不審者情報

 どうしようもなく、テンションが高いタイミングというのがある。僕は躁うつの気が凄くて、ひどく落ち込んだ次の日は、必ずと言っていいほどテンションが高い。頭が冴えているのに泥酔しているような感覚で、あまり普通でない行動に出てしまう。そういう状態の時に、250人くらいいるLINEグループに一発ギャグを送ったりしているのだ。いや普通に迷惑じゃね? ってのは、うん、ごめんね。これでも謝ったら許してくれそうな範囲でふざけているつもりなのだけれど、これがまた、けっこう不評で、今回は遂にヤバめなDMが送られてきた、わざわざすまない。個人的には、これくらいでそんなに怒るのかと思うのだけれど(やった側のセリフではないが)、心の余裕とか、タイミングとか諸々があると思うので、僕に暴言を吐いてスッキリするなら、僕としては、まぁいいんじゃないかなと思う。人を叩くのに慣れるのは余り良くないとは思うけどね。

 これは僕の強迫観念なのだけれど、芸術に携わろうとしていて、まともな人間でいては、いけないのではないかと感じている。小中高の間、なんだかんだ言って常識の範疇で生きてしまったことに対する焦りのようなものが身の内にあって、普通になることへの嫌悪感から、突飛な行動に出ようとしている節がある。

 昨日、購買部でコアラのマーチを買って帰ったのだけれど、テンションが上がっていたので、誰かに優しくしたくて堪らなかった僕は、下校中の小学生に「お菓子あげるよ、お菓子!」と話しかけてしまった。すると、小学生たちの顔が怯えていた。当然だった、お菓子をくれる人についていってはいけないと相場が決まっている、先生から何回も教えられているはずだ。それを思い出した僕は焦って、コアラのマーチを身で庇いながら「やっぱあげない!」と言ってスタスタとその場を去った。今のところ不審者情報には載っていない、セーフ。
 だけれども、一応、今日は昨日と違う服装で登校した。ほら、捕まったら大変だから。

 客観的に見て、僕という人間は大変に惨めで、哀れで、どうしようもないと思うのだけれど、いかがだろうか? 僕としては「あいつはバカでゴミだ」と嘲って欲しいのだけれど、結構、世の中の人って直接ぼくに言いたがる。せっかく僕が底辺に立っているので、わざわざ同じレベルに立とうとしないで、見るなら遠くから見た方が良いと思う、病気がうつってしまうよ。

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