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クリスマス一人で良かった~

 いや、あぶね~! クリスマスに一緒に過ごさないといけない彼女や友達がいなくて本当に良かった~、今、猛烈な頭痛に襲われています。
 もしも彼女がいたら、この猛烈な頭痛に耐えながら、昼間に駅で待ち合わせて、普段より少し気合の入った彼女を見て、デートなんていつもしているはずなのに、なんだか特別感があって、ちょっと照れちゃって「じゃあ、行こうか」なんてたどたどしくなっちゃって、街はやっぱり混んでいて、彼女は人多いねって困り笑いをするけど、それでもたのしそうにしながら、さりげなく手袋を片側だけ外してくれるから直接手を繋げて、クリスマスだからという理由で会ったから何も決めていなくて、取り敢えずカラオケに入って、やっぱり混んでて、パイプ椅子に座って待って、自動ドアが開くたびに冷たい風が吹いて、ようやく空いた部屋は意外と広くて少しテンションが上がって、でもやっぱり隅に並んで座って、何曲か歌って、クリスマスソングがわからないから取り敢えずジングルベルを歌ってみて、僕は甘いのが苦手なのにクリスマスだからってフロートを頼んでみるけど、少しずつ飲むからアイスが全部溶けて甘ったるくて、やっぱり残しちゃって、それを見た彼女がストローに口を付けて飲んで「ほんとだ、凄く甘いね」って言うから、なんだか恥ずかしくって、彼女と会った目が離れないけど、十分前のコールが鳴ったからハッとして退出して、外に出るとちらちらと雪が降り始めていて、街灯やイルミネーションも点き始めていて、何か適当に食べようって言われたからこっそりレストランを予約していた僕はいい気になるけど、予約の時間まではまだまだで、仕方がないからゲームセンターに入って、クレーンゲームをやってみて、もちろん何も獲れないんだけど、そんな時間が楽しくて仕方ないから「もう一回」やっちゃって、時間になったら夜景の見えるレストランに入って、料理の味とかはわからないけど、この時間の暖かさは分かって、店を出て歩いていると歓声と拍手が聞こえて、どこかのカップルがプロポーズに成功したみたいで、僕と彼女もノリで手を叩いて、目が合った彼女の頬がやけに赤く見えて、繋いだ手の震えが寒さのせいじゃないってわかっているけど、僕は「暖かいところに行こうか」って言うところだった~~~

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