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マルチストリートのAKQゲームのバリュー:ブラフ比

 以前考えたマルチストリートのAKQゲームについて備忘のために残しておく。

ルール

 OOPにKが配られ、IPにAかQが配られるものとする。但し、あくまでバリューとブラフの比を考えることに着目するため、IPに配られるAとQの比率は1:1ではなく、AはQに比べて十分小さい確率で配られるものとする。

 ベッティングラウンドをフロップ、ターン、リバーの3回行う。


単一ストリートのバリューとブラフの比

 とらえておくべきこととしては、1/nポットベットを使う場合のバリューとブラフ比が(n+1):1になるということ。

〇ポットベットを使う場合のバリューとブラフ比が2:1になる。
ポットベット=1/1ポットベット

〇ハーフポットベットを使う場合のバリューとブラフ比が3:1になる。
ハーフポットベット=1/2ポットベット

〇1/3ポットベットを使う場合のバリューとブラフ比が4:1になる。


マルチストリートでのバリューとブラフの比


ポットベットを採用した場合

 これらを元に各ストリートでポットベットを採用する場合のフロップ、ターン、リバーのそれぞれのバリューとブラフを考えると以下のようになる。

 考え方
〇リバーでのバリューとブラフの比が2:1になるようにする。
〇ターンのブラフはリバーでのバリューとブラフの比が2:1で打てるようにを準備する。
(バリュー+リバー用ブラフ):(ターン用ブラフ)=2:1
〇同様にフロップのブラフを次のように準備する
(バリュー+リバー用ブラフ+ターン用ブラフ):(フロップ用ブラフ)=2:1

フロップ  バリュー:ブラフ=8:19  ブラフ/バリュー=2.35 
ターン   バリュー:ブラフ=8:10  ブラフ/バリュー=1.25
リバー   バリュー:ブラフ=8:4   ブラフ/バリュー=0.5

 マルチストリートのルールを活かすことで、フロップの段階でたくさんブラフすることを正当化できる。


ハーフポットベットを採用した場合

 次にハーフポットベットを採用する場合について考えてみる。
フロップ  バリュー:ブラフ=27:9  ブラフ/バリュー=1.37 
ターン   バリュー:ブラフ=27:21 ブラフ/バリュー=0.78 
リバー   バリュー:ブラフ=27:37 ブラフ/バリュー=0.33 


 ここで着目したいことはポットベットを使った場合とハーフポットベットを使ったときのフロップ時点での、バリューに対するブラフの多さの差である。

ポットベットを使った場合、バリュー1に対してブラフ2.35
ハーフポットベットを使った場合、バリュー1に対してブラフ1.37

 ものすごい差である。これはベット額のサイズに対してブラフのコンボ数が指数関数的に増えていくからである。

 相手のレンジをキャップしている場合、ジオメトリックサイズを上限としてベット額を大きく、ブラフを増やすことで、相手に難しい判断をせまることができる。


感想

 実戦中にナッツアドバンテージがある場合、そのおおよそのコンボ数を数えることと、ジオメトリックサイズをとらえることで、ブラフのコンボ数を概算することができる。そういったことをさぼらずにちゃんとやることがポーカーを上達させるコツになるのだろうなと思った。
 ブラフレンジをいい感じに構築できるかどうかはまた別の話なんだろうけれども…

 どこかで聞いたことがある以下の内容
フロップでのバリューとブラフの比は1:2
ターンでのバリューとブラフの比は1:1
リバーでのバリューとブラフの比は2:1
 もちろんベットサイズにもよるけど、ざっくり参考にする分にはいいなと思った。

おまけ

 ベット額を変えたときのバリューとブラフの割合の例

 計算の考え方自体は簡単なんだろうけれど、コンボ数が小数にならないようなリバーのバリュー40コンボの数字を出すのが地味に大変だったという感想。
 

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