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カス催眠音声ランキング

 せ~のっ、いらっしゃ~い。電子ドラッグというものをご存知だろうか? 音源などで流通し、人間の脳へ麻薬のように作用するプログラム。半ば都市伝説的存在でありながら、アメリカなどでは小さな社会問題を呼び起こしているシロモノであるが、我らが日本国では、合法となっている。それも当然、理由は電子ドラッグを常習する日本人が大勢いるからに他ならない。これは、10から0までの数字をカウントダウンするだけで絶頂体験に至ることが出来るという代物で、この手の商品は多数存在する。日本には電子ドラッグが実在するのだ。このような作品を一般的に「催眠音声」と呼ぶ。
 しかし、やはりというか、ジャンク品というものが存在する。私は今まで、数多くの電子ドラッグを使用してきたが、何かを勘違いしてしまったが故に、思ったような快楽を得られない、所謂「カス催眠音声」が存在する。
 今回は失敗例をランキング形式で、TOP3を紹介していこうと思う。

成功例・一般的な催眠音声

音声「5……4……だんだん気持ち良くなってきた……」
ぼく「うぅ……」
音声「3……2……もう我慢できない……!」
ぼく「わぁぁ……」
音声「1……すぐクる、またイっちゃう……0!」
ぼく「うっ……!」

 本来は、このように行われる。
 解説すると「0」が絶頂への重要なファクターとなっており、これを声に出されると気持ち良くなれる。


第3位 天気予報

音声「5……4……だんだん気持ち良くなってきた……」
ぼく「わぁ……」
音声「3……2……もうすぐ、”ゼロ”が来るよ……」
ぼく「うっ……」
音声「1……もう我慢できない……!」
ぼく「そろそろ寝るか……」
音声「ゼロ! ゼロ……!」
ぼく「歯ぁ磨かなきゃ……」

 もうすぐゼロが来るよではない。
 催眠音声を聴いている人は、そんなこと全員知っているのだ。恐らく親切な人が収録したのだろう、初めての人でも分かるように、あらかじめ教えてくれたのだ。だが、流石に知っている。”ゼロ”と言われたので絶頂はしたものの、”イチ”を経由していないので不完全燃焼に終わってしまった。ゼロは割れ物のように丁寧に扱うべきなのだ。


第2位 比喩表現

音声「5……4……だんだん気持ち良くなってきた……」
ぼく「うぅ……」
音声「3……2……ビクビクしてる……死にかけのトカゲみたい」
ぼく「わぁ……」(死にかけのトカゲ……?)
音声「1……すぐクる、またイっちゃう……0!」
ぼく「うっ……!」(死にかけのトカゲ……?)

 集中できんわ。
 恐らくセリフに困ったのだろう、よくわからないことを言ってしまった。動物に例えるのは悪くない、マゾヒズムが刺激されるケースも多いだろう。だが、犬などの身近な動物ではなく、トカゲというちょっと頭の使う位置にいる奴を使ったのが良くなかった。こういった事故を起こさない為にも、台本はしっかりと用意し、添削すべきである。


第1位 お疲れ様

音声「5……4……だんだん気持ち良くなってきた……」
ぼく「うぅ……」
音声「3……2……もう我慢できない……!」
ぼく「わぁぁ……」
音声「1……はい、お疲れ様~(動画終了)」
ぼく「……」

 お疲れ様じゃない。
 あんまりにも可哀想だとは思わないだろうか? シチュエーションがシチュエーションでなければ、お母さんに慰めてもらうところだった。ゼロの重要性を理解していないあたり、催眠音声についてあまり詳しくなかったのだろうか? よく知らないものを収録するチャレンジ精神は素晴らしいが、値段を付けて売るべきではなかった。学びを忘れずに、まずは自分で体験するべきだろう。


まとめ

・行き過ぎた親切は良くない。
・台本はしっかりと添削する。
・商品はレビューを見てから買おう。

 大抵は出来の良い作品なので、あまり心配はしない方が良い。ただ、安物に手を出すと”事故”があるということは覚えておいた方が良いだろう。ここら辺でやめさせていただきます。せーのっ、ばいば~い。

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