現在、上棟日を9月20〜22、27.28日の内で日程を調整している状態です。餅まきとかするのかな…ワクワク!

木の家を建てるのが得意なイースマイルさんらしい、居心地のよいやわらかい雰囲気のトイレになりそうです。いまから完成が楽しみ!!!

予算について

トイレ新設の予算は、50万円〜100万円ほどになるようです。そこに下水管を通すための工事で50万円かかるので最大150万円かかる予定です。

しかしながら、ここにはほとんど人件費や材料費がかかっていません。さらにトイレ建物内の床材は、イースマイルさんで余っているものを無料で使わせてもらえるとのことです。

これだけで金額に換算したらいくらになるのか…。考えようとすると脳がエラーがぁjskclmっsdkんが…

たくさんの支援をしてくださっているにも関わらず「なかなか行けなくてごめんなさいね。」と連絡をくれ、ここのねのことを気遣ってくれる清松社長に、なぜここのねを応援してくれるのか?と質問をしてみると、

「僕がここのねを応援するのは、子どもたちがこういう場で生き生きと育ってほしい、ただそれだけなんです。私利私欲でやろと思ったらとっくに逃げ出してます(笑)」

と笑顔で教えてくれました。こんなにも愛情の深い人に支えられている子どもたちが本当に羨ましく感じます。と同時に、その子どもたちを預かっている身としてさらに気を引き締めるのでした。

校庭や1F体育館について

校庭は、1度目に入れた真砂土(まさど)がだいぶ風や雨によって流されてしまい、土の量が減ってきました。トイレ新設をするために下水管工事を行います。そのタイミングで土を追加しようかと考えています。

1F体育館の改修に関してですが、建築士の足立心也さんに設計をお願いしておりました。

半年以上の時間をかけ、子どもたちにとって一番過ごしやすい1Fとはどんな形なんだろうか?と模索をしてきましたが、今年度の収入増がなかなか見込めず、1F改修工事までの予算を確保することが難しくなってしまい来年度以降に延期ということなりました。

【ソニー太陽さんとコラボ】ヘッドホン制作WS開催!

昨年度に引き続き、今年度もソニー太陽さん協賛のワークショップを開催していただきました!

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今回のワークショップは「CurioStep」というソニーの教育プログラムの中にある、インクルージョンワークショップです。

ソニー・太陽では、障がいの有無に関わらず、誰もが科学に触れる機会を提供するために、特別支援学校や小中学生を対象に、ものづくりワークショップやプログラムワークショップに挑戦し、ものづくりや科学の面白さを体感するワークショップを開催しています。

障がいのある社員が講師やスタッフとなって科学の原理や技術を楽しく学べる工作や実験を実施することで、ものづくりの興味や楽しさを深めるだけではなく、ダイバーシティー&インクルージョンを体験することにより、一人ひとりの多様な個性に気付くきっかけを学び、相互理解を深めてもらうというソニー・太陽の特色を生かしたプログラムです。

昨年は大分市で活動されている理科フリースクールマイムさんの教室にお伺いしましたが、今年度はここのねを会場にして、ここのね・マイム・ソニー太陽の3社が協働したプロジェクトとなりました。スタッフの皆さんとも久しぶりにお会いできてすごく嬉しかったです。

そんな今回のワークショップは「ヘッドホンをつくろう!」というテーマでした。

音響機器といえば「ソニー」と頭に浮かぶ人も多いと思います。そのソニーさんが、ペットボトルと牛乳パックを使ってヘッドホン作りを教えてくれるなんてめちゃくちゃ贅沢な時間でした。

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実際に完成したヘッドホンで音楽を聴いてみると…

「聴こえる!!!」
「すごい…!!!」
「思ってたより音質がいい!!!」

と大興奮の子どもたちとスタッフななっぺでした。

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自然体験プロジェクトで子どもの大成長!

4月から自然体験プロジェクトを行なっています。ここのねクリエーターのケイコさんによって、山や川、田んぼに滝巡り・そしてもののけ姫の鑑賞など、自然を体験しながらその中にある「なんで?」を探す授業を行なっています。

その一環として、5月末〜川に行くことにしました。

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川が怖いヨォ!
水に浮かぶなんてできない…
泳げない…。。。

と最初は、川でのアクティビティをやるにはなかなか難しい状況でした。

そこでスタッフ間で話し合いを行い、以下のような意見が出ました。

「いま泳げているのも、学校で水泳の授業をしたからじゃない?」
「川でアクティビティするには、公立のように水泳の授業が必要」

ということでプロジェクトの時間に泳ぎの練習を入れることに。とってもありがたいことに、保護者の方の中には救急救命士、消防士、元体育大のライフセービング部出身の方がおり、その方たちに講師になってもらって個別指導を行うことができました!(保護者の皆さんありがとうございます!)

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プールの中でメキメキと実力をつけて、ひたすらに泳ぎ続け自信をつけていく子どもたち。迎えた川の時間では、ライフジャケットをつけて川に流されロープで助けてもらう、という本格的な訓練も行いました。川で泳ぐことの楽しさと怖さを同時に味わうことができたと思います。

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たくさんの練習を重ねて、7月の集大成としてカヤック体験に行きました。今回は特別講師として、大分県カヌー協会の方にお世話になりました。

まずは水に慣れるということで、流れが急な川に飛び込んだ後に流れの緩やかなところまで流されていったり、100mほど泳いで岩場に向かい、ある程度の高さから飛び込みをしたりと、それまでのアクティビティより何倍もの内容を難なくこなしていきます。

そしていよいよカヌー体験。しかしカヌーがあるのは川の反対側です。川の端から端まで30〜50mほどありそうなところを、子どもたちはなんと泳ぎきってしまいました。

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パドルの漕ぎ方を教わり、いざ出港!!!

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気づいたらどんどん先に行っている子どもたち。

200m先まで競争したり、自分の行きたい方向へ回転したり、カヌーが転覆した時の脱出を練習している子もいました。

え!?そんな上手だったの???とびっくりのスタッフ陣。あんなに水が怖いって言っていたのに…とこの姿を見ただけで子どもたちの成長に目がうるうるしてしまうスタッフこうちゃんなのでした。

在籍校の出席が認められました!

本開校2年目に入った4月からは、スタッフななっぺ(校長)を中心に、ここのねの子どもたちが在籍する小学校と中学校、教育委員会への挨拶まわりからスタートしました。
昨年度は、本開校したばかりで挨拶どころではなく、顔も知らない校長先生がたくさんいる状態でスタートしてしまったのが、どこか心に引っかかっていたのです。

「今年は地域に根ざす学校を目指そう!」

授業の合間を縫って各市町村の学校を一校一校訪問し、実際に校長先生や担任の先生と会うことができました。教室にも行かせてもらうことで、金曜日に学校に通っている子の様子も知ることができました。

また、やはり実際に先生方に会ってみると、とても子どもたちのことを想ってくださっている方ばかりで、共に子どもたちの幸せを願う大人同士が繋がった感じがしてすごく安心しました。

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その甲斐あって、6月からは佐伯市、臼杵市、大分市、豊後大野市のほとんどの学校で【出席扱い】が認められるようになりました。

公立の学校に通っているのと同じように、ここのねに通うことが「通知表」や佐伯市では「指導要録」まで【出席】となることになったことは、想像していた以上に嬉しくて、誇らしくもありました。

こうやって少しずつではありますが、着実に社会の中で必要とされる場所になれたらいいなと思います。

3名から始めた学校が40名に

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7月の夏休み前最終日。親子給食で子どもたちから保護者の方に昼食が振る舞われ、午後は保護者会を行いました。現在の改善点を話し合ったり、ここのね保護者チーム(仮)の運営メンバーが決まったりなどとても濃ゆい時間が続きました。

そして夜には、開校2年目初の「ここのね交流会」開催することができました。今回は、準備から運営までほとんど保護者の方が担当してくださり、いい意味でスタッフは何もわかっていない状態になっていました(笑)

交流会には、スタッフ、子ども、保護者、ここクリさん、ボランティアさん、地域のお世話になっている方など合計40名以上が集まってくださり、たっぷり3時間、顔を付き合わせて話ができたことが本当に嬉しかったです。

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ここのねを立ち上げて丸4年。スタッフ3人から40人を超えるコミュニティになったことに感激しています。

運営法人であるNPO法人タオ・オーガニック・ファミリー・ユニオンは、団体を作るときエコビレッジ構想が中心にあったと教えてもらいました。

僕はその想いを、精一杯受け継いでいきたいと思い日々考えを巡らせていました。そうした中で、もしかしたらここのねならエコビレッジの夢を叶えられるかもしれないと思うようなったのです。

いつも子どもを真ん中に。

僕が尊敬している、ある校長先生が僕に教えてくださったとっても素敵な言葉です。

ここのねというのは、同じ集落で一緒に共同生活するエコビレッジではありません。ここのねという学校を中心に、子どもという存在をいつも真ん中にして、たくさんの家族が人が有機的に繋がり合う共同体。近すぎず遠すぎず、住む場所や思想信条さえも超えて、緩やかに繋がり合う。

「あなたはどう思う?私はこう思うよ!」

わたしの根っこの声を聞くことと、個々の音色を奏で合うこと。対話を通して、お互いの意見を聴きあい、自分の意見も伝え合う。そんな大きい家族を僕は創っていきたいと思います。

そして、たくさんの人に見守られながら子どもを育てていく、その繋がりを持てることが人生の幸せに繋がっていくんだろうなぁと目指したい未来がぼんやり見えてきました。もしかしたら、その姿は古き良き日本の姿を取り戻そうとしてるのかもしれません。

たくさん人が関われば全てが思い通りにいくわけではないけど、前を見て、未来を信じて、いまを生きる。その過程が人生そのものになると思います。

人は人と関わることでしか磨かれない。

ここのねと繋がってくださる皆さん、応援してくださる皆さんのお陰で人生は豊かになっています。

うまくいかないこともあります。泣きたくなる日もあります。でも仲間を信じて、自分を信じて、手を取り合って前に進んでいきたいと思います。

いつも本当にありがとうございます!

この文章を読んで心からここのねを応援してくださる皆さんに、いつかこの言葉を直接届けることができますように。遠くても繋がっていることを信じてます。

と、ここまで書いていたらすでに5000字を超えてしまいました(笑)

ここまで長〜い文章を読んでくださり誠にありがとうございました。7月もいろんなことがありましたね。あー楽しかった!

来月の8月号はスタッフななっぺが担当です。是非お楽しみに!
それでは、また来月〜♫

文責:スタッフ 山下浩二(こうちゃん)

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