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ギブ&テイク、割り勘&奢るについて。

去年、娘が近所のお絵描き教室に通っていたときの話だ。

彼女はうちの近所、大崎で Shapes & Shadowsという英語で学べる、お絵描き教室を経営している。インドネシアで生まれた台湾人で、高等教育はアメリカで受けている。

夏休みのサマーキャンプも開催していて、、娘をプールや博物館などに連れて行ってくれた。他のスクールよりは良心的なお値段で、活動的なプログラムだったので、私はホッとして、そこへの申し込みを決めた。

そんな彼女はベビーシッターもやっているというので、数日間、お願いしたときの事だ。彼女は初回のベビーシッター代を受け取らなかった。理由は、私が娘の同級生にこちらの教室を紹介したから、との事だった。思いがけないサプライズに私は嬉しくて、ホッとしたのも事実だ。

母が下町で育ったせいかもしれない。私の中には、「金は天下の回りもの」という考えが、しっかり定着している。お金はとにかく、皆で回して行こう、何とかなるから、というのが私なりの解釈だ。

パリに住んでいた時、皆が下町の金銭感覚だったので、とても楽だった。友達同士でご飯を食べに行っても、あまり、お金の心配をしなくて良かった。
お金のある人が払う、でも、常にその人が払う訳ではない。お金の心配をして、友達との集まりに顔を出せないという悲しいことはなかった。

私は昭和生まれで、先輩や男の人に時々奢ってもらったりもした。最近は私が年上の集まりも多いので、お金に余裕があるときは、たまに奢る。
昨年度末、娘の学校のお母さんたちと子供数名、担任の先生二名でランチを食べた。支払いのとき、安かったし、一年間の感謝の気持ちも込めて、先生達の分は私が支払った。私が幹事役のそのランチ会は、年度末パーティーと言うことで私が企画した。転校する子供たちも多かったからだ。私が、リーダー格のお母さんたちに相談もせずに勝手にパーティーを企画したことにリーダー格のお母さん達は腹を立てて、パーティーに参加しなかったり、参加を取りやめにしたお母さんたちも多かった。結局、お母さんたちと子供たち8名、先生2名という小規模なものにそれはなった。
そんな状況下で、来てくれた先生達への感謝の気持ちもあったと思う。イギリス人とカナダ人の担任の先生は二人とも若く、夏の予定を楽しそうに語っていた。私が支払いを言い出すと、予想以上に喜んでくれて、私も嬉しかった。

昭和生まれの私から見ると、世の中からはすっかり余裕がなくなった事を強く感じる。景気のせいもあると思うし、より合理的になった。いつも、テイクばかりの人も多い。もちろん、改善されたことも多い。

私は、もう少し世の中からギスギスした感じが減るといいな、と思う。余裕を持って楽しく暮らしたいな。

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