ポーカーで長期で勝つために必修となるレーキ対策を考えたベット額について

 前回身内向けに良く行くアミューズメントカジノでのレーキ対策について考えたが、これを機会に通常のPOTに入った合計額に対してレーキをとられる場合についても考えていたことをまとめておこうと思う。

はじめに

 プリプロップについては前回の記事そのままの内容になるため、今回の記事では主にポストフロップについて考える。

 ちまたにあるGTOのツールではベット額を数種類に固定して、一定のレーキを元にした結果を示すことが多い。
 そのため、ベット額単体ではレーキを安くすることを考えておらず、固定されたベット額があえてレーキを高くとられる設定になってしまっていることが度々発生する。
 そこでベット額を微調整して、レーキがとられにくいようにすることで長期での成績向上を目指すことを目的とする。

前提条件1

 〇レートはSB1点、BB3点、anteなし
 〇レーキは端数は切り捨てでポットに入った額の10%
 〇レーキキャップ 10bb
 〇ヘッズアップを想定

レートやレーキキャップは本質ではないが、いったん仮の設定として立てておく。

※ex
  ◎Preflop 
BTN raise 9点
BB call
 
 ◎Flop 19点
BB check
BTN bet ??点

 一例として上記のパターンでレーキを考えた場合、bet5点とbet6点のどちらが良いだろうか。仮に相手がコールしたとする。

bet5点とbet6点の比較

上の表がその比較をしたものになる。
 ターンで相手のチェックにベットして降ろした場合、bet6点はポットが膨らんでいるのにポット獲得後のスタック量がbet5点と比較して増えない現象が発生している。

 bet6点は3bbオープンレイズにFlop1/3potbet、自然な流れでやっていそうなアクションであるが、 Flopまでのベット額を考えると、bet5点はbet6点に対して損失が少なく報酬が同じであるから、完全な上位互換になっている。

つまりここはbet5点を使うべきなのである。

 Flopのアクションは当たり前だがプリフロップの次に多い。毎回レーキMAXとなるようなポットを争うと長期で勝てる可能性は激減する。

 では、どのようなベット額をするべきかを考える。レーキは10%なので、ポット額が10,20,30,40….と10の倍数を超えた時にレーキの増加が発生する。そのため、相手にコールされたときにポットの下一桁が8か9になるようにすれば良いのである。

具体的にどうすれば良いか、ポット額の下一桁とベット額の下一桁の関係を示す。
また、レーキが高くなってしまう下一桁を示す。

レーキ10%のときの理想のベット額

左がポット額の下一桁、右が理想とレーキ最大になるベット額の下一桁である。
例えば以下のように使う。

〇pot19点のとき1/3potbetを打ちたい
 →1/3potbetだとだいたい6点だけどポットの下一桁が9だからbet5点にしよう

〇pot20点のときハーフベット打ちたい
 →ハーフは10点だけどポットの下一桁が0だからbet9点にしよう

このように、ベット額を微調整してレーキから身を守るのである。

 こちらがアグレッサーの場合、フロップでポット額の下一桁が8か9になるように調整すれば、その後のストリートでは下一桁が5や0のキリの良いベット額を使えば良いことも覚えておくと楽である。

では、少し前提を変えた場合も考えておこう。

前提条件2


 〇レートはSB1点、BB3点、anteなし
 〇レーキは端数は四捨五入でポットに入った額の10%
 〇レーキキャップ 10bb
 〇ヘッズアップを想定

レーキが切り捨てではなく四捨五入の場合である。この場合はフロップでのベット額はコールされたときにポットの下一桁が3か4になるように調整する。その場合は以下の表のようになる。

レーキ10% レーキ四捨五入のときのベット額

前提条件3


 〇レートはSB5点、BB10点、anteなし
 (チップの最小単位は5点)
 〇レーキは端数は切り捨てでポットに入った額の10%
    〇レーキキャップ 10bb
 〇ヘッズアップを想定

 次に5-10のレートのような5点単位でしか掛けられない場合を考える。この場合基本的には前提条件1の数字を5倍すれば良いのだが、ポット額の下1桁ではなく、ポット額を50で割った場合のあまりに対してのベット額となる。ベット額も表の値に50n(nは0または自然数)を足した値をベットすることになる。

レーキ10% 5の倍数でベットするとき

前提条件4


 〇レートはSB1点、BB3点、anteなし
 〇レーキは端数は切り捨てでポットに入った額の5%
 〇レーキキャップ 10bb
 〇ヘッズアップを想定

 次にレーキが5%の場合を考える。もしかしたら一番使うことが多いかもしれない。レーキの壁が10%のときの半分になるので、簡易戦略としては10%と同じ戦略を使えば良い。ただしより厳密に考えると次の表のようになる。

レーキ5%のとき

さいごに


 ポーカーはレベルが高くなっていくとGTOに収束していく。その性質上レベルが高くなるとプレイヤー間の差は小さくなりエッジが出せなくなっていく。そんな中、固定の割合でとられるレーキの存在は大きく立ちはだかる。当たり前だが、カジノゲームにおいてプレイヤー側はトータルで勝てないように設計されているのである。
 そんな中、少しでも勝ちたいのであればレーキに対する理解は必須である。今のGTOツールはベット額を固定する性質上レーキ対策については教えてくれない。正しく考えて勝ちを目指していく。

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