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第六次我が家大戦

ついにヤツと遭遇した。

今住んでいる家に引っ越して2年になるが、

1年目は無事遭遇せずに終えられた。

ほら、前住んでいたのは山だったから。

こっちは虫が少ないんだ。

良かった良かった。


、、、なんて甘くはいかなかった。

奴はどこにでもいる。

そう、そして今日、

2年越しに僕の目の前に現れた。


コンビニで買い物を済ませ、家へ戻る。

玄関を開け、リビングに向かう。

22度の冷房にふぅと息をつき、

ビニール袋を机の上に置いた。

その瞬間、

袋から何かが跳び上がったのを視界の隅に捉えた。

刹那、あの頃の闘いの記憶が瞬間に呼び戻され、

脚は震え上がり、

額に嫌な汗がジワッと広がる。


そう、

カマドウマである。


ちなみにGは見たことない。


まーーーーーーーーーーじでキモい。

脚死ぬほど長いし、

なんか触角みたいなのも死ぬほど長い。

しかも死ぬほど跳ぶ。

一瞬でも目を離したら見失う。

僕は前世で大きな虫に喰い殺されたので虫はマジで無理なので本当にマジで無理だった。

中でもカマドウマは特別無理だ。

脚死ぬほど長いし、

なんか触角みたいなのも死ぬほど長い。

しかも死ぬほど跳ぶ。

一瞬でも目を離したら見失う。

すぐさまコンビニでの購入物をひっくり返し、

その袋を右手に装着。

ライブラリーアウトになるまで素早くティッシュをドローし、

左手にファブリーズを装備する。

数多の戦を切り抜けてきたとっておきの装備だ。


そう、奴は死ぬほどファブリーズをぶち掛けると本当に死ぬのだ。

ただ死ぬときは死ぬほど脚をピクピクさせ横たわるので死ぬほどキモいが、まぁ死ぬので良しとする。

なによりティッシュで叩き潰して、その遺恨にしばらく付き纏われるよりかは幾分良い。

装備を万全に整えたところで、早速臨戦態勢へと移行する。

目標、発見。

ファブリーズ砲で爆撃をぶちかます。

ヤツは苦しそうに逃げ回る。

ふはは、逃がさないぞ。それにしてもキメェな。

あ、まって、そっちは、、、、!!!

3センチほど床から浮き上がった棚の隙間に入っていく。

あ、終わった。我が家に長い棒は無い。

この2年、これほど棚を憎んだことはないだろう。

たった今より我が家はカマドウマのものだ。

などと一瞬頭をよぎるが、ここで負けるわけにはいかない。

賢い吾輩はすぐさま、

セブンから貰いだめしている割り箸を3本、

ガムテープで強固に連結させ、その棚と床との隙間にぶち込む。

ワイパーのように動かしヤツを引っ張り出す。

本当に出てきた。自分でもびっくりしつつ、再びファブリーズ砲をお見舞いする。

確実に動きが鈍っている。

勝利を確信した僕はファブリーズ砲のレバーを引く速度を上げる。

棚や床がびっしょびしょだがそんなの知ったことか。

頼むから死んでくれ、、、、、、、、

天に祈りながらレバーをひたすらに引き続ける。

そこはもう、さながら池のようだった。

神様になったような気持ちだった。

僕は池を創造したのだ。

ファブリーズの。


そしてついにその瞬間は訪れた。

勝った、、、、、、!!!

ヤツは池の中で脚をだらしなく伸ばし、

ピクピクと小刻みに震わせている。

マジでキメェ。

右手に握りしめていたティッシュの山で、

自分の触覚に嘘をつきながらヤツの亡骸を掴み取る。

そのまま袋を裏返し、秒で縛る。

勝った、、、、、

勝ったぞ、、、!!!

はい、

マジで無理なので本当にもう2度と出てこないでください。







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