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ワンチャン美味しいかなって思って発泡スチロールを食べた

 画像はクリーニング屋の傍にカレーうどんが売っていて、マッチポンプみてぇだなと思ったやつ。

 人間には、想像力ってのがあります。実際に食べていないものが美味しそうだと感じたり、遠くの火を見て熱そうだと感じることが出来る能力です。僕のようなガキは、これを育てた方が良いと言われてきました。想像力が豊かな子供になろうって。まぁ、必要な能力です。想像力があるから、危険を避けることが出来る。夜道は危ないことがあるかもしれないから通らないとか、赤信号でも止まらない車があるかもしれないみたいな感じで。他にも、恋人がいなくても恋人が死んだ悲壮を味わえるように、経験しなくとも経験を得られる力でもあり、創作をするには必須の能力です。そして、僕が最近、鬱陶しく感じているものです。
 イライラする時がありますよね。ストレスが溜まって、何かに当たりたくなるようなこと、特に対人だと多いと思います。では、そこで怒りに任せて暴言を吐いてみたりしたら……きっと良い事にはならないだろうなぁ。って考えます、手を出すよりも、先に考えてしまいます。その度に、これを理性と呼ぶのだろうなぁと思う。理性と想像力は近い位置にある。なので、これは流石にキレるしかない!!! ってシチュエーションを募集していますが、そんなのありますかね?
 僕は想像力の優れた人間ではないですが、行動を起こす際に考える癖がついています。これをしたらどうなる? 周囲はどう思う? といった具合です。そうすると、リスクのある行動を取らなくなっていく。これは、良い事ではあります。危険なことなんてしない方が良い、思いついたことを全部やっていたら、すぐに死んでしまうでしょう。
 ……でも、所詮”想像”にすぎないなぁとも思ったんです。思ったより美味しい、思ったより痛い、思ったより、思ったより……意外な結末に期待しても良いんじゃないかって。好奇心というものがあるので、わからないものはやってみたくなります。でも、ちょっとだけわかっていることはやらなくてもいいやと、怠けてしまう。これが、鬱陶しい。
 面白いものを探そうというのに、つまらない頭で唸るくらいなら、ゴミ箱にでも手を突っ込んだ方が有意義かもしれない。掴んで引き上げたのは、冷蔵庫を開封した際に捨てた、梱包材の発泡スチロール板、こう見ると、複数の泡粒が繋がって板になっているのが分かります、なんだか小さいサイズのラムネみたいで、少し美味しそうです……いやいや、美味しいわけない、でも、もしかしたら、ワンチャン美味しいかもしれない。もし美味しかったら、そりゃ凄いことになる、もし美味しかったら、食べなかったら、気がつけぬまま一生を終える……

 ……。

 ……。

 無味でした!


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